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純度 4N で 6N 相当の純銅が開発される 44

ストーリー by reo
チタンで勝手に改造 部門より

Aluminum-Carbide 曰く

日立電線が 6N (純度約 99.9999 %) の高純度銅相当の軟化特性などを持つ 4N (純度約 99.99 %) の純銅を開発したとのこと (Tech-On! の記事日立電線のプレスリリースより) 。

HiFC と名付けられたこの銅は、4N 銅に極微量のチタンを添加することで 6N 銅相当の低温軟化特性を実現したもの。その他にも高い伸び優位性、やわらかさと耐屈曲・疲労寿命の両立が可能、高導電性などの特徴があるという。

不純物を混ぜることで、高純度と同等にできるとなるとは……。オーディオマニアさんのご意見も聞いてみたいものです。

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  • by hafu (31167) on 2011年01月21日 23時32分 (#1891795) 日記
    不純物である硫黄の挙動を僅かに添加したチタンで抑え込むという訳で、これは、チタンは銅の添加剤という事ですね。
    一般的な化成品ではこういった鼻薬を使う事は良くあるのですが、純度を要求される金属を精製する過程で添加剤を使うのは珍しいな。
    • by Anonymous Coward on 2011年01月24日 12時59分 (#1892575)
      発想の転換の勝利ですね。

      要求されているスペックの本質が、材質的なスペックではなくて特性的なスペックということに
      気付けば、純度ではなく、不純物のマイナス特性の抑制をすればいいのでは? とたどり着ける
      解答なのでしょうが、こういうのに気付けるのが、まっとうなビジネスで一財産築くことができる
      素養なんじゃないかと思います。実際に採用されるまでの研究開発も必須ですけど。

      #特許出願は毎年のようにしてるのに、審査請求や特許維持費用までお金が回らずほとんど失効させてるAC
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      • by Anonymous Coward
        先行発明の証拠になるから出願だけでも役に立つんじゃないですかね。
      • by Anonymous Coward
        TRIZを思い出した. そういう発想法をまとめたものが、まさにTRIZだね.
    • by Anonymous Coward on 2011年01月24日 14時33分 (#1892658)

      そもそも、タフピッチ銅(酸素を0.02~0.03wt%程度含有)が電線などに使われるのも、銅中に含まれる不純物が酸化物として固定されマトリクスが純化して電気伝導度や加工性が上がるからで、それと発想は同じですね。
      #レベルは違うけれども

      ちなみに酸素はもう一桁下では有害(熱間加工性が悪い)なんですが、それを殺す目的でリンを添加したの銅にC10300があります。
      だもんで、珍しいというわけでもないような。

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      • by sambar_fgfs (39950) on 2011年01月24日 20時35分 (#1892829)
        今回の場合、「純度を上げるより安いコストで、高純度の銅と同等の機械的性質を持たせた。(電気的性質は…俺は知らん)」ってのがミソでしょう。
        チタンは高いと言っても、使う量は微量(のはず…)ですし、プレスリリースによると工賃の安くつく方法で作れるようですし。

        #余談ですが、普段「鉄」とよんでる物はほとんどがFe-C系合金だったり。
        親コメント
        • チタンは加工が難しくて製品が高いってだけで、材料自体はいっぱいあると聞きますから、
          まぜて溶かすぶんにはコストはかからないかもしれませんって憶測。

          --
          新人。プログラマレベルをポケモンで言うと、コラッタぐらい
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    • by Anonymous Coward

      鼻薬というのはほんとにこんな名前なんでしょうか;;

      • by hafu (31167) on 2011年01月25日 5時32分 (#1892984) 日記
        解釈にしばらく時間が掛かりましたが、成程、正しく「鼻薬」と言えば、お薬の意味以外では「賄賂」という意味なのですね。
            自分が化成品の開発をしている時には、こういった極少量の添加剤の事を普通に「鼻薬」と呼び、初めて聞いた時にも即座に意味が判ったので普通の用語と思っておりました。
        社内用語だったかな?

