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日本

南鳥島沖海底でのレアアース発見、中国を脅かす? 74

ストーリー by hylom
新たな火種にならなければ良いが 部門より
taraiok 曰く、

21日、東大と海洋研究開発機構のチームは、海洋研究開発機構の深海調査研究船を使い、約5700メートルの海底の泥を採取した。その結果、その海底の泥が世界最高濃度のレアアースを含む鉱床であることを突き止めた。中国の一般的なレアアース鉱床の濃度は500~1000ppmであるのに対し、南鳥島沖の鉱床はその約10倍となる約6600ppm。5700メートル海底であるため、水圧と海流に耐える技術と処理技術などの技術的な課題は残っている。しかし、海底下2~4メートルという浅い地層で発見されたため、上記の課題を乗り越えれば、採掘自体は簡単になるだろうと見られている(The Telegraph産経本家/.)。

レアアースはiPad、プラズマテレビ、レーザー、自動車エンジン用触媒コンバーターなどのハイテク製品や精密誘導兵器、ミサイル、軍用アビオニクス、人工衛星、暗視装置など軍事兵器まで使われている。現在、レアアースの約90%は中国から提供されているため、2009年に中国がレアアースの輸出を制限したとき、世界に大きな衝撃を与えた。米国の磁性材料協会は、アメリカが「静かな危機に瀕している」と述べたこともある。

The Telegraph紙は、今回の発見が中国のレアメタル独占を打ち砕くきっかけになるだろうとしている。研究チームの加藤教授は、The Telegraph紙のインタビューに対し「最小限のコストで日本の年間需要を満たすことができるだろう。我々は、集中的に採掘する必要はない。中国が価格を下げる圧力となる量を採掘できれば十分」と答えている。

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  • レアアースといっても、具体的にどんな物質なのだろうと思って調べてみたら、こんな記事もありました。
    http://toyokeizai.net/articles/-/13478 [toyokeizai.net]
    採掘に時間がかかるといっても、やはりあるだけで強みになると思います。

    --
    640GBはすべての人にとって未来永劫充分なメモリだ。
  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 8時17分 (#2352509)

    北海油田などと同じことです
    採掘困難なところに資源が見つかっても、商業生産にこぎ着けるには長いこと技術開発をおこなって、なおかつ市場価格の上昇という環境変化がなければなりません
    でもいったん商業ベースに乗るようになれば、いろいろな恩恵を受けることが出来ます
    例えば、我が国が誇る地球深部調査船「ちきゅう」にも北海油田開発の技術がベースになった各種外国製装置が採用され、オペレータとしても油田開発で経験を積んだ外国人が大勢乗船しています(開発した技術が商品として売れるようになる)
    長期的には、採掘が容易なところに資源があるけど技術の無い国と共同開発・共同生産をする梃子ににもなります

  • 中国がレアアース生産で97%もシェアを持っていたのは、公害問題を考慮せず、
    安く採掘、精製を行っていたから。供給止めて価格が上昇してしまうと、
    公害対策を採った上で別の国で採掘、精製の供給が可能になってしまいます。
    レアアースっても物自体はレアでもなんでもなく、市場に出回る材料とか
    精製済みの資源が少ないだけですからねぇ。

    特にレアアースは火山帯について回るようなので、環太平洋火山帯の日本には
    相当量のレアアースが眠ってるのは間違いない事実ですが、これを開発するには、
    公害抑制の技術を作り出して採掘、精製する必要があるため、現状の日本では
    どうしようもないのというのも大きな事実として捕らえておく必要があります。

    #精製時に副生成物として放射性物質のウランやトリウムが出るのがなぁ・・・
    #日本国内だと、法律の問題乗り越えても国民感情的に中々難しい気がする。

    • by simon (1336) on 2013年03月29日 9時14分 (#2352536)

      中国がレアアース生産で97%もシェアを持っていたのは、公害問題を考慮せず、
      安く採掘、精製を行っていたから。供給止めて価格が上昇してしまうと、
      公害対策を採った上で別の国で採掘、精製の供給が可能になってしまいます。
      レアアースっても物自体はレアでもなんでもなく、市場に出回る材料とか
      精製済みの資源が少ないだけですからねぇ。

