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宇宙

GXロケットの研究開発を行っていたギャラクシーエクスプレス社、解散 43

ストーリー by hylom
The-End 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

IHIの子会社であり、GXロケットの開発を行っていたギャラクシーエクスプレス社が6月29日、解散した(東京商工リサーチ)。

同社は官民共同プロジェクトとして中小型ロケットの開発を目的に設立されたが、開発の遅れや開発費の高騰などもあり、昨年11月の「事業仕分け」によりGXロケット開発計画の廃止が決定、親会社のIHIが民間のみでのプロジェクト続行は困難として解散を発表していた。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 0時05分 (#1787669)
    スジが悪い技術は早めに摘み取るべきだが、それがJAXAはできなかった。
    仕分けには嫌な思いをさせられてきたけど、これだけは評価する。
    • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 0時34分 (#1787681)

      そもそもGXロケットは自民党政権時代に「自民党無駄撲滅プロジェクトチーム」が開発凍結という方針を出してたのに、国防族を巻き込んだIHIの政治工作で「国防用衛星打ち上げに最適」という㌧でもな理由付けをされて無理矢理に延命されていたもの。

      450億円の開発費で早急に開発終了できる、とした計画が700億円掛けてもまだ完成どころかその目処すらつかず、最終的には1500億円~2100億円の予算がかかる、とした文字通りのデスマーチなダメプロジェクトです。
      仮にそれで開発が完了しても、できるのはH-2Aと同じ価格(量産に成功した場合)で、H-2Aの半分以下の能力しかなく、アメリカのヴァンデンバーグ空軍基地からしか打ち上げができないという高くてショボくて使いにくいロケットです。

      とっとと切らなかったことがそもそも、自民党政権のダメっぷりの証明ですらありました。

      昨年の政権交代には毀誉さまざまな評価がありますが、このGXにダメ出しをしたという点については無条件に高く評価していいものと思われ。

      親コメント
      • おぉ、言いたいことを補間してくれてサンクス。

        2000億円っていったらH2Aの開発費の半分程度か。
        それで国内では打ち上げできないなんで、どこまでアメリカさんに
        貢ぐんだよ、といった感じ。

        こんなもんより、M-Vのコストダウンを見たかった。確かに
        固体燃料ロケット固有の激しい振動など、根本的な問題もあっただろうけど、
        それでもそれを乗り越える技術と姿を見たかった。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 2時51分 (#1787704)

          >こんなもんより、M-Vのコストダウンを見たかった。

          IHIエアロスペースはGXの中止により、新型固体ロケットイプシロンに注力することができるようになりましたよ。

          このたび開発予算がおりたイプシロンの一段目はH-2Aにも使われているSRB-Aですし、二段目はM-Vロケットの三段目M-34bの改良型を使います。三段目はやはりM-Vのキックステージ(実質四段目)KM-V2の改良型を採用。
          このように技術的にはじゅうぶん枯れている技術を組み合わせた「手堅い」ロケットになっています。(ちなみに一機30億円という格安の価格設定を目指しています)

          これらがGXロケットではまともに実験すらされていなかったLNGエンジンを用いたことに対する反省だとしたら、IHIエアロスペースは失敗に学ぶ柔軟性のあるよい組織だということですね。

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          • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 10時16分 (#1787760)

            >(ちなみに一機30億円という格安の価格設定を目指しています)
            安くもないよ。

            能力は現在計画されているファルコン1eと同等(SSOで400kgちょっと/LEOで1tちょっと(と言うのは苦しいか))
            向こうは910万ドル。値段1/3。

            親コメント
          • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 10時53分 (#1787777)

            このように技術的にはじゅうぶん枯れている技術を組み合わせた「手堅い」ロケットになっています。

            うーん、大昔に新型固体ロケットの話題が上がった時は、J-Iの再来、継ぎ接ぎではコストだけでなく性能も大幅低下、SRB-Aを第1段にするには誘導装置など多々手を入れる必要がある、だのボロクソ言われていた気がしたのに、時が経てば見方も変わるものですね。