            勉強になりました (^^;;。
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  • ピュアAU的展開 (スコア:4, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2011年01月24日 13時08分 (#1892581)

    チタンが入るとどうしてもこうね、音が堅くなるね。
    やっぱ6Nの純粋さは6Nでしか実現できないよ。
                          --------オーオタかく語りき

    • Re:ピュアAU的展開 (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2011年01月24日 15時20分 (#1892681)

      今回の新素材を6Nより高価格に設定すればそちらの方が良いと言い出すに違いありません。
      まずは軽く3倍くらいから行ってみましょう

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    • by Anonymous Coward
      ま、たしかに電気的性質の改善が目的じゃないですからねえ。
      • by nekopon (1483) on 2011年01月24日 13時22分 (#1892597) 日記

        珪素の「高純度」も、電気的な性質から求められる「純度」であって、化学的な純度はそこまでいかないという話を聞いたことがあります。誰か真相をご存知ないでしょうか?

        # まさに電気的な特性が必要なのですから、それでよいわけですが

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        • Re:ピュアAU的展開 (スコア:1, おもしろおかしい)

          by Anonymous Coward on 2011年01月24日 14時05分 (#1892638)
          やっぱ同位体分離してない素材を使ったケーブルは音の純度が低くてパートの分離が悪いよね。
          それに分離後素材のケーブルでも、63Cu より 65Cu の方が僅かに重心が低いんだ。
          親コメント
        • by Anonymous Coward

          おっしゃるとおり、11Nの半導体グレードでも、炭素や酸素は0.1ppmだか0.01ppmだか以下であることしか保証されていなかったはず。
          炭素はやはり同族と言うことである程度親和性があるし、酸素はるつぼから混入してきてしまうんで。
          #とは言え減らすための技術開発は常に行われていて、徐々に減ってはいる。

          他のメタル類などのドーパント濃度は数桁低いんですが。

    • by Anonymous Coward

      二重盲検法での検証を是非お願いします。

    • by Anonymous Coward
      きのせい!!!
    • by Anonymous Coward
      そりゃ、無酸素銅の酸素含有量を聞き分けられる方々が不純物の不動体化なんてごまかしで満足されるはずがありません。電子散乱による熱雑音を押さえるにはバリスティック伝導が保証された配線しか使えませんよねえ。
  • by NOBAX (21937) on 2011年01月24日 13時14分 (#1892587)
    前日224円→228円(ここ2週間ほど下げていたので、反動みたいです)
    兜町的には、大した技術とは評価していないようですね。
    • Re:株価は未反応 (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2011年01月24日 13時31分 (#1892606)

      株屋風情を喜ばす為に研究しているんじゃないだろうしな。

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        当たり前。
        いい研究なら企業価値を上げるから、株は反応するんだよ。
        • by Anonymous Coward
          え? すぐに業績に繋がらない研究なんて、よほどの煽りが無い限り株は反応しませんよ?

          # その煽りを専門にする新聞があるぐらいなんですから、
    • by Anonymous Coward

      この技術が売り上げ4000億、今年度利益予想25億の会社に与える影響は微々たるものでしょ?
      そりゃ評価されないさ。

      夢やプライスレスな情報ならともかく、こういう堅い情報には、それ相応の評価がされるだけなんだよね。

  • by Anonymous Coward on 2011年01月24日 13時43分 (#1892619)
    どうなんでしょうか
    添加物とはいえ、チタンと聞くと高価なイメージがします

