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宇宙

「はやぶさ」のカプセル再突入は 6 月 13 日に一発勝負 27

ストーリー by reo
わたしのゴール、ずっと目指してきたゴール 部門より

ultra_hawk_1 曰く

JAXA のニュースリリースによると、「はやぶさ」のカプセルの再突入が 6 月 13 日、オーストラリアのウーメラ立入制限区域になる事が発表された。再突入の時間は日本時間 23 時頃 (UTC 14時頃) の予定。

これに先立ち、4 月 15 日より、【はやぶさ、地球へ!〜帰還カウントダウン〜】という特設サイトがオープンしている。今まで公開されていた「今日のはやぶさ君」や「軌道情報」に加え、関係者からのメッセージも順次掲載されていく模様。また、Hayabusa Live Blogその Twitter での情報発信も開始されている。Twitter での情報発信では、他の宇宙機のアカウントとの交流も行われている。特に関係者の繋がりがある小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」とは頻繁にリプライを返しあっているようだ。

「軌道情報」等によると、現在の「はやぶさ」の状況は、5 回行われる予定の地球へ向けての軌道修正 (TCM: Trajectory Correction Maneuver) の途中で、初回の軌道修正 (TMC-0) が終了した状態である。3 月末に公開された PDF 資料にもある通り、今後、TMC-1 から TMC-4 までの軌道修正が行われる予定。TMC-3 により地球突入コースに入る予定だが、TMC-3 途中またはその後の通信断絶などがあった場合は、「はやぶさ」が自動的に姿勢制御をして惑星間軌道への脱出を計る。『「はやぶさ」の帰還とカプセルの再突入・回収にむけて』でも言及されているが、延期の出来ない1回限りの運用である。

予定通りの軌道を進みカプセルを切り離せた場合、「はやぶさ」は地球の影に入った段階で全機能が停止し、大気圏に突入して燃え尽きる。川口プロジェクトマネージャのメッセージにも、

空力的に大気でジャンプする案など、力を得ることもできるのだが、度重ねた検討によっても、熱の壁が先に来てしまい、救えないことはわかっている。

とあり、『カプセル回収 = 「はやぶさ」消滅』は免れないようだ。なお、カプセル回収予定地のウーメラ砂漠は、オーストラリア国防省によって管理される軍事施設内であり、立ち入り制限がある。ロケット打ち上げなどをよく見に行く方々も、今回は遠征を自粛するという意見が多いようだ (はやぶさまとめニュースの記事)。

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  • 日曜夜11時 (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2010年04月23日 10時43分 (#1753233)
    テレビとかで生中継を期待できそうな時間帯ですね、順調にいけば。
    • by Jubilee (20038) on 2010年04月23日 21時42分 (#1753745)

      んでもって青島文化教材社が乾坤一擲CMを打って例のプラモ [srad.jp]がバカ売れ、とか。CMそのものは公募したら自主制作の素材が集まるんじゃなかろうか。

      でも、H-IIB(HTV)打ち上げはネットで生中継を見て感動したけれど、「はやぶさ」再突入は完全に成功しても火球が見えるだけだろうだからテレビでの中継にはちょっと地味かも。

      --
      Jubilee
      親コメント
  • 鳶にさらわれない事を願います。
  • by Anonymous Coward on 2010年04月23日 10時42分 (#1753232)
    はやぶさを回収して詳細に調べあげ、次の探査機の設計にフィードバックしたほうが、いいと思います。
    カプセルにサンプルが入っている可能性が低いのだから、はやぶさのほうが貴重なサンプルです。
    • by Anonymous Coward on 2010年04月23日 10時52分 (#1753242)
      http://hayabusamatome.xrea.jp/wiki/index.php?%A4%CF%A4%E4%A4%D6%A4%B5FAQ

      Q. 「はやぶさ」の本体を宇宙ステーションやスペースシャトルで回収できないの? †

      MEFサイトの「勝手に応援ページ」に届いたメッセージに総合研究大学院大学/ISAS の森本睦子氏による解説が掲載されています.
      現在 MEF サイトは閲覧不可能であるため当時の文章を下記に引用します.

