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2200203 story
お金

スウェーデンで経済のキャッシュレス化がすすむ 35

ストーリー by hylom
日本でも進んでほしい 部門より
taraiok 曰く、

1661年にヨーロッパで最初に紙幣を導入したスウェーデンは、強盗などの犯罪対策の問題から、急速にキャッシュレス経済に向かって動きつつある。現在、市場での現金による請求はユーロ経済圏の平均9%、米国の平均7%と比較すると、スウェーデンの経済では平均わずか3%にまで減少しているという。CBS NEWSの記事による、すでにスウェーデンの都市部では、公共バスの支払いは前払いチケットもしくは携帯電話の電子決済などに限られているそうだ(本家/.)。

スウェーデンの銀行協会によると、この効果は銀行強盗の少なさに表れているという。2008年には110件の銀行強盗が発生したが、2011年には16件までに急落、これは30年前に統計を取り始めてから過去最小の水準である。

オーストリアのヨハネスケプラー大学の経済学教授Friedrich Schneider氏は、こうした電子商取引の普及と追跡技術の進歩はスウェーデンよりも強い現金文化をもつ国、例えばイタリアまたはギリシャなどが抱える汚職問題などの解決にもつながるとしている。

しかしその一方で、サイバー犯罪のリスクは増加しているそうだ。スウェーデンの国民評議会によると、スキミングなどをふくむコンピューター詐欺事件の数は、2000年には3,304件だったが2011年には約20,000件に急増したという。

今後、スウェーデンを含むキャッシュレス経済に向かうであろう国々は、どのようにして政府の(通貨発行による)経済コントロール権と市民の権利、経済効率、プライバシー問題のバランスを取るかという課題に直面することになるだろう。

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  • by hirano (13505) on 2012年03月22日 23時24分 (#2121771) ホームページ

    治安の悪い国では紙幣を電子化せざるを得ない、という話にきこえます。
    スウェーデン人口の約900万人は日本の10分の1以下。
    2008年スウェーデンで年間110件も銀行強盗があったのは人口比でみたら実に多いですね。
    日本の統計を平成8年版犯罪白書 [moj.go.jp]白書で見ると、
    「III-2表 金融機関強盗事件」で平成5,6,7年(1993 - 1995)で年間30件から40件ですよ。
    スウェーデン人口に換算したら年間4件くらいかと。

    なお 昭和55年版 犯罪白書 [moj.go.jp]の数字でも、文中「人口10万人当たりの強盗の発生件数(発生率).(中略)
    アメリカの191.3,(中略) フランスの55.1,(中略)日本はわずか1.7であり」という数字。
    もちろん日本も貨幣の電子化に向かうのは良いことですけど犯罪防止以外の方面で進化して欲しいです。

    • by Anonymous Coward on 2012年03月23日 1時34分 (#2121825)

      アメリカではクレジットですけど、もう一つ「小切手」という前時代的な金融決済がありまして。。

        [不思議の国アメリカ] “オンライン決済不在”の驚くべき実態
      http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070517/271384/ [nikkeibp.co.jp]

      支払い余力確認ができないということは、恐ろしい事態を引き起こす。振出人に支払い余力がなくても、チェックに金額を書き、支払い相手に郵送できるのだ。「書く」ことは小切手帳さえあればできる。支払えないと分かっていながら、それでもチェックを振り出す。このメンタリティと行為は、わたしの理解の範囲を超えているが、この国では非常によく行われている。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2012年03月23日 0時37分 (#2121806)

      アメリカの場合、紙幣使うと嫌われるレベルでしょ。Money is the poor man's credit cardてな感じで。
      100ドル札なんて受け取り拒否されてもしょうがない。
      どんな買い物もクレジットカード。
      クレヒスが悪くてカードが作れない人間は、明らかに下層の人間として扱われる。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        下層の店に行ってるせいか知りませんが、そのアメリカでさえ
        フードコートとか大衆レストランとかだと
        クレジット使えない店とか嫌われる店とかもありますけどね。

