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交通

笹子トンネル崩落の原因は接着剤不足? 110

ストーリー by hylom
負の遺産 部門より

あるAnonymous Cowardのタレコミより。昨年12月に崩落事故が発生した中央自動車道・笹子トンネルのボルトで、接着剤不足が確認された模様(朝日新聞読売新聞)。

本来はボルトの先端部分までが接着剤で満たされるはずが、ボルトの付け根部分にしか接着剤が残っていなかったとのこと。設計上はボルトは約4トンまでの荷重に耐えられるはずが、実際には6割のボルトが接着剤不足のためこの荷重に耐えられない状態だったそうだ。さらに、約1割のボルトは実際にボルトにかかる平均荷重である1.2トンにも耐えられない状態だったという。

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  • by NOBAX (21937) on 2013年02月04日 18時07分 (#2318731)
    いろいろな報道を見ると、中日本高速の動機的原因を追究する必要があるように思います。
    ・工事検査で耐荷重試験はしたのか
    -テストピースで引き抜き試験をするとかやったんだろうか。完成検査をどの程度やったのかは不明
    打音検査をしていなかった [nikkei.com]
    ・天井版は自動車の排ガスがクリーンになったので撤去する計画であったが幹線道路を長期間通行止めにする事に躊躇して取りやめた
    -報道による。出典は省略
    ・旧道路公団は民営化する2005年までに中日本管内の笹子と同型のトンネル19本の天井板を撤去 [jcp.or.jp]していた
    ・メンテナンス費用は売上高の0.1%未満 [gendai.net]

    要するに、中日本高速はやる気がなかった。
    津波が来ることにするとややこしくなるので、来ないと信じることにした東電と同じ体質でしょう。
    • 福島の原発は、千年に一度の大地震が稼働期間中に来たという要素もある。つまり、運が良ければ問題は起きなかったかもしれない。
      でも、こっちのほうは問題が起きなかったほうが幸運だったというべき事案だよね。
      なので、私としては原発事故より、JR西の福知山線脱線事故のほうが近い気がする。
      事故が起きるかもしれないと、うすうすでも感じていたのに対策をとらなかった、より悪質な犯罪だと思うな。

      親コメント
      • 80年稼働するなら、1000年に一度でも8%ですよね。半分の40年でも4%。

        どう考えても高いと思うのだけれど、当時の人は誰もつっこまなかったの?(原発黎明期を知ってる人plz)

        (さらに1000年に一度の地震は100年後や200年後には、まあ起きなくて800年後~1200年後当たりに集中するから確率は倍近く高いはず)
        --
        ---------------------------- うちの猫は、ながぬこ
        親コメント
    • ・工事検査について
      ケミカルアンカーの構造的問題ではないので、テストピースでの検査で発見できたとはいえない。
      完成後検査も、破壊検査をするわけにもいかない。
      実際竣工から事故まではもっていたわけだから、引渡し検査で発見できるとは限らない。

      ・撤去計画の未実施について
      長期間(報道によると一年程度)も通行止めにすることが、事故が予見されていたわけでもない
      状況下で許容されたかどうか。

      打音検査しなかったことはともかく、「完成検査をどの程度やったのかは不明」なのに批判材料に
      したり、接着剤が万全であれば無駄なコストであった可能性のある撤去工事の不実施をもって、

      > 要するに、中日本高速はやる気がなかった。

      と結論付けるのはどうかなぁと思うのです。
      公団じゃなくなってるんだし、利益をそれなりに追求することは責められないでしょう。
      動機的原因を考えるのは必要なことだとは思いますが、糾弾し責任を取らせることが目的となると、
      責任回避のための隠蔽などが行われて、今後の対策という意味では逆効果だと思うのです。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 18時41分 (#2318765)

    どうせ21世紀まで使うわけ無いよ、と西暦を下二桁で保存した業界で。

    • by Anonymous Coward on 2013年02月05日 14時14分 (#2319432)

      輝ける後知恵。

      # 当時の事情を知っていれば、絶対に言えないせりふだね。
      # 1000万口座×5バイト位かな?
      # 加えて、取引記録が最低30倍程度の件数で、×1バイト。
      # 第二次オンライン(1975年ごろ)システムでも、14インチのDASD1ユニットで300MBとかの容量だから、かなり切実な話。
      # http://www-03.ibm.com/ibm/history/exhibits/storage/storage_3350.html [ibm.com]
      # それより前なら・・・

      # 豆知識:某保険会社では、1990年ごろ、そのリスクを考えて皇紀下二桁でデータを管理する方式にしている。
      # にしても、50年か。これは、まぁ、その・・・

      親コメント
  • 空気の混入 (スコア:4, 興味深い)

    by gesaku (7381) on 2013年02月04日 17時26分 (#2318697)

    天井に開けた穴を接着剤で満たすっていう工法自体に無理があるような。
    ちょっとでも空気が入れば重力でどうしても穴の底のほうに空間ができてしまうと思いますが
    そのへんのことは考えていたのでしょうか。

    #砂利と接着剤の入ったカプセルって市販品?gesaku

    • Re:空気の混入 (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2013年02月04日 22時48分 (#2318939)

