透明な紙に印刷されるトランジスタ 39
ストーリー by hylom
平滑かつ透明な紙の別の需要もありそう 部門より
平滑かつ透明な紙の別の需要もありそう 部門より
taraiok 曰く、
再生可能な材料で軽量かつ安価な電子デバイスの開発をするため、研究者たちは発明されてからほぼ2000年の歴史がある「紙」という技術に着目した。紙はカーボンナノチューブが含まれたインクなどが浸透しやすく印刷技術などが応用できることから生産性が高い。しかし、普通紙の表面は凹凸が激しく、正確に計算されたトランジスターを印刷するには適していないという。また、ディスプレイ用の電子機器を製造するためにも、プラスチックもしくはガラスのような透明度のある素材を必要としていたそうだ。そこで、Maryland大学の材料学者であるLiangbing Hu氏は、製紙用パルプを化学薬品で処理することにより、平滑かつ透明な紙を作り出すことに成功した(C&EN、ACS NANO、本家/.)。
この紙は平均して直径10nmというサイズのセルロース繊維でできており、プラスチックと同等の平滑性を持つという。また約84%という透明度も実現しているとしている。Purdue大学の材料エンジニアのJeffrey Youngblood氏は、次のステップとしては、ロール・ツー・ロール方式のような効率的な生産技術を開発する必要があるだろうとしている。
84% (スコア:1)
約84%という透明度も実現
自動車のウインドシールドが、可視光線透過率70%以上が要件ですから、結構透明ですね・・・
ほかの用途に使ってみたい・・・。紙袋とかパンツとか
Re:84% (スコア:2)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
アミッドスクリーン、ポリッドスクリーンに続く、新たな透過スクリーン
パルップスクリーン
Re: (スコア:0)
紙の柔軟さや伸縮性とプラスチックの透明度、光沢をもった素材とくればパイスーしかありえない
ビニールのコスプレはシワができて密着してないし映り込みが歪んでるから萎えるしサテン地みたいなのはまともな映り込みが無い
そもそもどっちも分厚いし密着度がそんなに無い
直径3mmくらいの体の凹凸まで完全に吸い付く極薄テッカテカぱつんぱつんのパイスーはよ! 透明半透明不透明どれでもおいしいのれす
# AC
もう一歩! (スコア:0)
表から見たらどう見ても普通の紙なのに、裏から見たらあら不思議!ってのが欲しいなぁぁぁぁ
Re: (スコア:0)
一方向だけから光を通すとか無茶言うな。
#非線形使えば不可能では無いけどさ。
Re: (スコア:0)
マジックミラーのかわりにマジック障子?
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
20年ぐらい前のあぶなーずって漫画に紙製の雑誌の付録を組み立てるとパソコンになる
ってのがあったけど、現実になっちゃうのかもなあ。
Re: (スコア:0)
マゾーンの様に燃える素子。
段ボール紙や厚紙のケースとフレームと併せて、庭先の一斗缶で焼却処理が出来るPC。
夢の様だ。
蟹の甲羅を透明に (スコア:0)
カニ殻から透明材料を作るという話を思い出した http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/111129_1.htm [kyoto-u.ac.jp]
マスクだけじゃなくて (スコア:0)
DNPが日本最大の半導体メーカーになったりして
Re: (スコア:0)
Re:マスクだけじゃなくて (スコア:1)
「DNP」「DNS」にツッコミ (スコア:1)
一応つっこんでおくと、
「DNP」とは: 大日本印刷株式会社(DAI NIPPON PRINTING CO., LTD.)。
「DNS」とは:【Domain Name Server】(ネームサーバ) - IT用語
参考に大日本印刷株式会社 [dnp.co.jp]を見るとELディスプレイとか太陽電池とか作ってます。
Re: (スコア:0)
ここでのDNSは大日本スクリーン製造を指してるんだろうけどね
Re: (スコア:0)
>DNSはもともと印刷屋さんだった
完全にゼロだったかどうかは知りませんが、「もともと印刷屋さんだった」はずいぶん事実と異なるような気がしますが。
Re: (スコア:0)
大日本スクリーン製造社史より
> 1868 京都で石田旭山印刷所(大日本スクリーンの前身)創業
19世紀は印刷屋さんだったそうですよ、社名は違うようですが
あと、DNPとは何ら関係のない会社ですが
Re:「DNP」「DNS」にツッコミ (スコア:1)
逆引き設定を疎かにするとどうなるか、の例でした。
Re: (スコア:0)
そっちのDNSはDomain Name Systemです。
セルロースで透明 (スコア:0)
セロファン?