      全然違います。レアアースがレアなのはホントにレアだからです。

      以前にも書きました
      http://science.srad.jp/comments.pl?sid=537698&cid=1982778 [srad.jp]
      が、レアメタルには三種類

      1.そもそも量が少ないもの
      2.ふんだんにあるけれど、まとまった鉱床としては滅多に存在しないもの
      (例:たとえばバナジウムは地殻1トンあたり230g含まれてるけど、薄く広く分布してるのでレアメタル扱い。
       逆に銅なんかはトンあたり75gの含有度だけど、超高濃度で含まれてる銅鉱床がけっこうあるのでレアメタルじゃない)
      3.ふんだんにあるけれど、精錬がものすごくめんどくさいもの
      (例:チタン。でも将来的にはもっと高度な技術で簡単に精錬できるようになればレアメタルじゃなくなる)

      あって、レアアースは1.にあたります。そもそも地殻に含有度がものすごく低いんです。

      で、中国がレアアースのシェアが高いのは
      レアアース鉱床には
      1.マグマだまりの中で固まったマグマ鉱床(大量の岩石が溶けたあとで、そのマグマ塊が比重にしたがって分離する過程で濃度が高くなった)

      2.高温多雨地帯で、花崗岩が風化し粘土化する過程で濃縮が進んだイオン吸着型鉱床
      の二種類があって、

      1.は同時に放射性物質も取れちゃうので厄介なのですが、2.は放射性物質が含まれてないです。
      1.のマグマ鉱床は世界中の数箇所にありますが、2.のイオン吸着型鉱床は中国南部にしかありません。
      (ベトナムやタイにもあるそうですがまだ開発が進んでいない)
      とゆー理由があります。

      んだもんで、「中国が環境問題をガン無視してるので中国がレアアース生産シェアが高い」とゆー訳ではありません。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        > レアアース鉱床には
        > 1.マグマだまりの中で固まったマグマ鉱床(大量の岩石が溶けたあとで、そのマグマ塊が比重にしたがって分離する過程で濃度が高くなった)
        > と
        > 2.高温多雨地帯で、花崗岩が風化し粘土化する過程で濃縮が進んだイオン吸着型鉱床
        > の二種類があって、

        今回の南鳥島のやつは、どちらなのでしょうか?

        • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 11時54分 (#2352678)

          生成プロセスが分ってないので結論は出てませんが、新たな種類に分類されるのでは?
          レアアース泥の利点は、以下の通り
          (1)膨大な資源量をもつこと
          (2)資源探査が容易なこと
          (3)レアアース含有量が高いこと
          (4)重レアアースに富むこと
          (5)放射性元素をほとんど含まないこと
          (6)希酸でレアアースを抽出でき製錬が容易なこと

          欠点は今のところ以下の一つぐらいでしょうか
          (1)海底深層にあり採掘コストが高いこと

          深海にあるのがネックですが、採掘技術的には湾口浚渫と類似の簡便な方法で行えます。
          実際に加藤泰浩教授も「採算性は高く、3年で商業化することが可能だ」とおっしゃってます。

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        レアアースの絶対量が少ないのはその通りなんですが、産業的な利用量も少ない(添加剤としての利用なので、総量としては少ない)事を考えると、3の「精錬が面倒くさい」、もしくは2の「まとまった鉱床が少ない」に分類しても良い気が。

        実際、ジスプロなんぞも錫よりはやや少ないとは言えモリブデンやタングステンと同程度には存在量があるわけで。
        しかも使用量は遙かに少ないので、可採年数で見ると膨大な年数になりますし。

  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 8時32分 (#2352514)

    南鳥島沖海底のレアアースは「一切れのパン」なのだ。
    採掘できるかもしれないというだけで日本人は希望を持ち、中国へのカードの一枚となりうる。

    「一切れのパン」 F・ムンテヤーヌ著 / 直野 敦訳
    http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Sakura/4493/hitokire.html [geocities.co.jp]

    # 教科書に掲載されていた話で覚えているのはこの物語だけかもしれない

    • by the.ACount (31144) on 2013年03月29日 12時50分 (#2352746)

