1世代で収穫してしまえば終わりのもの (コメとかムギとか) と，多年草・果樹のようなものをごっちゃにしているのはどうでしょうか?

たしかに，コメのようなものでもモミから育苗せずに苗を購入したり，野菜類でも同様のことがあるのは事実ですが，それに甘えずに独自に採種から行っている農家も少なくないはずです。

# たとえば，コメでも，自分の田で早く育つものだけを選別していって，単なる早稲種ではないものを
# 「特産」化している農家だっていますね。
# モミの消毒をクスリに頼らず湯で行っていこうとしているところもありますね。

「接木」でいえば，野菜の苗にだってたくさんありますよね。
ナス，トウガラシ，トマトといったナス科，スイカ，キュウリといったウリ科でも「台木」を使うことは珍しいことではないでしょう (翌年に台木の残した「雑草」の片付けが大変だったりするけれど)。そしてそれは，単に「種苗会社の利益」で説明できるような話ではないと思います。

果樹の場合でも，「挿し木接木で増殖させる」のは，「一枝だけ突然変異」を生かすためというよりは，「桃栗三年柿八年柚子の大馬鹿十八年」「桃栗三年柿八年柚子は九年で花が咲く梅は酸い酸い十三年梨の大馬鹿十八年」とかいうのを避けるためが大きいと思います。

# 余談ですが，毎年種苗会社から苗を購入しなければ成立しない事態にでもなれば，すでにそれは「加工業」かもしませんね。