Re:セルロースで透明 (スコア:5, 参考になる)
セロファンは一度完全に溶かしてそれをフィルム状にそのまま固めていますので,ほぼプラスチックのようなものです.今回の実験で使っているのはナノペーパーと呼ばれ,繊維状構造が存在します.
例えばポリエチレンにも,包装材などに使われるフィルム(繊維状構造は無く,均一な固体)と,衣類などに使われる繊維があるのと同じようなものですね.
今回の実験で使われているのはナノペーパーと呼ばれるもので,基本的には既知の材料となります.日本でも阪大だかどこだったかのグループが研究していた覚えが.
どんなものかというと,繊維が非常に細い紙のようなものです.まず,セルロース(要するにポリマー)を化学的に処理してちょっとだけ親水化します.ここで思いっきり溶けやすくして完全に溶解&固体化させるとセロファンになっちゃうのですが,そこまではしません.で,この微妙に親水化した繊維をホモジナイザーにかけてバラすと,元の繊維よりかなり細くなった繊維が得られます.これを濾過して細い繊維だけを取りだし紙にするとナノペーパーのできあがり.
繊維の直径が10 nm程度と波長より十分細いので光の散乱が少なく,そのため透明になりますし,繊維が細かいので非常に平滑な紙が得られます.
一方,セロファン(完全な固体)と比べると繊維状構造が残っているので,穴だらけで溶液が染みこみやすかったり(今回のような印刷に向く),引っ張っても繊維状構造がうまい事伸び縮みして過重を分散する事で丈夫だったり(セロハンだと,1箇所が裂けるとそこから一気に断裂する),という感じで,セロハンと紙の特徴を併せ持ったようなものが得られます.
前述の通りこの手のナノペーパー自体は既知なのですが,意外な事にそこにFET作った報告例が無かった,と.で,今回ナノペーパー上にFET作って,その特性を報告したよ,というもののようです.
Re:セルロースで透明 (スコア:1)
日本では、京大の矢野先生、東大の磯貝先生の手法が有名ですね。
他にも高温高圧でセルロースを可溶化する手法もあったと思う。
京大のは徹底的にリグニンやヘミセルロースを除いて、機械的にセルロースナノファイバーを取り出す手法。
東大のはセルロースをTEMPOを触媒にして塩素系の酸化剤でセルロースナノファイバー(ミクロフィブリル)の表面にCOOH基を導入し、その静電作用で水に分散しやすくする手法です。
ご指摘のように、セロファンのように分子鎖レベルで溶かしてから再生したものよりも、
これらのセルロースナノファイバーは結晶性が高く、強度や熱膨張率など様々な特性が優れています。
セルロースは天然の結晶系(セルロースI)でケブラー繊維なみの強度があります。
現在は製造コストの高さからIT基板のような高付加価値品に目が向いていますが、
製造法もかなり確立されて大量生産の目処が立ってきたらしいです。
安くなって一般の工業品に使われるようになれば、環境面でも期待が持てる素材ですね。
Re: (スコア:0)
やっぱり、基本的にセロファンじゃないか。
そもそも、セロファンは、材料こそ再生可能のセルロースだけれども、
製造過程で多くの有害な化学物質を使うことで公害問題が深刻になり、現在あまり使われなくなったのだ!
