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オックスフォード大、透明アルミを作り出すことに成功」記事へのコメント

  • 簡単なまとめ (スコア:5, 参考になる)

    by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2009年07月30日 17時13分 (#1614626) 日記

    Nature Physicsの論文 [doi.org]を流し読みしてまとめ.

    ・光吸収の飽和と言うこと自体は昔からよく知られている.これは物体に当てる光をどんどん強くしていくと,可能な励起を使い果たしてしまうためそれ以上の光を与えても吸収は増えず,当てる光は強くなっていくために吸収"率" = 吸収した光(飽和してほぼ一定)/当ててる光 がどんどん小さくなっていくと言うこと.(この場合でも吸収量自体が減っているわけではない.吸収可能な量を遙かに上回る光が照射されているため,大部分が抜けてきているだけ)

    ・今回Alの内殻励起(L端)に相当するX線を自由電子レーザーを使って超強くしてパルスで当ててみた.すると高強度になるに従って内殻励起が飽和して,吸収"率"はどんどん小さくなった.

    ・パルス後,内殻に励起されたホールは外殻からの電子の落下で埋まる(オージェ過程)が,この際余剰のエネルギーを放出,原子は急加熱される.

    ・このため,非常に高強度のレーザーを照射すると,サンプルを非常に均一かつ高温に加熱することが出来る.今回の場合は1原子あたり25 eV(熱で言えばまあ25万度ぐらい)のエネルギーで加熱される.

    ・この過程は原子の重心運動に比べ非常に早いため,熱運動によってバラけるよりも早く加熱される.従って通常ではなかなか作れない高温・高密度状態(WDM: warm dense matter.通常の加熱ではそんな温度に上げるともう希薄なプラズマになってしまうが,それと比べると超高密度の超高圧縮プラズマ状態)を瞬間的に生成できる.

    ・そんなわけでWDMとかを調べるのに便利じゃね?

    という感じか.

    • by Anonymous Coward
      それとは違うが透明な「酸化」アルミは昔からあったんじゃなかったっけ?
      大昔の低集積度のICの絶縁膜として使われてたはずだが
      だから透明なアルミが出来たと聞いてもあまり驚かなかったよ
      • Re:簡単なまとめ (スコア:4, 参考になる)

        by hokunan (11798) on 2009年07月30日 23時47分 (#1614867) ホームページ 日記

        昔からあったというか、透明な酸化アルミといえば、ふつーにルビー [wikipedia.org]とかサファイヤ [wikipedia.org]でしょう。
        #あなたーを うぅしなって からー

        親コメント
        • by Anonymous Coward
          今回のは酸化物ではなく金属のままで透明になるのでは?
      • by Dobon (7495) on 2009年07月31日 13時54分 (#1615114) 日記
        透明な酸化アルミ?
        それはアルミナでしょ。
        セラミックの材料とか研磨剤として使われてるよ。

        ・大型結晶(コランダム)も希少価値がないので宝石にならない。
        ・混入した不純物で色の付いた大型結晶のみがサファイアとかルビーとか呼ばれる。
        --
        notice : I ignore an anonymous contribution.
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        > それとは違うが透明な「酸化」アルミは昔からあったんじゃなかったっけ?

        アルマイトじゃあるまいか?
    • by Anonymous Coward

      >そんなわけでWDMとかを調べるのに便利じゃね?

      Windows Driver Model?

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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