パスワードを忘れた? アカウント作成
14715 story

エストニアで世界初のインターネット国政選挙 27

ストーリー by mhatta
小国だが存在感があるね 部門より

pinbou 曰く、

本家/.の記事より。CNETの記事によれば、来月3月4日、ヨーロッパ・バルト三国の一つエストニアにおいて、世界初のインターネットを介した国会議員選挙が行われる。

旧ソ連からの独立後、エストニアは急速にIT化を進めており、最近ではSkypeの開発拠点が置かれていることでも知られている(Skypeの開発者であるJaan Tallinn氏もエストニア出身)。今回利用される電子投票システムは2005年の地方選挙においても利用されたもので、つい最近も「森の王」を決めるという架空の選挙で実験投票が行われた。高齢者でも使えるシステムとの評判である。

エストニアがITの導入に積極的な理由として、前述の記事においてTallinn氏は「引き継ぐべきレガシーシステムが存在しないので、新しい仕組みを採用しやすいからだ」と述べている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2007年02月23日 10時22分 (#1115408)
    > The voting will take place by people putting their state-issued ID card,
    > which has an electronic chip on it, into a reader attached to a computer
    > and then entering two passwords.

     これは自宅のパソコンにIDカードリーダーをつけて投票するということなんでしょうか? それとも投票会場に設置のコンピューターをインターネット回線でつなぐんでしょうか? ざっと読んだ限りでは判断がつかなかったのですが、英語力がないために理解出来てないだけかもしれませんが……
     もし自宅からだとすると、いくらIDカードで本人確認が出来るとしてもパスワードなどを気軽に家族に教えてしまって勝手に投票されたり、脅してある候補者への投票を目の前でさせたり、賄賂を渡した相手が確実にその候補者に投票したことを確認する、ということも簡単に可能になってしまう気がします。

     普通の投票なら、いくら「○○さんに投票しろ」と頼んでも、それを確認する方法はあまりありません(「白紙投票用紙をこっそり持ち出させ、投票場外でそれに候補者名を書いて次の投票者に渡す->その投票者は持ち込んだ用紙を投票し、自分が場内で渡された用紙を白紙のまま持ち出す->以降繰り返し」という手口で、確実に目的の候補者に投票させるという不正の方法があるそうですが)。

     まあ日本の選挙も、入場葉書を持たずに行った場合でも投票場での本人確認が生年月日だけというずさんな状態なのはちょっとどうかと思います。「政治なんか興味ない、投票なんていったことない~」とか言ってる知り合いがもし周りにいたら、その人の生年月日さえ判ればなりすまし投票が簡単に出来てしまいます。何らかの身分証を提示させるなどしたほうがいいと思うのですが…… おそらく「身分証はおろか保険証すらない人が葉書を紛失したらどうする」という心配をしてのことなのでしょうが、あまりにも穴だらけのシステムな気がしてなりません。
    • by cica (16417) on 2007年02月23日 10時37分 (#1115419)
      わたしの住んでいるところは郵便投票が行なわれていて、選挙前に投票用紙が郵送されてくるので2週間以内に記入して返送することになっています。本人が記入したことの確認として、有権者登録の署名と投票用紙の署名が一致するかはチェックされていますが、投票干渉は防げません。で、実際問題は起きていないのかというと、ニュースではなくわたしが個人的に見聞きした範囲でも結構起きていたりするのですが、あまりに便利だからか「郵便投票をやめよう」という声は出てきません。もしかすると、もともと選挙制度なんてのはつきつめて考えれば常に穴だらけで、人々が選挙結果を信頼できるかどうかは制度に穴があるかどうかとはあんまり関係ないのかもしれません。
      親コメント
      • 非常に興味深いので、答えられる範囲内で、何の選挙かとか教えていただきたいです。そもそも、日本の話ですか?
        • by cica (16417) on 2007年02月23日 21時18分 (#1115824)
          米国オレゴン州です。郵便投票のおかげで投票率は毎回他の州に20%くらいの差をつけてトップですが、実態はものすごいですよ。
          • 教会の社交グループなどに持ち寄って一緒に記入することで相互監視(さすがに教会そのものが記入を指図するという話はあんまり聞かない)。
          • 政治に熱心な人なら、政治に無関心の家族や友人に署名済みの投票用紙を貰ってきて、全部一人で記入できる。うまくやれば、一人で軽く30票くらい入れられる。
          • 選挙運動員が住宅街を歩き回り、投票用紙に記入をまだしていない人がいたら目の前で記入させる。有権者の質問に答えたりアドバイスしたりして影響を及ぼすことも。記入し終わったら、密封した投票用紙を投函してあげますよ、と受け取る。目の前で記入させているからどう投票したか分かるので、もし嫌な候補に投票していたら、投函せずにそのまま投票用紙を捨てちゃう可能性も。
          • 街の中に、どこかの誰かが勝手に設置した「非公式投票箱」がある。それに記入・密封済みの投票用紙を入れれば、設置した人が投函してくれるという仕組み。黒人貧困層の多い地区に設置すれば8割は民主党支持だから、それを全部焼却してしまえばかなり選挙に影響が出る。