Re:セルロースで透明 (スコア:1)
いや、セロハンとナノペーパーを同じと言っちゃうと、普通の紙とセロファンも同じになっちゃうだろ……
ナノペーパーは、構造的にはセロハンよりもかなり紙に近いんだぞ。
(紙とナノペーパーの差は繊維の細さという量的な違いだけど、セロハンとナノペーパーはそもそも繊維構造が有るか無いかなので質的な違い)
透明になってる理由もセロハンとナノペーパーだとだいぶ違うしなあ。
セロハン:繊維構造なんて無く、均一な固体だから透明
ナノペーパー:繊維構造はあるけど、波長より細いんで散乱と言うより回折による回り込みが効いてきてほぼ透明
紙:繊維構造が太いので、回り込みより散乱が効いて白色。
Re:セルロースで透明 (スコア:1)
トレーシングペーパーなどに使う硫酸紙の延長上にあるんですかね。"treating paper pulp with oxidizing chemicals"とあるし。
トレーシングペーパーの規格 [wikipedia.org]上は、透過度79(±5)%というものもあるようです。
そういえば昔、半透明紙にプリント基板用マスクを印刷して綴じこんでいたラジオ製作誌がありました。将来は、回路そのものが印刷された雑誌も出せますかね。:)
Re:セルロースで透明 (スコア:1)
>トレーシングペーパーなどに使う硫酸紙の延長上にあるんですかね。
トレーシングペーパーは、繊維を太らせて繊維と繊維の隙間を無くす事で散乱を減らし、透明度を上げています。繊維と繊維がくっついて固体に近くなるイメージ。
一方今回の奴は、繊維と繊維の間の隙間は沢山あるんだけれども、繊維そのものが細くなりすぎて光が迂回できる状態なんで、ちょっと違うかも。
Re: (スコア:0)
そういえばそうだな・・・。
Re:前置きは良いから (スコア:1)
研究を始めた動機が何だったのかという原点に立ち返ればそんな中途半端なところでヤメてしまう様な事は無いと思うのだが。
資金難で研究が続けられないって単なる言い訳でしょ?所詮はその程度の研究だって事よ。
中途半端じゃないんだよ。これでこの研究はおしまい。あとは興味ある奴が量産化すれば? ってこと。
理論上できたら満足な奴が理論を書く。
実験室でできたら満足な奴が実験する。
実用化したい奴が調べて製品にする。
効率化したい奴が改良してコストダウンする。
上から順に頭のいいやつがやる。
一番頭がいいやつはひたすら理論ばっか考えてる。自分ではなんもしない。ジョージ・ブールとかニュートンみたいなやつ。結果は100年後に分かる。
次にいいやつはじゃあ現実にどうなん? って考える。実験やって、どこが失敗したか調べる。この記事みたいな基礎研究。量産は30年後をめど。
次にいいやつはこんなんあるじゃん量産したら大儲けじゃねって実験しまくる。あれを入れたりこれを入れたり焦がしたり凍らせたり。製品は10年後に出る。
最後にいいやつは量産しながら研究する。もっと強火でもいいんじゃねとかもっと材料ケチってもいいんじゃねとか。製造量が3年で上がる。
下から順に儲かる。上から順に名が残る。下克上はある。
Re: (スコア:0)
そう思うなら投資しろよ。話はそれからだ!
Re: (スコア:0)
>そんな中途半端なところでヤメてしまう様な事は無いと思うのだが。
学生さんか、それとも研究開発とは縁の無い職種なのかな?
実用化を目指して開始された研究が、理由無く途中で放り投げられる事はほとんど無い。
#いや、母体が経営危機で、とかはあるけど。
資金が潤沢なら製品化できるかというと、そんな事も無い。
この手の発表から、実用化された製品がすぐ出てこないのはいくつかちゃんと理由があるのよ。何も途中で飽きて中途半端に放り投げてるわけじゃ無い。
例えばこんなののどれかだ。
1. 実用的なコストで実現するめどが結局立たなかった。
こういった発表自
Re: (スコア:0)
長文でマジレスするほどのことじゃないよ。
元コメの最後の一文読めばわかるでしょ?相手が安い煽りに乗ってくれるのを期待してるだけ。
Re: (スコア:0)
そんなことは承知で馬鹿にしているのだと思いますよ。
Re: (スコア:0)
だとしたら、労多くして功少なしだね。
Re: (スコア:0)
相手は黙ってしまいましたし
労に見合った功はあると思います。
Re:前置きは良いから (スコア:1)
というかこういう時は
「これを見てる他の人でも理解を深めてくれるといいなぁ」くらいの意味もこもってるかと。