      ボルト孔の奥までチューブを突っ込み、接着剤を圧入。
      接着剤を充填しながらホースを絶妙のタイミングで引き抜くとキレイに充填できます。
      良い例えが思い浮かばないが、タンポンの挿入とかエロ動画の中田氏みたいな感じ。
      # マジ下衆な例えで申し訳ない。

      坑道を補強するロックボルトでも、上向きに打つ場合に保持力を高めるために接着剤を併用することがある。
      適切な接着剤を選択し、十分な量を充填し、適正な施工をしないと設計通りの強度は得られない。
      これはケミカルアンカーに限らず土木建築に広く当てはまる話。

      親コメント
    • 昭和60年ころこんな事故がありましたが、接着剤不足という同じ原因だった記憶があります。今回と同様工法がどうでも完成検査をしないとダメという例ではないかと思う。

      freett.com [freett.com]
              東北新幹線で架線柱落下3時40分ごろ、東北新幹線・北上野~一ノ関間上り線で、鉄筋コンクリート製の架線ポール(基礎部分をふくめ2t〉が線路端の取付け基盤の根元から外側の空地に落下しているのを作業員が発見した。始発から下り線を使って単線運転し、15時復旧。設計・施工ミスが原因

      --
      maruken
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    • by homoludens (40431) on 2013年02月04日 17時37分 (#2318708)

      市販品というかケミカルアンカーですね。

      スジの悪い設計であることは同意します。

      親コメント
      • Re:空気の混入 (スコア:4, 参考になる)

        by tsukachan (26170) on 2013年02月04日 18時35分 (#2318759)

        メカニカルなアンカーと比べて引き抜き耐力が大きく、土木・建築の現場では一般的に信頼性が高いです。筋が悪い設計とはとは思いません。トンネルの天井部はコンクリの打設も困難なので、事前にアンカーをセットする事は難しいです。それこそコンクリ充填の妨げになる可能性があります。後施工アンカーしか選択肢がない状態です。フェールセーフの発想が欲しい所です。構造を連続させないとか。(連続させなかったら、させなかったで課題がありますが。)

        本論とは関係ないですが「ケミカルアンカー」は商標です。(一般名称化してますが)お役所的には樹脂カプセルアンカーですね。

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        • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 18時47分 (#2318771)

          でも建築基準法に従うと、後施工アンカーは構造材に使用できない事になっていますよ。
          実際は忘れて後でつけたと言うことも良くある様ですが本当はこれは駄目です。

          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 19時06分 (#2318790)

            土木なので建築基準法の範囲外なのと、
            構造材はコンクリート本体で、天井は重いけど非構造材の吊り天井扱いということになっている
            ので微妙なところです。

            親コメント
            • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 19時54分 (#2318829)

              いや今回使われたのが違法だという話じゃ無くて、

              メカニカルなアンカーと比べて引き抜き耐力が大きく、土木・建築の現場では一般的に信頼性が高いです。筋が悪い設計とはとは思いません。

              と言う所に突っ込んだつもり。建築基準法では構造材に使用できないんで一般に信頼性高いってのは違うでしょと。

              あと後施工アンカーをつり下げに使う場合、力の加わる方向に対してまっすぐ施工するのは、今となってはまずやりませんよねえ…。
              斜めに施工するのが一般的です。

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        • by homoludens (40431) on 2013年02月04日 20時44分 (#2318867)

          ケミカルアンカーの信頼性については同意します。
          だからといって施工、点検ともに困難な位置に、しかも荷重のかかる方向に向けてってのは、やはりスジが悪いんじゃないかと思います。

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        あんまりみんなケミカルアンカーって知らないのかな?

        とゆーか、あの年代からケミカルアンカーが実用化されてたってのが、新鮮な驚きでした。

        ガラスのアンプルみたいなのをいれるタイプなら「下穴をいくらあけて…アンプルを何個入れて…」で品質管理できそうだけど、カートリッジみたいなので混合しながら押し出すようなのだと確かに一杯詰めたつもりでも上部に空隙ができたりするかもね。

    • by Anonymous Coward

      天井でなくても、中空のところに液体入れてから棒状のものをぶっさしても、液体がはみ出て大半が流れだしてしまいますよね。
      #何を何に?

      私が設計するなら、ボルトの真ん中に導管を作って、ボルトをねじ止めする途中の甘止めのとき(脇から空気が出て行ける)
      導管を通して接着剤を注入させるとか。
      #何を連想して?

      • Re:空気の混入 (スコア:2, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2013年02月04日 18時09分 (#2318734)

        >ボルトをねじ止めする途中の甘止めのとき(脇から空気が出て行ける)
        >導管を通して接着剤を注入させるとか。

        ケミカルアンカーがどういうものか分かってないのに設計出来るんか。と。

        コンクリの穴に、接着剤だけでボルトを固定するんですよ?

