人が作った時計、パルサーの計時精度を上回る 47
ストーリー by soara
そしていつしか時の守人が出現する 部門より
そしていつしか時の守人が出現する 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
人はパルサーや白色矮星よりも計時精度が上回る時計を作ることに成功しているそうだ(Technology Review、本家記事)。
この60年で計時技術は飛躍的に発達したという。西オーストラリア大学の物理学者 John Hartnett博士とAndre Luiten博士によると、人が作る光格子時計やイオントラップを用いた時計の相対精度は1017分の1であるとのこと。一方、最も優れたミリ秒パルサーでも相対精度は1015分の1とのことで、この世で 1番の高精度な時計は人の手による計時技術を用いたものだという。
とはいえ、パルサーよりも高精度を誇れるのは月単位から数年単位であるとのこと。1万年に渡り時を刻む時計を作る Long Nowプロジェクトの主体団体The Long Now Foundationによると、数百年や数千年の単位になった場合は電源供給の問題や計測機器の部品補充にまつわる問題、そしてメンテ技術の伝承といった諸問題が持ち上がるとのことだ。
ホントはどっちが正しいのやら (スコア:2, 興味深い)
このレベルだと量子論的な感がありますね。
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
時計の精度はどうやって計るのか (スコア:2, 興味深い)
とか思ってみたり。
Re:時計の精度はどうやって計るのか (スコア:4, 参考になる)
精度と正確度は別物です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E7%A2%BA%E5%BA%A6%E3%81%A8%E7%B... [wikipedia.org]
Re:時計の精度はどうやって計るのか (スコア:1)
時計としての正確度は今回は議題になっていなくて、あがっているのは精度についてだよね。
時間が正しく計れているいるか?よりも同程度の誤差でやっていける時計というのを人間が作ったということになるね。
Re:時計の精度はどうやって計るのか (スコア:1, すばらしい洞察)
それで、その精度は誰がどういう方法で保証しているのかという疑問だろ。
Re:時計の精度はどうやって計るのか (スコア:1)
時計の制度は時計で測るにきまってるだろ。
パルサー時計を二つ以上用意して、それぞれのパルサー時計のずれを、他のパルサー時計と比較するんだよ。
Re: (スコア:0)
Re:時計の精度はどうやって計るのか (スコア:1)
1mの線が100本あって、ばらつきがどれだけ少ないかが精度。
線100本の精度測定のためにはメートル原器で100回測定すればいい。
100本線の精度と原器の正確度はまったく別のもの。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
その程度の知識、大卒ならぐぐれということだよ高卒くん。
Re:時計の精度はどうやって計るのか (スコア:1, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
そんなオレにもわかるように頼むよ。
Re:時計の精度はどうやって計るのか (スコア:1, 参考になる)
パルスのカウント数の差を取ってばらつきの分布を取ればよい。
あとは統計の教科書で大丈夫だ。いわゆる理系の学部なら、物理など関係なく誰でも知っている。
どうだ、わかったか?
Re: (スコア:0)
そんな単位取得に直接関係しないもの誰が覚えてるかよ
アンケートとって統計してみたらいい
いわゆる理系の学部でなくても、誰でも知っている
どうだ、わかったか?
正しいの基準は? (スコア:2, 興味深い)
リンク先英文では理解できなかったんだけど(主に語学力の問題)、何を基準にどっちがより正確としてるの?
解説求む……
(振動|周波数)安定性が10^-17、それって (スコア:0)
親コメと同じく、何を基準にして10-17と言っているのか理解できなかったので、Technology Reviewを目grepすると、こう書いてある。
frequency stability=(振動|周波数)安定性が10-17。分った気になれない。
時計の精度をppmで計ったりするけれど、それと一緒? 60*60*24*365*10,000,000,000/1017=3.15だから、百億年に3秒ずれる時計ってこと?
Re:(振動|周波数)安定性が10^-17、それって (スコア:5, 参考になる)
足りない知識で専門外の人間が書いてみる.