      なんだか「絵に描いた餅」を連想した。

      --
      the.ACount
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      あまり資源を強調しちゃうと、中国が領有権を主張してきそう。
      本当に期待ができるなら、わざわざ発表なんかせずに粛々と開発してしまえばいいのに。

      国連が尖閣海域に800兆円相当の資源があると発表してから、中国が領有権を主張し始めたし。
      その後、せいぜい30兆円分くらいしかないって判明したけど、もはや感情的に領有権主張を引込めきれなくなった。

      この時点で発表するのは、中国に対する牽制が目的なんじゃないだろうか。
      あるいは開発に金が必要だからスポンサーを募集中とか?
      #中国企業が出資しようとしたらどうするんだろうか…。

      • by Anonymous Coward

        既に南鳥島についても中国が領有権を主張し始めていたはずです。

        #地理的にありえないだろうとは思いますが。

        • 中国が南シナ海に主張する権益線をみてるとね、もうね。
          --
          〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
          親コメント
        • Re: (スコア:0, オフトピック)

          by Anonymous Coward

          地理的な距離は領有権の根拠になりませんよ。
          フォークランドは英国領だし、太平洋にはフランス領の島もある。
          海洋国家でもない清-中華民国が太平洋に領土を持ってるはずはなく、言いがかりには違いないですが。

        • by Anonymous Coward

          さすがに「南鳥島は中国の領土だ!」は一部のネットで言ってるだけのようですが。

          中国政府も言い出しかねないのは百も承知で。

  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 10時02分 (#2352570)

    姿勢だけでも、効果ある予感。

  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 10時24分 (#2352593)

    レアアースの用途として真っ先にでてくる分野はやっぱりiPadですよね。

  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 10時36分 (#2352602)

    中国がどうとかはさておき、政府も研究費支給して、掘って金にして日本の経済回したらいいと思うよ。
    商売するのは手を上げればベンチャーでも、既存の大小鉱工業社でもいいと思う。

    研究開発費と中国を牽制する外交/軍事の諸費用考えたらペイしないなら話は別だけど、後者は放置してもついてくるしねえ...

  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 11時13分 (#2352640)

    数千mとか深い所ではなく数mで採掘が容易なのはいいけど、珊瑚を破壊しないように採掘しないと、
    珊瑚礁にダメージがあった場合に珊瑚の供給がなくなって島がどんどん縮小したりするんじゃないの?

    自然破壊がストレートに国土喪失に繋がる、結局アンタッチャブルな場所なんじゃない?

    • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 11時41分 (#2352660)
      深度5700mの海底から最初に出てるのに何で珊瑚礁なのか。
      親コメント
    • (前略)5700メートル海底であるため、水圧と海流に耐える技術と処理技術などの技術的な課題は残っている。しかし、海底下2~4メートルという浅い地層で発見されたため、(後略)

      つまり発見されたのは5700mの海底のさらに2~4m下で、まあアンタッチャブルではありますね。距離的に。
      数mなんて浅い所で見つかったら、すぐに商売の話が出てますよ。

  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 11時21分 (#2352647)

    とりあえず市場が上がりすぎたらペイするコストで調達できるよって示せばいいだけなんだから、別に海まで入ってく理由はないよね。
    オーストラリアとかアメリカにいくらでもありそうだし。

    わざわざ南鳥島沖まで出かけてったのは、あのあたりでプレゼンスを強化したかった理由があるんでない?とか
    軍事や外交的に静かな場所を使って深海採掘技術を開発したいだけじゃ?とか
    いろいろ邪推してしまうんだが・・・

    • by Anonymous Coward

      ああ、いや、そういう面倒な話じゃ無い。
      元々海底資源を研究対象にしてる人たちで、あっちこっち行っては掘っては発表してる。それこそ南鳥島沖どころか、ハワイだの東太平洋だのいろいろ。経済性とかはとりあえず二の次(研究費獲得のための申請書には書くけど)。
      今回はたまたま南鳥島沖で、でまあ何でか知らんけど高濃度のが転がってるよ、って発表。

  • by Anonymous Coward on 2013年03月29日 12時24分 (#2352711)

    レアアースが少なくても、レイアースがいる

    # これで中国も懐柔できる

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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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