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地球

世界人口は「持続可能な人口数」を超えてしまったか? 128

ストーリー by hylom
早く宇宙移民技術を開発するんだ 部門より

capra 曰く、

本家/.「Have We Reached Maximum Sustainable Population Size?」より。

ピューリッツァー賞を受賞した作家Thomas Friedmanは、人類は21世紀の最初の10年を「食糧価格とエネルギー価格が高騰し、人口は急増、竜巻が街を壊滅させ、記録的な干ばつや洪水が発生、人々が避難のために移動させられ政府がその対処に錯綜した10年」として数年後に思い出すようになるだろうと記した。我々は「一体何を考えていたんだ?」と自問するだろうと。

Friedman曰く、我々は現在二つの輪に縛られているという。その一つは人口増加と温暖化によって食糧価格が押し上げられているという点。食糧価格の高騰は中東における政治的不安定を引き起こし、これが原油価格を高騰させ、そしてこれがまた食糧価格を押し上げ、さらなる政治的不安定さを生むというもの。

Global Footprint Networkによると、現在人類は地球の資源を持続可能なスピードを超える速さで消費しているとのこと。我々は文字通り未来を食い尽くしているというのだ。

オーストラリアの環境事業の専門家であるPaul Gilding氏は、現時点では世界は地球1.5個分を消費する勢いで成長していると指摘する。地球は1つしか無いためこのスピードはいささか問題であり、「我々は崩壊を許すか、もしくは持続可能な経済モデルを確立するしかない。我々は馬鹿ではない。歩みは遅いかもしれないが、後者を選択する」と決意を新たにしている。

なお、世界人口は2010年10月時点の国連推計で69億人。2011年には70億人を超えると推測されるそうだ。

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  • by Anonymous Coward on 2011年06月10日 19時28分 (#1968332)

    燃料を使い果たして滅ぶのが文明のセオリー。
    回避する方法はただ一つ。新しい燃料を開発し続けること。
    それ以外はただの停滞。

    この問題は、
    夢を見続けて行くとこまで行って死ぬか
    停滞を受け入れて夢のない未来を選ぶか
    別の表現方法ではこういうこと。

    • by Anonymous Coward on 2011年06月10日 22時13分 (#1968408)

      出典ジャレド・ダイアモンド著『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの [amazon.co.jp]』

      タイトルどおり、上記の書籍では、文明崩壊の要因やパターンが分析されており、実際にイースター島やマヤ文明、アナサジ族の文明、グリーンランドの入植地といった多くの文明が、資源の不足により崩壊にいたったことが示唆されています。
      また、現代でもルワンダの虐殺が、過剰人口と農地の不足という資源不足が要因となったとの見解を示しています。

      が、資源が使い潰される兆候を見せながらも崩壊しなかった稀有な例も挙げられています。
      ニューギニア高地やティコピア島、それと江戸時代の日本です。
      これらの地域は、持続的な農法の適用や環境負荷の高い家畜の規制、人口の抑制といった対策を行うことで、崩壊を避けつつ安定した社会を勝ち取っています。
      よって、後者を選択することは不可能とは断言できません。

      ・・・っと書籍を元に不可能ではないことを反論させていただきましたが、現代の人類がその選択肢を取れるかと言われると、私も無理だと思っています。
      そういった社会は、人口が小さく社会全体でコンセンサスが取りやすかったり、強権の元に規制を徹底したりできましたが、現代の世界はそうではないからです。
      来年の見通しさえたたない発展途上国の貧しい人々に、50年後の地球のために我慢してください、という同意を得ることは不可能ですし、それを強権的に押し付けることも現代の先進国にはできないでしょう。
      おそらく実際に破滅的な事態が到来するまで、それこそ第三次世界大戦レベルの問題が起きて今の社会が崩壊寸前の事態に陥るまで、人類全体で後者を選択することは不可能でしょう。

      # 宇宙太陽光発電か核融合が20年以内ぐらいに実用化されないと、真面目に「間に合わない」かもなぁ。

      親コメント
  • by tsuya (14020) on 2011年06月11日 0時48分 (#1968473) 日記

    洪水や竜巻はアメリカなど一部地域の話でしたし、犠牲者数も先日の地震に比べればかなり少ないです。地球温暖化の悪影響が仮にあったとしても、この程度なら人類のライフスタイルを変化させるには至らないでしょう。交通事故死者数より少ないですし。