誰かがフォローしてくれると助かります.
現在の原子時計の仕組みは,
・まず極低温に冷やした少数の原子を真空の共鳴空洞中にトラップ
・基底状態からの超微細構造部分の励起と共鳴するようにマイクロ波の周波数を調整
・マイクロ波カウンタで波の数をカウントし,一定数数えたら一秒(一秒である必要はありませんが)
という流れになっています.カウントの部分は現在ではまあGHzあたりなら測定できるので,周波数が秒の定義で用いられる「孤立した133Csの基底状態からの励起に相当する周波数=9192631770Hz」からどれだけずれるか,が問題となります.
現実の系では,複数のCs原子間の相互作用によるずれや共鳴部分でのずれなどがあり,測定される周波数のばらつきを含めて9192631770±Δ Hz,のようになります.
#実際には,系統誤差等ありますが,そういう取り除くことが可能そうなものを除いた上での誤差,と思ってください.
#また,必ずしもプラス方向とマイナス方向で同じ誤差とは限りません.
このときの周波数安定性は,Δ/9192631770程度です.これが10-17と言うことは,原子時計でマイクロ波を共鳴させると,その周波数に平均して0.0000001Hz程度の誤差が乗ってくる,ということです.このマイクロ波の波の数を数えて時間に変換していますので,周波数がずれると最終的な時間間隔にもずれが出ると言うことになります.
また,ある瞬間の周波数は安定していたとしても,例えば同じ原子時計をずっと動かしていると,じわじわとずれが生じます.例えば系統誤差(常に同じ量だけ真の値からずれる)は調整によってきちんと補正できますが,ずっと運転していると系統誤差の値そのものが変わる(装置の経時変化によるゆがみやら特性変化やら),などによりずれてきます(実際には随時補正).また,装置の寿命などの際には装置を交換しないといけませんので,同じ装置で同じだけの高精度を保ったまま測定を続ける,というのも限界があります.このため,長期的な安定性は必ずしも良いとは言えません.
なお,実際には,
・多数の原子時計を同時運用し平均を使うことでばらつきを減らす
・通常の原子時計より精度は高いけれどごく短い時間しか測定できないものを一次標準に使い各原子時計の系統誤差を減らす
という方法も併用して精度を出しています.
一方のパルサー(ミリ秒パルサー)ですが,こちらはパルサーの自転をカウントすることになります.磁極が地球の方を向いたときだけパルスがくるわけですので.
こいつはしばしば周波数がずれます.これは星震やらガス放出やらガスの落下などにより回転速度が微妙に変わる(角運動量保存則があるので,外から何か落ちてきたら速度が上がる,等)ためですが,このことにより短期的な安定性は原子時計に劣ります.
また,長期的には回転はじわじわと減衰していく方向ですので,この効果を差し引く必要があります(通常言うパルサーの回転安定性では,こういった差っ引ける項は差っ引いた後での安定性を議論します).
しかし,特にメンテナンスやら何やらが無くともそれなりに長い期間ほぼ同一の速度で回転し続ける(と信じられている)ため,長期的な安定性は高いと言えます.