      • by Anonymous Coward

        > Money is the poor man's credit cardてな感じで。

        と思わせるのが金融機関の作戦なんじゃねえ。
        クレジットでバブルを引き起こしてくれそうで、なんか嫌だ。

  • 今、流行している行動経済学の本「予想どおりに不合理」(ダン・アリエリー著)によると、「現金を使わない取引では、自分を不正直な人間だと思うことなく、不正直になれて」しまい、「自分では想像できないほどの不正をしてしまうのだと自覚する必要がある」と指摘しています。

    現金を使う時代の終わりの到来と共に、現金ではなく概念としての貨幣で取引するようになると不正に傾きがちな心をどうやってコントロールするのか、個人として国家として、早急に認識しなければならないと警鐘を鳴らしています。

    コンピューター詐欺事件の数が、2000年には3,304件だったが2011年には約20,000件に急増したという背景には、このような人間心理の特徴も影響していると思います。

    • 会社の稟議書なんか身銭切らないからね、そりゃもう、身銭だったらそんな
      金額、絶対そんなことに使わないし、もとからそんな金もないしさ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      万引きとキセルの後ろめたさの違いとか、カジュアルコピーとかね
      俺は経済史には蒙いけど、お金が発明された当時にも不正はあったろうが、人類がそれを克服したのなら希望はあるね

      • 「予想どおりに不合理」によると、2004年、アメリカの強盗事件の被害額は合計で5億2500万ドル、1回の強盗事件での被害額は平均して1300ドルだそうです。
        しかし、従業員による職場での盗みや詐欺は、年間およそ6000億ドルにおよぶと推定されているそうです。
        また、保険業界の報告によると、毎年、個人契約の被保険者たちは財産損失を申請するときに架空の240億ドルを上乗せするそうです。
        米国国税局によると、連邦政府の考える支払われるべき税金の額と、人々が実際に支払っている額には差があり、推定で毎年3500億ドルの損失になっているそうです。

        他にもいろいろ例が挙げられていますが、職場の備品がいつの間にか必要以上に減っていったり、ノートPCの盗難や「紛失」が発生している今日、日本も似たような状況ではないでしょうか?

        人類が不正を克服したとは言い難いと思います。

        親コメント
        • >他にもいろいろ例が挙げられていますが、職場の備品がいつの間にか必要以上に減っていったり、ノートPCの盗難や「紛失」が発生している今日、日本も似たような状況ではないでしょうか?

          備品の盗難は今に限った情況でもない気がしますけど。
          統計情報があるならそれはきっとそうなんだろうなぁ。

          数10人で試作ラインを運用していたときは備品(PC)の盗難紛失はほとんど無かったけど。
          その後工場を立ち上げて100人単位で人が増えていくと備品(特に消耗品)の減りが予想を遥に超えていきました。
          ある日工場の駐車場に停めてある車の中を除くと、工場の備品がいくつか転がってるのが見つかったり。
          通勤着を入れておくロッカーの中に隠してあったフロッピーディスクが箱ごと発見されたり。

          そこでの経験で言うと人が増えて個人の責任だかモラルだかがどんどん薄くなっていき不正と呼べる行為が増えていくように感じました。

          コンピューター絡みの犯罪が増えた理由の一つには、コンピューターとネットの普及によるそれらの数自体の増加もあるんじゃないすかね。
          でもそんな理由で説明できる以上に犯罪数が増加してるんだと思いますけど。

          #リアルマネーが減っていくと、非公営ギャンブルや風俗のたぐいや援交なんかもキャッシュレス化される?

          親コメント
          • 詳細は、「予想どおりに不合理」を読んで頂きたいのですが、その中で指摘しているのが、現金が絡まない犯罪は「やりやすい」という点です。
            現金を奪おうとしたら、刃物なり銃なりもって、相手を傷つけるのを覚悟で襲う必要があり、それは誰しもためらう。
            しかし、コンピュータ犯罪の場合は、誰かと対峙するわけでもなく、誰かが傷つくわけでもなく、誰かの財布から現金を奪うわけでもなく、スクリーン上でデータとしてのお金を「動かす」だけだから、心理的な障壁が低いと。