    食糧やエネルギーの価格が高騰しているのは、長期の持続性にはむしろプラスのはずです。人口増加を抑制する効果があるはずですから。一部の発展途上国の経済成長が軌道に乗っていて貧困が減り続けている中でのインフレですので、浪費を抑制する効果もあります。これが省エネを促進し、エネルギー資源の寿命を延ばすでしょう。最低でもあと100年くらいは深く悩まずに済む時代が続くと思います。

    で100年後以降はどうかというと、その頃は惑星サイズの太陽光パネルを宇宙に打ち上げて石油を精製する微生物を大量に培養してできた石油を地球に送り返す、なんてことをやってるかもしれないし、予測しても当たる見込みはないので、正直考えてもしょうがないと思います。

  • by NOBAX (21937) on 2011年06月10日 21時01分 (#1968370)
    >Friedman曰く、我々は現在二つの輪に縛られているという。その一つは人口増加と温暖化によって食糧価格が押し上げられているという点。

    で、もう一つはなんなの?

    所得水準があがると出生率は低下するって、どっかの先生が言ってたでしょう。
    温暖化は食糧増産にとってプラスじゃないのかな。
  • 常に持続する (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2011年06月10日 19時24分 (#1968329)

    人口が持続可能な数を越えることはない。
    人が死亡することで人口が調節され、常に持続する。
    今この時でさえ、富や資源の不足で人が死に、現状で生きられる人だけが生き延びている。

    • 人類が滅んで他の種が生き延びることで調整されるんじゃないですかね。
      生存競争で強すぎるものは資源を枯渇させて滅びると。

      親コメント
    • Re:常に持続する (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2011年06月11日 2時10分 (#1968498)
      そんなのんびりした死者数の増減で調整できるうちは、持続可能な範囲内。
      今問題にしているのは、崩壊の引き金が引かれると、調節するためには人口の数割が即時削減されなければ
      ならないような(すなわち、富や資源の不足で殺せるスピードより圧倒的に早い削減が必要な)リスクを
      抱えた数になっているだろうという予測。
      親コメント
    • by jtss (23444) on 2011年06月10日 20時27分 (#1968354)
      そのとおり。常に持続可能な数にとどまる。古来大繁栄したどの生物も、ある一定の時期にどっと個体数を増やし、己が生み出した環境の変化で急激に減少し消滅する。(個体数の減少を隕石がアシストすることもあるらしいが)それからすると常に持続可能な数というのは、「その時点の環境下で」という条件付きだが...
      --
      JTSS
      親コメント
      • by d5 (42418) on 2011年06月11日 0時04分 (#1968460)

        >常に持続可能な数にとどまる。古来大繁栄したどの生物も、ある一定の時期にどっと個体数を増やし、己が生み出した環境の変化で急激に減少し消滅する。

        持続可能な数を越えたら、持続可能な数以下に減る。
        持続可能な数としては、0もありえる。
        よって、絶滅しようが、無制限に増えようが、それが実は
        前者はそれが持続可能な数であったということ、
        後者は持続可能な数には全然達していないということ、
        で、どうであっても持続可能な数ということになる。

        >「その時点の環境下で」という条件付きだが...

        少なくとも、持続可能という数を数えるモノがいるという
        条件しかないと、思う。

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      • by random digits (42411) on 2011年06月11日 0時56分 (#1968476)
        最終的には持続可能な数に留まるけど、その前に、その数を一時的に超える。
        このときがいちばん危ない。今がそう。
        地球上の適正人口は、農地(食料)と利用可能エネルギーから言って35億(WWII終了時)くらいだと思う。

        昔は、人口が増えると戦争や疫病が発生して自然に人口が減ったが、今はなかなかそうはならない。

        人間に知恵があるとは言っても、しょせん生き物、食料とエネルギーの取り合いですから。
        あまり大きな声では言えないけど、ほんとはC国とI国が核戦争でもやって双方自滅してくれるのがいちばんいいシナリオなん
        だけど、そうもいかない。
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    • by Anonymous Coward on 2011年06月10日 20時43分 (#1968358)

      > 今この時でさえ、富や資源の不足で人が死に、現状で生きられる人だけが生き延びている。

      しかし、誰も、そんな餓死寸前のぎりぎりの状況なんて好みません。
      好まないから、戦争してでも、他国を蹴落としてでも、食糧を確保せざるを得なくなります。
      「持続する」とは、資源不足や食糧不足から世界戦争に陥る危険がそれほど高くない
      という状況のことを指しているのでは。