Re: (スコア:0)
1746705のACです。詳しい説明をいただき、ありがとうございます。
frequency stabilityが10-17であることの意味が分りました。タレ込み文にある相対精度と書かれている部分に引っかかっての質問でしたが、説明のおかげでひとつ理解を深めることができました。
どっちにしても (スコア:2)
腕時計や置き時計にしたら平気でずれてくれるんだろうな。
正確な時計なんて、
どれだけチェックしてずれを修正するかにかかってるんだ
・・・と思っている。
ツッコミどころはここかな (スコア:1)
「人が作った時計、スパゲッティ・モンスターが作った計時精度を上回る」
それとも
「人の叡智をかけて作られた精密時計、宇宙創成という偶然の産物が作ったパルサーの精度を上回るのは数年程度」てことか。
ま、この間の女性型ロボット [srad.jp]といい、人間が手間暇かけて作るもので偶然の産物である自然界を凌駕するものはまだまだ出てこないな。それとも一億年くらいかければ何かまともなものが出てくるのかね?(それより先に人間が作った別のもので地球環境が破滅してなければよいが)
以下、最近のプロセッサの演算能力は俺の脳みそより凄いといいたげな反論でもどうぞw
# 「宇宙に始まりがあった」というビッグバン理論の提唱者、ベルギーの天文学者ジョルジュ・ルメートルはカトリックの司祭
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:ツッコミどころはここかな (スコア:3, 参考になる)
シンギュラリティというものがありまして。
自然の産物である人間がそれを超えるものを作り出した瞬間に人間は過去の存在になってしまうかと。
Re:ツッコミどころはここかな (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:ツッコミどころはここかな (スコア:2, すばらしい洞察)
しょせん偶然で作られた人間の実力はこの程度ってことです。偶然が直接やったほうがそりゃ効率はいいでしょう。
Re:ツッコミどころはここかな (スコア:2, 興味深い)
この表現が気になった。浅はかな人間が発見できていないだけでもっと高精度な天然の時計があるかも知れないし。既知の、ぐらいにしといた方が。
# 地球外文明が創った高精度な時計とか。
Re:ツッコミどころはここかな (スコア:2, 興味深い)
いや、そもそも人間が作った時計も、自然の偶然の産物かも知れない物理現象を使っているので、
何を持って越えたと言えるのか、ようわからん。
Re:ツッコミどころはここかな (スコア:1)
これから: 今時正確な時計を創るのにパルサーを測ってる奴は時代遅れ。
みたいな状況のもっと複雑なバージョンかな、と思ったけど違うのかな?
Re:ツッコミどころはここかな (スコア:1, 興味深い)
この表現が気になった。浅はかな人間が発見できていないだけでもっと高精度な天然の時計があるかも知れないし。既知の、ぐらいにしといた方が。
# 地球外文明が創った高精度な時計とか。
不確定性原理によれば、「(時間の測定誤差)(位置の測定誤差)>プランク定数に比例」
なので、位置の測定誤差が無限大な測器をつくれば時間に関しては正確無比な時計が作れる!
#嘘だけど。
原子時計の精度 (スコア:1, 興味深い)
とすると、セシウム原子時計で、トラブル以外の要因で、誤差が出るほうが不思議なのですが…
Re:原子時計の精度 (スコア:5, 参考になる)
>今の1秒の定義は、セシウム原子時計の原理そのもののように思えます。
定義はその通りですが,測定上の問題があります.
例えば,現在の秒の定義は,
133Csの基底状態の超微細準位間の遷移での放射の9192631770周期
となっています.そういう意味で,原子時計が完全に理想的な構造で誤差無しの測定が出来るならば精度の問題はありません.
ところが実際には,Cs原子は完全な虚無の中に浮いているわけではありませんので,周囲からの(微弱な)摂動の影響を受けて準位間隔が微妙にずれますし(実際の遷移のエネルギーと,定義で用いられている孤立原子でのエネルギーとのずれ),その周波数の測定自体にも工学上の誤差が生じます.
このため,いかに定義が完璧で(当たり前ですが)定義そのものに誤差が無くとも,測定される(非理想的な)時間には誤差がつきまといます.
よって,例えば100台の同じ設計の原子時計を同期させ,一定時間たった後に相互に比較するとずれが生じている(確度不足による誤差)わけです.
このため,現在の原子時計などよりもっと精度(というか確度というか)が高い時計(=もっと精度の出る実在の時計が作りやすい方式)が開発できるなら,そちらを用いて新たな定義がなされることとなります.そのような研究が現在盛んになされており,今の原子時計などよりも一桁以上(多分.分野外なので実際どの程度必要なのかは知りません)精度が上がるなら,そちらが新しい時間の定義になると見られています.