          親コメント
        • by akudaikan (26016) on 2007年02月23日 13時38分 (#1115556)
          少なくとも日本の話ではない。
          日本で郵便不在者投票ができるのは、障害者か要介護5の人ぐらいだから。

          でも、正直な話、日本の期日前投票でも似たようなもの。
          投票券を忘れても窓口で書類に署名さえすれば期日前投票ができるからね。
          それに、不在者投票のときと違って、投票用紙を投函しちゃえばどれか分からなくなるので、投票日に後から二重投票などの不正が発覚しても抜き取れないし。(ただ、不在者投票の時でも、集計作業を円滑にするため投票時間中に開封作業を平行してやっていたので、抜き取りはほぼ不可能だった。)

          まあ、他にも、買収したり、施設の高齢者をきな臭い人が引き連れて行ったり、知事選挙の時だけ住民移動させたり(学会の手口といわれている)、と簡単な方法がいろいろあるので、実際のところやりたい放題だと思うよ。
          親コメント
  • by Vorspiel (2391) on 2007年02月23日 12時19分 (#1115502) ホームページ
    投票所で電子機器を使って投票,ではなくInternetを経由して投票ですか.従来の選挙で実現されてるレベルのセキュリティが実現できるのかどうか非常に疑問なんですが.
    例えばWikipediaに書かれてる [wikipedia.org]内容だと(でもこれソースが書いてないな…),
    • どの投票者が誰に投票したのかは誰にも分からない。
    • 投票結果が正しく集計された事が、集計後いつでも誰でも確認できる。
    • 自分がどの候補に投票したのかを投票後他人に証明する事はできない。
    • 投票者が棄権したのかそれとも投票したのかは投票者当人以外には誰にも分からない。
    なんてのが挙げられてて,これで十分かはともかく,それぞれの必要性と,それらが従来の選挙で実現できていることは納得できると思います.逆に,これらをInternet経由の投票で実現するのは簡単ではない.
    さらに,投票方式自体の課題に加えて,システムの安全性とか(スパイウェアの類とかね),システムの運用とか,検討しなければならないところは山ほどあるはずなんですが,その辺は試行の時に考えられてたんですかね.情報を探してないのでこれ以上は何とも言えませんが…
    • 紙の投票用紙には自分で文字を書けるけど、
      電子投票の場合は記録メディアを、あるいは伝送される情報を、
      自分で直接操作できるわけじゃないんだよねぇ、そこが気持ち悪い。

      実質的にソフトウェアシステムに代筆を頼むようなもので、
      しかも本当に自分の頼んだとおりに書いたかどうかも検証のしようがない。
      ソフトウェアそのものも今利用されているシステムは非公開のが多いし、
      たとえ公開されていたとしても、実際に利用されるシステムのバイナリが改竄されないとも限らない。

      別のコメントでもあるけれど、最終的には有権者の民度の問題であって、
      システムやその運営者をどの程度信頼し、リスクをどのように理解しているかにかかるのだろうけど。
      国によっては投票箱ですらガラス張りにして、ブラックボックスではないことを証明してるとこすらあるくらい。
      • 選挙の時くらいしか国民が政治家より上の立場になれないんだから,選挙くらい納得できるものにして欲しいですよね.
        親コメント
        • by akudaikan (26016) on 2007年02月23日 14時58分 (#1115592)
          選挙の時くらいしか国民が政治家より上の立場になれない
          こういう、ホワイトカラー的な発想が悲しいなぁ。
          自営業や農業の人みたいに、選挙がない時でも時間を使って政治家と交流するようにしないと、ホワイトカラーの意見が政治に反映される可能性はいつまで経っても低いままだと思うよ。
          民主主義はお金もかかるけど、時間もかかるんだよ。
          親コメント
        • 私は、ネット投票で、有権者の発言力が拡大する可能性がある、と考えているので、ネット投票は賛成ですね。ラジオボタン投票からチェックボタン投票へ移行するチャンスがあるからです。