            親コメント
            • Re: (スコア:0, 荒らし)

              by Anonymous Coward
              手堅いに反論したら即行で荒らしモデですか・・・。批判を無視してGXロケットを継続した連中と同じ穴の狢っぽいですね。
          • これらがGXロケットではまともに実験すらされていなかったLNGエンジンを用いたことに対する反省だとしたら、IHIエアロスペースは失敗に学ぶ柔軟性のあるよい組織だということですね。

            そもそも、本体価格30億目標となると新規の開発アイテムは殆ど使えないでしょう。新規アイテムの検証作業や試作にコストがかかりすぎてしまう。

            IHIエアロスペース社や石播の内部事情に詳しくないですが、元々固体ロケットは日産の航空宇宙部門がやってきた事業を、日産がルノーに売却されるときに部門ごと石播に譲渡・売却したという経緯がある訳で。
            元々軍事転用が可能な技術を(しかも自衛隊向けのロケット弾の開発生産も担っていた部門を)フランス資本の傘下に入れないために(そして、採算性も良くなかったので)石播に押し付けて合併、IHIエアロスペース社が発足したという経緯でして、この辺りでLNG推進系の商品化を推進していたグループと固体ロケットをやってきたグループの間に温度差と言うか社内政治的な力の差が少なからずあったのではないかと思いますよ。

            その上で、LNG推進系のグループが強引で時期尚早な商品化を進めるためにゴリ押しして、結局固体ロケットグループの最大の十八番だったM-Vロケットを廃盤にしてまでGXに統一しようとしていた訳で
            …GX社自体は独立した会社でも、石播が多額の資金を投入していた訳で、政府の買取も完全に期待できなくなった以上、その資金を回収するためには直ぐに・確実に商品化して動作不良を起こさない確実な商品を打ち出さないと収益上も信用上も石播的に大問題になってしまう。
             で、マトモな予算が付かなかったので細々と開発が継続されてきた(そして開発予算が殆どないからあり物の改良版の組み合わせにするしかやりようがなかった)イプシロンロケットの本格開発に乗り出したのでしょう。

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              俺もそう思うが、3行で書ける内容だな。
              自慰行為ではなく読み手を想定して書いているのなら、
              思考を垂れ流すのではなくもっとポイントを絞って書くべきだろう。

        • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 1時52分 (#1787693)

          > 2000億円っていったらH2Aの開発費の半分程度か。

          H-IIAの開発費は1200億円強ですね。
          その後の改良費用を含めても1500億円弱程度。

          元のH-II開発費(2700億)を含めたら4000億以上じゃん、と言い出したら、
          GXはアトラスVの第1段の開発費も含めないとフェアじゃないし。

          M-Vのコストダウン案を見たかったのは同意かな。
          ただ、イプシロンになってH-IIA/Bとのアビオニクス(電子制御系)の共通化が
          図られるのはメリットか。
          イプシロンもJAXAの予算不足でなかなか開発費が付かなかったけど、
          ようやく予算も付いたみたいだし。

          親コメント
        • Re: (スコア:0, フレームのもと)

          もともと自公政権下でもエンジン開発の継続にしか予算がつかない状態、つまり現況と変わらない状態にありましたし、
          費用の1割縮減という「とりあえずコストダウン頑張ってね」以上のナニモノでもない衛星の研究開発とあわせても、
          宇宙分野における仕分け会議のやったことはほぼ何もないですよ。下手に手突っ込んでなお酷い状態になるよりはよかったと思うけど。
          それにこんな質問 [mission21.gr.jp]してるのは民主党の代議士だし、そもそも政治的要素の絡まない衛星打ち上げ機なんて世界のどこにあるんですか?

          • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 7時25分 (#1787725)

            えーと、GXに関しては「自公政権下でとどめを刺されていた」と誤解されがちですが
            http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/gxrocket.pdf [kantei.go.jp] (←下野5日前のGXロケットの扱い)
            「概算要求までに判断する」という「結論先送り」になってたんですよ。
            んー、どういうことか分かりにくいですかね。
            シンプルに表現しますと「選挙後に改めて続行するか決める」もしくはもっとシンプルに言えば「河村官房長官続投なら続行」ということです。
            だからこそギャラクシーエクスプレス社は「今」つぶれたわけですね。