実際には,通常の原子時計よりさらに周波数精度の高い1次周波数標準器(原理は同じようなものだが,原子の固定法とか励起法とかが違ったと思う)というものがあり,これで各原子時計を校正(どの程度の確度なのか,どういった系統的なずれがあってどう補正すれば正確になるのか)していますので,この1次標準を超える必要があります.
Re:原子時計の精度 (スコア:2, 参考になる)
参考に
情報通信研究機構(NiCT)の次世代時刻周波数標準プロジェクト [nict.go.jp]
Re: (スコア:0)
その先の、次世代時刻周波数標準プロジェクトの中の一秒の定義 [nict.go.jp]を見て質問。
9192631770Hzを数えているのが、定義だとは分りました。その前の文章—励起赤外光350THz云々—が脈絡も無く書かれているように見えます。つながりが読めません。
350THzで励起した電子のスピンを変えるには9.19...GHzが必要で、これを秒の定義としている、ということですか。
Re:原子時計の精度 (スコア:2, 参考になる)
>その前の文章—励起赤外光350THz云々—が脈絡も無く書かれているように見えます。つながりが読めません。
つながりはあまりないと言えばあまりありません.
ただ,原子で「励起」というと,電子励起(まあ核励起のこともありますが)を指すことが多いので,「よく言う原子での励起=電子励起(電子を上の軌道に上げる)だと赤外光だけど,同じ軌道のままスピンだけ反転させる励起もあってそっちはマイクロ波で,マイクロ波の方の励起を使ってるよ」と言いたいんだと予想.
Re: (スコア:0)
1746733のACです。こっちもphasonさんに(予想とは言え)うまく説明してもらいました。ありがとうございます。
# そーか、基底状態じゃなけりゃ全部励起状態なんだな、と再認識
Re: (スコア:0)
時刻はNICTでも、時間(周波数)標準ならこっちNMIJ(旧工業技術院計量研究所) [www.nmij.jp]が本家では?
(もうちょっとNICTとAISTで持分を明確にしてほしいな。)
Re: (スコア:0)
おっと誰か来たようだ
Re: (スコア:0)
測定誤差があるんだろ。
人が作ったとかいうけどさ (スコア:1, 興味深い)
正確な時計ったって、正確な間隔で起きる自然現象をカウントしてるだけのこと。
こっちの自然現象が、あっちの自然現象より精度が高いですよという話しで、
そらそういうもんだろうよってだけで意味の無いことだと思うのだが。
Re:人が作ったとかいうけどさ (スコア:1, 参考になる)
>正確な間隔で起きる自然現象をカウントしてるだけのこと。
違うよ。ぜんぜん違うよ。
今の原子時計は原子の遷移を使って周波数を特定の値にチューニングしているんであって、正確な間隔で起こるものをカウントしてるわけじゃないよ。
Re:人が作ったとかいうけどさ (スコア:1, 興味深い)
それも励起に必要なエネルギーが常に一定だという自然現象を基にしてるんじゃないの?
Re:人が作ったとかいうけどさ (スコア:1, 興味深い)
その理論を(無理やり)展開してしまうと
PCだって高層ビルだって水爆だって
「自然現象」を基に応用していると言えてしまう
どちらも自然現象の観測ではありますが
パルサー → 見てるだけ と
原子時計 → 観測対象を調整 には
大きな違いが存在すると思います
人間の意図的な加工が介在した時点で
分けても良いのではないでしょうか?
(この表現も微妙なことを承知の上で・・)
# タイトルだけ見て「職人の作ったバネ時計の精度が!?」と
# wktkしたAC
Re: (スコア:0)
ということで、ひとつょろ
#駄目だろ
Re: (スコア:0)
パルサーを人間の都合で用意するのは簡単ではありませんが原子時計なら量産もできます。
人間にとってより扱いやすい自然現象のほうがより精度もいいというのは、大いに意味のあることでしょう。
時計オリンピック (スコア:0)
って宇宙人が言ってました
パルサーの計時精度 (スコア:0)