          例えば、現行制度では、5人候補者がいて、一人当選する場合、残りの4人に投票した有権者の意思は無効になります。「死に票」というやつです。これのせいで、カルト教祖が信者を引き連れて過疎地に乗り込めば、不支持率が7割でも3割の支持で当選できてしまいます。さらに、ゲーム理論的に当選確率を上げる方法があります。すなわち、このカルト教祖にとって、最も確実な作戦は
          • これ、もしおっしゃるとおりのメリットばかりでデメリットがないとしたら、導入は簡単ですよ。投票用紙をマークシートにすればいい。集計もあっという間。インターネットなんて危険なものを使う必要もなく、今までの投票所方式のままで、それなりに機能していた選挙のセキュリティも守られる。
            逆に言うと、そんな簡単なことなのに今まで実現していない、というのは、実現への課題が「投票にインターネットを利用するか否か」とは別の次元に存在する―具体的に言うと、チェックボックス方式を推進しようという勢力が認知されておらず、またそのメリット・デメリットが十分議論されていない―ということでは?
            つまり、あなたがチェックボックス方式を推進したいのなら、するべき行動はその方式のメリットが(デメリットに比して)大きいことをしかるべき筋に訴えることでしょう。そうでなけりゃ、たとえ諸々の課題をクリアしてネット投票が実現したって、チェックボックス方式にはなりゃしませんよ。
            親コメント
            • いや、それは例えの出し方が間違っています。ラジオボタン方式でも、マークシートにすれば、開票は随分早くなる"はず"なのに、マークシートは全く導入されていません。つまり、今あるものを変えるのはそれだけ難しい、ということです。
          • ネット投票というか、電子投票が一向に普及しないのは自署式にメリットを感じる者の方が多数派だからです。
            なぜ投票所と開票所に立会人がいて、集計された得票数の確認をするのかご存じでしようか。
            それは「投票マシーン」がきちんと機能しているかどうか確認するためなんですよ。
            これは地方選では死活的重要性を帯びてきます。
            誰が誰に投票したのか、痕跡から投票数を確認できるのは自署式だけのメリットです。
            しかも、このメリットの重要性を保守側だけでなく革新側も認識し活用している現実があります。
            なので、まず地方選挙から電子投票を普及させて、全国レベルでのネットワー
  • by Anonymous Coward on 2007年02月23日 8時41分 (#1115353)
    適度に金持ちな小国だからこそ可能だったんだろうな。
    • by gendohki (16311) on 2007年02月23日 10時29分 (#1115415)
      広さは関東甲信越、人口は愛媛県 [wikipedia.org]くらいですね。
      エストニアでokだから地方自治体でやってみましょうってレベルですね。日本の場合。
      --
      「なんとかインチキできんのか?」
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年02月23日 13時12分 (#1115539)
        国家規模だけではなくて、インフラ整備が重要なんだと思います。

        この夏エストニアを訪れたときに街角のあちこちにWifiの看板があったり、 touristクラスの割とやすい宿でも無線LAN完備だったりして(旅行前に そういう情報は仕入れていたものの)驚かされました。

        > エストニアがITの導入に積極的な理由として、前述の記事においてTallinn氏は「引き継ぐべきレガシーシステムが存在しないので、新しい仕組みを採用しやすいからだ」と述べている。

        まさにそんな感じですね。私の印象だとインターネットの(使いやすさも含めた)普及度合は アメリカ<<日本<エストニア で、レガシーシステムの大小に比例 しているような気がします。

        ちなみに、観光地とあらば世界中どこにでも出現する日本人には、エストニアでは ほとんどお目にかかれませんでした。おかげで(?)宿のレセプショニストのお姉さんから たいそう珍しがしられました。英語も結構通じるので(日本人に取って)観光地化されていない 観光地に旅に行きたい人にはおすすめです。

        親コメント
    • こういうのって、国の財力よりも投票する側と投票される側の「民度」が必要なんでしょうね。

      メリットだけ見れば ・結局は投票所に人を置いておくより経費少なそう
      ・投票する側の記入ミスとかなくなる
      ・集計する側の集計ミスも減らせそうですし
      ・ミスがあってもログから追いかけられそう

      デメリットの見積もりは難しそうですが・・・。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年02月23日 13時24分 (#1115550)
        「民度」って良く聞くけど、何?
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年02月24日 2時01分 (#1115961)
        >・ミスがあってもログから追いかけられそう
        既出ですが、それでは自由で公正な選挙に絶対不可欠な「投票の秘密」も守られなくなります。
        エストニアは長期にわたり他国に併合され続けた歴史をもち、しかも支配国が一党独裁政権で自由な選挙が行なわれませんでした。
        庶民感情としては在来形式の投票所による投票に対する不信感があるのではないかと思えます。
        私個人はインターネット投票に技術的な面から不信感を感じますが、エストニアのひとたちはシステムがオープンに運用されていることが保障されているのならば、まだそちらの方が信用できると考えているのではないでしょうか。

        日本では逆に投票者の筆跡が検証できる自署式でないと選挙の公正が保てないという現実を目にすると微妙ですが。
        親コメント
      • 民度より、金&ほどほどの小規模さ。
        要は失敗しても泣かない環境。
  • そのうちできるようになるのかな?
    でも日本では"森の王選挙"やったりしないだろうからなぁ。
    いろいろ問題が出てきて数年で廃止になったりして。

    でもお隣韓国は2012年に導入する [nikkeibp.co.jp]ようですね。
    日本の導入はまだまだなのでしょうか?
typodupeerror

クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

読み込み中...