            衛星研究予算については事業仕分けで「概算要求より1割減」となっていますが、実は文科省は「衛星研究予算の概算要求を去年度予算(実績)より2割増」で要求していますので、去年度予算よりは増額していたりします。
            だから、はやぶさ関係者などは「事業仕分けのせいで大変ですね」みたいに言われると「え?霞が関は予算くれたよ。JAXA内で削られただけで」と不思議そうに言ったりするわけです。

            仕分け会議がやったのは基本的に「これは無いわ」というものに「無いわ」と言うだけの仕事でしたが、自公政権下ではみんな「無いわ」と思っていても歪められ続けてきたわけですから、仕分け全般の良しあしはともかく本件に関しては少なからぬ意義があったと思いますよ。

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              >衛星研究予算については事業仕分けで「概算要求より1割減」となっていますが、実は文科省は「衛星研究予算の概算要求を去年度予算 (実績)より2割増」で要求していますので、去年度予算よりは増額していたりします。

              すいません、この件についてのソースってありますか?
              探したのですがどうにも見つからないのです。

    • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 13時30分 (#1787938)

      >スジが悪い技術は早めに摘み取るべきだが、それがJAXAはできなかった。

      だってスジが違うもん。民間企業をJAXAがどうこうできないし。

      そもそも巨額の税金投じて一企業の子会社を作ったのがおかしい。
      そして乱脈経営に誰も口出しできなくしちゃったのがおかしい。
      ついでに何のお咎めもなく解散してるのがおかしい。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        巨額の税金を投じたはずのH-II/H-IIAが一企業の商品になってるのですが。その上その一企業の営業強化のために更なる国費投入を要求してるし。
        おまけに政府が実用化までちゃんと手当てするというからIHIだって数百億投資してるのに、補填もないままハイそれまでよじゃそれもちょっと。

        • by Anonymous Coward

          親方日の丸で会社を作り、金だけもらって何も完成しなかった会社と
          国税で発注された仕事を請けた会社、そして実用になる商品を完成させた会社を同列に語るのかい?

          • by nim (10479) on 2010年06月30日 15時33分 (#1788008)

            H-IIシリーズのLE-7Aエンジンはその石川島播磨が作ってたと思いますが。

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            何もしないってだけで分けても意味ないよね。
            利用するロケットは用立てるってのが完全に反故になっているんだから。

            まあ、そこの目途さえ定かじゃないのに会社作ってどうこうってのもあるが。
            それならそれで購入機で打ち上げ業務だけでもやれば良いだろうに。

            ああ、元々が米空軍基地の維持費の負担が目的の事業なんだったっけか。

  • by Anonymous Coward on 2010年06月29日 22時13分 (#1787633)

    半導体技術や液晶技術と同様に技術流出してしまいそうな気がするのですが、大丈夫でしょうか?
    まして今度は直接兵器転用可能な技術ですよね??

    • by Anonymous Coward on 2010年06月29日 22時48分 (#1787648)
      主旨がよく判りませんが、

      GXロケットは、

      ・1段目は、既存のアメリカのアトラスIIIとか、ロシアのRD-180とかを利用。
       共に液体ロケット。ICBM等への利用は不向き。
       そもそも技術は各国から直接入手すれば宜しい。

      ・2段目は国産LNGロケットだけど、そもそも実用化はされておらず、
       わざわざ軍事転用等はナンセンス(メリットあるのか?)。

      流出を心配するほどの実績とか人材なんてないんじゃない?

      今後はイプシロンロケットの開発に注力するのでは。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        ニコ動に燃焼試験の奴が上がっているけど、500秒間あっさりと、ただ淡々と何事もなく、燃焼し続けている。
        ブレイクスルーの可能性を信じて研究だけでも細々と続けられる予算が欲しいなぁ。
        • そのLNG推進系ですが、開発は継続ですよね。一応LE-8という正式名前も付いていますし。

          --
          masamic
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          • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 5時29分 (#1787719)
            >そのLNG推進系ですが、開発は継続ですよね。一応LE-8という正式名前も付いていますし。

            それなりの運転時間の燃焼試験実施にまでこぎつけたのだから、今後に期待しましょう.
            残念なのは燃料タンクの問題が出来た時に開発マネージメント上の適切な対処を怠ってプロジェクト全体(GXロケット)がポシャったこと.