            おっしゃるとおり確かにそれだけではないでしょうけど、そういう面はあるとは思いました。

            親コメント
        • by Anonymous Coward

          あのですね

          > > 「現金を使わない取引では、自分を不正直な人間だと思うことなく、不正直になれて」しまい

          これが、「お金の発明によって、人は(お金を使う限りにおいては)より正直になった」ということであれば、他の不正についても克服できる希望はありますね、という話なんですが

          もちろん、「お金の発明によって、人は(お金を使わない場合に)より不正直になった」という可能性もあります

        • by Anonymous Coward

          ですよね~
          何かを得れば何かを失うもの

          不正克服前の社会基盤は
          不正で支えられていたわけですから
          不正克服後の世界では
          過去の社会基盤は成り立たない

          バブルがはじけた程度のロスでも
          リーマンショック程度のロスでも
          対価が低すぎるんじゃないでしょうか

          もしも既に人類が不正を克服しているとしたら
          エントロピーの増大が発生していると思われます

          # 待て、慌てるな、これはキュウベエの罠だ

  • by Anonymous Coward on 2012年03月22日 22時18分 (#2121743)

    日本も電子マネーの普及で、硬貨については大分減ってきているようです。
    特に去年は、五円硬貨、五十円硬貨は2年連続、一円硬貨は43年ぶりに市中流通用には発行されませんでした(貨幣セット向けには発行している) [nikkansports.com]

    • by Anonymous Coward

      で、パーセントで示すといくらなんだろうか?

    • by Anonymous Coward

      硬貨が減って、札がどうなるかと思ったらソーゲー・アイテムがほぼ電子マネーな

    • by Anonymous Coward

      その記事を取り上げた関連リンク先では「電子マネー関係ないんじゃね?」っていう意見も出ています。

      #総合的な結果だとは思う。

  • 前払いチケットに類するプリペイド型の電子マネーって、発行されてそれが消費されるまで、現金が発行者内部で
    プールされている訳では無いんだよね?
    私企業の電子マネーが流通しすぎると、現金と同等の価値を持つ仮想通貨が経済で力を持つようになって、
    中央銀行がインフレとかを制御できなくなったりしないのかしら、とか思う。

    • 今のところ電子マネーは1回使い切りの金券でしかないから、1万円チャージしたら私の財布から1万円減って1万円分の電子マネーが登場し、企業の会計に1万円の現金と1万円の借金ができるだけ。どこにもお金増えてないからインフレの心配はないと思うけど。
      1万円札と同じように流通できる電子マネーが登場するなら、日銀に引き当て金を供託しなきゃならんような法律ができるだろうな。供託率を調整してマネーサプライの総量を規制できるようにするわけ。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2012年03月23日 0時35分 (#2121805)

    >今後、スウェーデンを含むキャッシュレス経済に向かうであろう国々は、どのようにして政府の(通貨発行による)経済コントロール権と市民の権利、経済効率、プライバシー問題のバランスを取るかという課題に直面することになるだろう。

    もう随分昔から既に政府は紙幣を刷って市中にばら撒くという方法で、現金流通量をコントロールしていません。
    紙幣ではなく、口座上の数字のやり取り、つまり電子的な通貨で、お金の流れをコントロールしています。

    また企業間の決済や給与振込みなどを見ればわかるように、もう経済の大部分の決済は既にキャッシュレスです。

    • by Anonymous Coward

      > また企業間の決済や給与振込みなどを見ればわかるように、
      > もう経済の大部分の決済は既にキャッシュレスです。

      現金の裏付けがある分については別にいいんじゃないですか。
      問題なのは勝手にクレジットを膨らませちゃう人達で、
      キャッシュレスが進むとそういうことをやりやすくなるんじゃないかな。

  • by Anonymous Coward on 2012年03月23日 4時15分 (#2121843)

    通貨のバブルであるデフレを抑制するために行われるインフレターゲット政策では常にインフレが起こり、最低通貨単位の価値が下がる。
    だから、安い費用で決済を行えると便利だ。通貨の不連続性を起こすデノミを行わずにすむ利点もある。
    インフレターゲット政策によって、一般に資金の借り手である起業家の負担が減って経済の活性化が期待できそう。
    また、過去に払った賃金の陳腐化を起こして、今現在、社会を支えている人を尊重する経済になって社会の活性化に役立ちそう。

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皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

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