    得た効果とコストを比べたとき、消費者はどちらを選ぶかな
    • by digl (19182) on 2011年01月24日 14時18分 (#1892649) 日記
      今では高価と言うイメージが高いですが、Tiは単純に高価と言うものではないと聞きました。
      実際、中国で街灯のポールとして大量消費されていたと言う例もあって、精練度が低ければ割と安価に手に入っていたみたいです。
      恐らく、日本で出回った当初は精練や加工の結果で「硬い。加工し難い」なんてイメージ先行だったのかなと想像してます。
      ---------------------------------------------
      「その街灯のポールが突然折れたりするから面白い」と、チタン鍛造技術開発している学校の先輩から聞いた酒の席は楽しかった。
      先輩が製品のエンドユーザから日本GPへ招待された(本人はそれまでF1興味無し)なんて話聞いて、「なんて裏山……」と思ったりとか。
      そういや、ニコンのFM2にも軍艦部がTiなFM2/Tiってあったなぁ。F3/Pのイメージで買おうかと思ったら、
      NSPの人から「柔らかいからコレクター以外買うメリットないよw」と止められたっけ
      --
      fj.jokes出身:
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        クラーク数で10位だから品質を問わなければ銅よりはるかにありふれている元素ですね。
        • by Anonymous Coward

          まあ量が多いとはいっても、比較的酸化しやすい(還元しにくい)金属だから、純金属を得るのにはそれ相応のコストがかかりますけどね

    • Re:コスト的に (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2011年01月24日 14時09分 (#1892643)

      6N銅は、電気銅をさらに精錬しないといけないし、コンタミ防止のために専用の炉・鋳造設備が必要、成分を保証するのに特殊な分析が必要etc.で、通常の4N銅にTiを添加する方法に対してコストでは比較にならないですよ。

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    • Re:コスト的に (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2011年01月24日 21時32分 (#1892860)

      6Nの銅に工業的に必要とされる特性は①不純物が少ない、②①ゆえに柔らかい、というのが現在の主なところです。
      半導体の銅配線用スパッタリングターゲットとかは①なんで6Nを使わざるを得ないですが(その割にはダマシンメッキ用のアノードには4N-Pを使ってる)、②の用途では6Nの高価さゆえにほとんど使われてません。
      唯一とも言ってもよいのは銅ボンディングワイヤぐらいでしょうか(高速でダイに圧接するので硬い線だとシリコンが割れてしまう)
      極細線なので、加工費が大きく相対的に材料費が小さい、使用される材料そのものの量も少ない、6Nの銅が高いといっても今まで使われている金よりは安い、等の有利な条件があって使われつつあるようですが、特性的にはいまいちで金ボンディングワイヤを代替するにはいたってません。
      もっと太いところ(たとえばモーターの巻き線、柔らかいともっと充填密度が上げられて効率がよくなるor小型化できるはずというニーズがある)では、前述のとおり6Nでは高すぎで使われていませんが、通常の4N+アルファ程度の価格であればひょっとしたら競争力があるかもしれません。

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    • by SteppingWind (2654) on 2011年01月24日 15時18分 (#1892680)

      元素としてのチタンなら, 白色塗料としての酸化チタンなんかは日用品とか化粧品なんかにもよく使われています.

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    • by Anonymous Coward

      チタン製品が高価なのは加工性の問題では。
      金属チタン自体もレアではあるけど、ゴルフクラブなんてどうでもいい物にまで使われる程度にありふれてるし。
      合金の原料としてはそれほど気にすることもないかと。ごく微量だし。

      • Re:コスト的に (スコア:4, 参考になる)

        by naima (6903) on 2011年01月24日 18時55分 (#1892796)

        チタンが高価なのは加工もだけど、精錬が高コストだからで
        レアな金属じゃなく、埋蔵量は鉄に次ぐほど多いと言われてます。

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      • by Anonymous Coward on 2011年01月24日 14時05分 (#1892639)

        チタン製品が高いのはイメージ戦略が一番ですよ。
        昔ほど資源的にはレアでもないし、現状で回っているのは加工性の良い合金が多いんで。
        昔は6-4のイメージが大きかったけどね。

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    • by Anonymous Coward

      >添加物とはいえ、チタンと聞くと高価なイメージがします
      チタン製品が高額なのは加工コストが高いからで、
      添加剤として使う分には大したことないのでは。

  • by Anonymous Coward on 2011年01月25日 0時14分 (#1892930)
    金や銀にチタンを混ぜるんだろうな。
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