            しかし、米国の基地からしか打ち上げできない安全保障用途の国産ロケットって本当に冗談だったよな.
            親コメント
      • by Anonymous Coward

        何百億もかけた以上何でもいいから成果はないのか知りたい。
        ネジ1個でもいいからないもんかな。
        このプロジェクトは駄目なことがわかったことだけが成果です、ってのは酷過ぎる。

      • by Anonymous Coward

        どーでもいいけど、アトラスⅢの一段目のエンジンがRD-180な

        まあ、軍事利用とは関係ないロケットだな。

      • by Anonymous Coward
        人材の流出というか、H2ロケットのほうで動いてくれればよかった人材が9年間無駄に使われていたことが非常に残念。 官僚と政治家の意図が押し付けられてこんないびつな計画になってたんだぜ。
    • 実際には二段目の(国産)LNG推進系に関する技術や一段目のアメリカのエンジンとのインテグレーション技術でしょうけど、LNG推進系の技術は流出の可能性があるけど流失にはならないと思いますよ。
      そもそも、何処の国であっても物に出来てるロケットが殆どない技術(特にアメリカのロケットエンジンとのインテグレーションともなると無謀だろう…)なので幾つかのパテントや何名かの(特に石播の)技術者が海外に流失する危険はあるでしょうが、
      元々商品どころか試作品ですら安定動作が怪しかった代物だったのを商品化を停止して、基礎研究からやり直して当面細々と研究が続けられるだけなので、意外と無問題で話が進んでしまうように思いますよ。

      親コメント
    • 半導体技術や液晶技術と同様に技術流出してしまいそうな気がするのですが、大丈夫でしょうか?
      まして今度は直接兵器転用可能な技術ですよね??

      それ言ったら、イタリアのVegaロケットって、M-Vの技術がベースじゃなかったっけ?
      で、固体燃料ロケットだったら、軍事転用可能じゃないの?
      そう云う意味では、日本製で、軍事転用可能なロケット技術は、とっくに、海外に流出してまっせ。

      親コメント
      • >それ言ったら、イタリアのVegaロケットって、M-Vの技術がベースじゃなかったっけ?
        >で、固体燃料ロケットだったら、軍事転用可能じゃないの?
        >そう云う意味では、日本製で、軍事転用可能なロケット技術は、とっくに、海外に流出してまっせ。

        作り話で風呂敷広げるのはお薦めできない。
        殆どの固体燃料ロケットは弾道ミサイル技術であり軍事予算からの開発だが、純粋にロケットのみとして開発されたのは日本の東京大学及び宇宙科学研究所のロケットのみだ。
        そう言う意味でイタリアがM-Vロケットを学術レベルで学ぶなり参考にしたかもしれないが”M-Vの技術がベース”などと言う話はあなたのホラ話にすぎない。

        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 3時59分 (#1787711)

      流出するほどの技術や人材があったら、スケジュールはここまで遅れてないだろうし、費用も膨れ上がったりしないんじゃない?

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      ふっふっふ、これで優秀なLisperを雇えるぞ。
      • by Anonymous Coward
        みな官僚的Schemeにばかりこだわっていて使いものになりません。
  • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 3時35分 (#1787709)

    古い夢は置いて行くがいい
    ふたたび始まる ドラマのために

    というところか

    • Re:Galaxy Express (スコア:2, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2010年06月30日 5時44分 (#1787721)
      The Galaxy Express Company
      Will take you on a journey
      A never continuing journey
      A journey to the dissolution
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        えー、毎度おなじみ
        JAS(略)の方からとM本氏の家の方からきましたよ、っと。
        • by Anonymous Coward
          N崎<俺も来たぜ

          # 呼んでねーって
        • by Anonymous Coward

          えっと、作詞 [wikipedia.org]にM本氏は絡んでないですが?
          #それでもM本氏なら文句を言いかねない気がするのが何だけど(笑)

      • by Anonymous Coward

        Sayonara sweet memories
        it's good bye.

  • by Anonymous Coward on 2010年06月30日 9時39分 (#1787749)
    今なら、ギャラクシーエクスプレスで登記しても怒られない?
    • by Anonymous Coward

      銀河鉄道管理局に通報しますた

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物事のやり方は一つではない -- Perlな人

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