              ☆総研大/宇宙研 の森本です。
              MEFの中では、次期小天体探査の軌道設計をやっていましたので、コメントさせていただきます。

              簡単に言うと、「はやぶさ」がそうするように設計されていないので、現状では、不可能なのです。もう少し細かく言うと、私たちが不可能というときには、「技術的に不可能」・「物理的(自然の法則として)不可能」という時があり、再び地球に戻ってくるということは、両方の意味でとても難しいものです。
              「はやぶさ」のように、地球の影響圏を脱出して、太陽の周りを回るような探査機から見ると、「宇宙ステーション」は地表に張り付いているくらいの距離感覚です。さらに言うと、地球が「点」に見えるくらいです。
              そのような探査機が、地球に帰ってくる時、太陽から見て、探査機と地球が並走するような速度で地球に接近したとしても、(地球から見たら、ほぼ速度がゼロに見える)地球の重力が大きく働く領域まで近づいてくると、地球に近づくほど地球から見た速度はどんどん大きくなります。
              ステーションのある辺りまで近づくと、地球に対して、「秒速十数km/s」という速度になっています。つまり、自然法則により、とても大きな速度になってしまいます。

              この速度をなんとかして減らして、地球を周回する軌道に一度入れて、宇宙ステーションとほぼ並走したあとに、ドッキングすると言う事も将来的には考える余地はあるのかもしれませんが、(※必ずしも宇宙ステーションである必要はありませんが。)
              「速度をなんとか減らす」ためには、莫大な燃料が必要となるために、「はやぶさ」では、秒速十数km/s(細かい数値は忘れましたが)のまま、カプセルだけが大気圏に突入するような設計になっています。
              この方式でないと、そもそもItokawaに行けませんでした。「はやぶさ」は、このカプセルがあるおかげで、なんとかサンプルリターンを行えるミッションになっていると個人的には思っています。
              「はやぶさ」では、このカプセルによる帰還方法も技術課題(工学試験項目)に入っています。

              それから今のところ次期小天体探査も、カプセルを使うつもりで軌道を設計しています。ですから、是非、カプセルによる帰還試験を行ってほしいと思っています。
              (MEFメーリングリスト、2005年12月11日)
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    • by WindKnight (1253) on 2010年04月23日 12時32分 (#1753313) 日記
      みんな、まるごと回収できるものなら、したいと思っているよ。
      でも、今の技術では出来ない。
      何年先になったら、何兆円かければ、出来るかすら判ってない。
      現実に無限の宇宙に挑むということは、そういうこと。
      だから、そこには未来があるし、一歩づつ進むしかない。

      これもその未来への一歩なんだな。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2010年04月23日 14時56分 (#1753448)
      簡単に,というか正確さを無視して述べるなら,
      地球の重力圏からの脱出はロケットで出て行った訳なので,
      地球の重力圏への軟着陸?はロケットと同じだけの(減速)エネルギーが必要です。
      だから大気圏再突入による減速以外に地球帰還方法はありません。

      もしはやぶさを迎えに行くロケットを用意するとすると,その宇宙船は,
      いったんはやぶさのスピードまで加速して,また減速するために膨大な燃料が必要になります。
      しかもドッキングは衛星軌道ではなく,前例のない惑星軌道でのドッキングになるので
      HTVの難しさの比ではありません。
      というわけではやぶさのミッション自体よりもはるかに高度なミッションになるでしょう。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      いいえ、打ち切って、予算を別に回すほうが正しいです。
      • by Anonymous Coward