      現在でもすでに、国民がみな餓死寸前(というかばたばた餓死してる)ような国がある
      というのは、おっしゃるとおりだけど、それはまだ局地的であったり、政治の失敗に
      よるものであるという面が強い。だから世界全体としてはおおむね「持続している」。
      先進国で余っている(食べられずに捨てられている)食料をまわせば、世界全体が
      それほど飢えずに済むという希望があります。
      でも、世界人口が、世界の食糧総生産を超えたところで、原理的に「持続」しなくなります。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      無法地帯ならそうなるんだろうけど、下手に国があって中途半端に機能するとその限りではないかもしれないよ。
      色々手を尽くして頑張った結果、早期に処理するよりもっと悪くなるなんてのはよくあること。
      頑張った挙げ句の破綻の方が頑張らないことよりも傷が広がるかもしれない。

      • by Anonymous Coward

        そんな「傷」の大小を測る物差しなんぞ存在しません。
        生物はみんな生き延びようとあがくもの。それだけです。

    • by Anonymous Coward

      私は楽観論者なので、先進国で生きている限りは大丈夫だと思ってます。
      その「調整」を、発展途上国やそれ以下の国々に押し付けているので。

    • by Anonymous Coward
      お前、貯金しないの?
  • 増えたらまずい! (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2011年06月10日 22時19分 (#1968411)
    と言っている人の周辺は既に人口増加が止まっていて、そうではない地域で、何だか楽しそうな世界があるみたいだ。
    とのほほんとしている人たちが人口爆発の燃料投下をしているんだ。
    #人間平等?冗談じゃぁない!
  • 滅亡はせず、衰退してまた盛り返すんじゃないのかなー、と。
    歴史なんて反復と往復の連続じゃないかなー。
    使い古されたSFネタではあるけどさ。ある程度は信憑性あるんちゃうかにゃー

    // イカ娘フィギュアとか空飛ぶパンツがオーパーツになるんですねわかります(:>^

    • それは意外に難しい。

      人間の個体数が減っても、枯渇させてしまった資源が帰ってくるわけではない。資源の入手にかかるコストは高いままなので、生産性は低下することになる。資源枯渇により文明がこけてしまうと、もう一度同じように文明を発展させるのはほぼ不可能に近い。

      たとえばリン鉱石は2050年頃に枯渇するといわれている。これが枯渇するとリン肥料の生産が困難になるので、現在のような肥料を大量につかった農業は維持できなくなる。人口が減ってもリン鉱石が復活するわけじゃないので、農地面積当たりの生産能力は18世紀の頃に逆戻りすることになる。海水などから濃縮してリンを取り出すことは可能かもしれないが、現在より遥かに高価な材料になる。

      過去の歴史でもう一度文明が栄えることができたのは、新天地があっり、自然回復可能な資源の枯渇が原因だったから。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2011年06月12日 1時47分 (#1968858)

        つまり、あと40年のうちに、下水処理施設からリンを分離する発明をすればいいんですよ。
        もしくは、リンに代わる物質を発見できれば問題ない。
        なぁに、まだ時間はある。
        油を作る藻も見つかったことだし、まだまだ人類は終わらないよ。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年06月11日 17時57分 (#1968713)
    どんどん子供を作って乳幼児のうちにどんどん死んで結局人口の増減がバランスとれていた発展途上国に、医療援助などをすると死亡率が下がって多数が大人に成長するようになる。あとはねずみ算で人口が増えて食料を食い尽くすと。 農業に関する援助で農作物が増えるけど、それは耕地面積がボトルネックですぐあたまうちになるけど。

    どのような食糧増産技術も 継続的に指数オーダーで生産額を増やすことは出来ない(ような気がする)。となれば人口増に負けるのは明白。 そーゆーわけで、産児制限しか手はないよね。 といっても直接的な産児制限政策は中国でみるようにうまくいかないよねー。

  • 間に合わないと思ってるのかな?
  • >その一つは人口増加と温暖化によって食糧価格が押し上げられているという点

    半年くらい前までは、「温暖化」ってストーリにはかならずクライメートゲートをリンクさせていたのに。
    例:

    タレコミで示唆されたのはイカの二つなのを採用時に買えられた

        地球温暖化対策は待ったなしか? [srad.jp]

        地球シミュレータの搬入始まる [srad.jp]Science誌、「過去10年間の10大研究成果」を発表

  • by Anonymous Coward on 2011年06月10日 19時24分 (#1968330)

    コロンブスから500年。
    そろそろ、新たなフロンティアが必要なのではないか。

  • 「一体何を考えていたんだ?」と自問すべきはアメリカ人だろ
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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy

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