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        工法くらい読めないのか

      • by Anonymous Coward

        ボルトの真ん中に穴って根本的にボルトとしての基本機能を余計に阻害しそうなんだが・・

  • 工法の違いや工夫とかあるかもしれないが、上向きの穴で実験したら、接着剤の大半?はボルトをねじこむにつれて出てきちゃった。という実験をテレビで見た。

  • 基本ができてない (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2013年02月04日 21時32分 (#2318889)

    接着剤不足ってケミカルアンカーつかうときの注意点でかならず例示される悪い例。
    いくらなんでもこれはひどすぎる。

  • by USH (8040) on 2013年02月05日 1時33分 (#2319005) 日記

    今回の件の一番の問題は、日本の土木技術の信頼性をかなり失墜させた点。

    地震国にも関わらず、高層建築や長大橋、長大トンネルを多数建築・維持している、という自負は、国民全体としてあったと思うのだが、それを裏切るような事故。設計・施工・検査のどの部分がまずかったのかはわからないけれど、笹子トンネルだけの特異事例とは思われないところが怖い。日本の他の土木建築をどこまで信頼できるのか、それを誰がどうやって担保するのか。

    状況としては、ボーイング787に似ている。2例つづけて深刻な事象が発生したので、ある機体の特異事例とは言えなくなった。今後いろいろ方策が打たれて「安全が確認できた」と保証されても、安心して乗れるようになるには、かなりかかると思われる。

    中日本高速やボーイングが悪いとか、設計・施工で手抜きしたのは誰か、という犯人探しよりも、信頼失墜のリカバーをどうするのか、というところが気になる。

  • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 17時28分 (#2318701)

    あんな重量の有るものを接着剤で固定したアンカーボルトで吊るなんて。
    経年劣化を考えたら、そもそもの設計に問題有り。

    • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 18時12分 (#2318738)

      接着系アンカーは普通に使われると思うけど。それこそ橋とかにも。
      逆に施工不良が無ければ問題起きなかったんじゃないのかな。
      高粘度のケミカルアンカー使って、硬化までしっかり養生してやれば…

      ##なんか全体的に接着剤バカにしすぎ。

      親コメント
      • by s02222 (20350) on 2013年02月04日 18時50分 (#2318774)
        基本的に多くの人は接着剤の使い方が下手すぎで、正しく使われない場面の方が多いですもんね・・・。

        自分もそうで、たまに偶然、正しい使い方に合致したときなんかにものすごい接着力が発揮されて、なんじゃこりゃ、となります。
        親コメント
        • 水道の蛇口をレバータイプのものに変えたとき、すぐに緩むので緩み止め剤を使ったのですが、交換時にネジを外そうとしたら今度は外れなくなって、思いっきり力を入れたらそのままねじ切ってしまったのを思い出しました。

          いきなりコマの部分まで全交換になってしまって大変なことに。

          #つけ過ぎ

          親コメント
    • by hahahash (41409) on 2013年02月04日 18時34分 (#2318758) 日記

      『接着剤』がダメだって言うなら、
      接着剤(セメント)で砂利を固めただけの素材(コンクリート)にまず文句言えよ。

      不足した接着剤でも30年以上固定できてたってんだから、
      接着剤そのものの強度にはあまり問題はなかったんじゃないかな。
      接着剤を使ったことが悪いのではなく、
      新しい工法のノウハウが確立してなかった、とかそういう理由かと思う。

      親コメント
    • それはあなたの勝手なイメージ。

      「あんな重量」って何基準?

      自分で持てるかどうか。とか?

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      接着剤と設計とどう結びつくのかよくわからない
      そもそもとして君はアロンアルファ的なものを想像してるんじゃないかい

  • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 17時49分 (#2318716)

    望遠鏡で目視点検しかできないって設計自体おかしいだろ

    • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 18時04分 (#2318729)

      足場を組んで近くで点検する計画を立てたけど、取りやめにしたと報じているね。

      「笹子トンネル 過去の点検計画を取りやめ」 [nhk.or.jp]

      中日本高速道路は、崩落した天井板から5メートル余り上にあるボルト部分について、平成20年と去年の2回、足場を組んで近くで行う点検をいったん計画していましたが、いずれも計画が変更され、取りやめていたということです。

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    • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 18時03分 (#2318726)

      手抜き工事だったにしろ、数十年もったわけですからね。

      その間に前兆を発見できれば問題なかったわけで、点検に関する
      機能や運用に問題があるんじゃないかと思います。

      技術的な問題で強度が不足していたり、周辺環境の変化で
      予想を上回る早さで劣化したりすることが考えられるので、
      強度を上げることより、点検の精度を上げることを考えた方が
      建設的な気がします。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      ここが一番ですね。
      点検(検査)が手抜きだった。
      それがだんだん明らかになってきている段階。

  • by Anonymous Coward on 2013年02月04日 18時13分 (#2318739)
    ○○工法とか新しい工法を開発するときって、検査やメンテナンスの技術も合わせて開発するもんじゃないんですか?
    それとも、検査やメンテナンスは未開発でも「そのうちできるようになるだろう」で済ませちゃうのでしょうか?

    工事やメンテに手抜きがあったという話なのか、技術が確立されていなかったという話なのか、笹子トンネルの例はどちらなのでしょう。
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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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