        少なくとも民主党政府はそういう方針みたいですね。
        http://srad.jp/submission/38484/?art_pos=8 [srad.jp]
        すぐに産業化できるような費用対効果の高いものにしか用がないんだったら宇宙庁の存在自体金の無駄だからとっとと仕分けちゃってください。

        • by Anonymous Coward on 2010年04月23日 11時10分 (#1753254)

          民主党だろうが自民党だろうが国家社会主義ドイツ労働者党だろうが、秒速10km超で地球に接近してくる探査機を回収することなんか不可能です。
          そもそもそういう風に作ってませんし。

          あなたが民主党政権がお嫌いなのはわかりますが、単純な物理学の領域までそのお嫌いさを剥き出しにしないで頂きたい。

          っていうか、
          >一方で、この諮問会議では科学探査・安全保障、気象観測の人工衛星は「積極的に推進」と提言した
          って言ってンじゃん。
          まるで逆だよ?

          親コメント
        • by Anonymous Coward
          > 少なくとも民主党政府はそういう方針みたいですね。
          民主党がどういう方針を立てようとも、誰かさんの一声で方針でも何もかも変わってしまうんだから
          その誰かさんに 貢げばいいんじゃないの!?
    • by Anonymous Coward
      地球の衛星軌道に乗せられるなら回収の可能性もあるでしょうけど、今のはやぶさにそんな軌道変更はできないでしょう。今のところ地球に突っ込んでくる隕石をキャッチする技術はありませんから回収は無理かと。
    • by Anonymous Coward

      車に空を飛べとか言っちゃってますか?

      # プロが下した検討の結果を、見当外れな意見で批判しないでほしいなぁ。
      # どの分野でも。

    • by Anonymous Coward
      それならば過去に様々なトラブルを出した各種技術試験衛星や実用衛星も回収して詳細に調べ上げ、次の衛星の設計にフィードバックしたほうが、いいと思います。
      宇宙先進国であるアメリカやロシア、中国がなぜそうしないのか不思議でなりません。
    • 野口さん:「バッチ来~~~~い!!」
      • by Anonymous Coward

        そして、ISSは巨大な棺おけとなった。

    • by Anonymous Coward
      結論から言いますと不可能です。 シャトルやISS等の地球周回軌道(第一宇宙速度)が約7.9km/sです。 これに対しはやぶさは惑星間航行速度の約12km/sで現在巡航しています。 これだけの速度差があると現在の科学技術ではランデブー&ドッキングは不可能なため、はやぶさの回収は理論上、技術上不可能となる訳です。 ご理解いただけましたでしょうか?
  • by Anonymous Coward on 2010年04月23日 11時38分 (#1753278)

    TMC: Trajectory Correction Maneuver

    と書かれていて、元の用語と略語がねじれていますが、JAXAのニュースリリースを確認すればわかるとおり、TMCは誤りでTCMが正です。

  • by Anonymous Coward on 2010年04月23日 21時34分 (#1753738)

    H2B打ち上げ時みたいに「画面が真っ白」ってのはさすがにないだろうけど、
    成層圏までは高熱で明るくなることが予想されるので
    観測に夢中になって中継カメラの調整がおろそかにならないよう祈りますです。

    #ちなみに再突入体やはやぶさ本体の大気圏突入も人工火球として観測対象

  • by Anonymous Coward on 2010年04月23日 21時42分 (#1753744)

    はやぶさの地球付近での速度は秒速十数kmだそうですが、 突入速度を仮に秒速15kmでカプセルの質量を17kg(出典 [wikipedia.org])とすると、 運動エネルギーは約1.9GJ(約531MWh)で、東北電力の女川原子力発電所の1号機(524MW) [tohoku-epco.co.jp]が、 1時間発電した電力量に匹敵するエネルギーになりますが、 それだけの運動エネルギーを持って突入するカプセルが融けずに地表まで到達できるか? 非常に興味深い実験ですね。

    罷り間違っても、運用中の人工衛星やISSに衝突しない事を期待します。

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