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教育

工学部の学生は人文科系の科目を学ぶべき 176

ストーリー by hylom
人文科目って社会に出ると学べる機会がなかなかないのよね 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

工学部の学生が人文科系の科目を学ぶことの重要性を説いた内容のScientific Americanのブログエントリ本家/.で話題となっている。

Stevens Institute of Technologyで教鞭をとるJohn Horgan氏は哲学や歴史、文学や心理学、政治科学といった科目を学ぶことの重要性を説く。科学や数学、工学系の授業では事実、答え、知識、真実といった確固としたものを扱うのに対し、人文科系の科目には確固とした答えは無く、政治的、宗教的、また科学的であろうと権威に対し疑いの目を向けさせる。

「真実とは何か?」「真実であるということはどいういうことか?」「自分にとって、もしくは社会にとっての善悪をどう決定するのか?」「人生の意味とは?」「人生の目的は幸せか?」「では幸せとは一体なにか?」「幸せとはそのものが目的なのか、それとも何か別の重要な目的の副産物なのだろうか?」など、答えよりも質問そのものが人文科系の中心とも言え、氏の講義では学生にこのような命題に取り組ませているという。

科学も大事だが、人文科系の科目が教えてくれる「我々の心には判断を惑わされる隙間がある」ことも同じ位重要であると氏は強調する。科学の力が強く、科学が一種の宗教にすら上り詰めてしまった現代だからこそ「確固たる答えを求める」ことに縛られない人文科系の科目が意味を持つのだと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • Horgan氏の言っている文言で、人文系と理工系に入れ替えても、同様のロジックが通用すると思うんだけど、、、、

    他の方も書いているが、権威であろうと無かろうと疑うのが科学の基本姿勢の一つ

    また、生命とか宇宙とか人間とは? という哲学的な問いに対して、それ相応の科学的知識に成り立って考えるのは、非常に意味があると思うけどなぁ。
    例えば、人間と猿とはDNAレベルでさほど差が無い とかね

    全ての知的体系の根幹をなす哲学をやる人ほど、科学的知識も必須だと思うけど、なぜか嫌がるよね
    ソーカルが相手にしていた方々も、数学的知識が無いのに、数式を駆使した哲学を展開していたし、、、

    タレコミ文を読む限りでは、工学・科学を理解していない人間の戯れ言にしか聞こえない

    • by clay (41656) on 2013年06月28日 16時25分 (#2410868) 日記

      >同様のロジックが通用すると思うんだけど、、、、

      せっかくなので、やってみた

      Yan Honyarara氏は数学や物理学、化学や生物学、建築工学といった科目を学ぶことの重要性を説く。哲学や歴史、文学系の授業では事実、答え、知識、真実といった確固としないものを扱うのに対し、[*] 理工系の科目には確固とした答えがあるが[**]、政治的、宗教的、また科学的であろうと権威に対し疑いの目を向けさせる。

      「真実とは何か?」「真実であるということはどいういうことか?」「自分にとって、もしくは社会にとっての善悪をどう決定するのか?」「人生の意味とは?」「人生の目的は幸せか?」「では幸せとは一体なにか?」「幸せとはそのものが目的なのか、それとも何か別の重要な目的の副産物なのだろうか?」など、基本的な疑問そのものが基礎科学の中心とも言え、その中でより真実に近いと思われる事象を選別している。氏の講義では学生にこのような命題に取り組ませているという。

      人文学も大事だが、科学系の科目が教えてくれる「我々の心には判断を惑わされる隙間がある」ことも同じ位重要であると氏は強調する。人文学の力が強く、人文学が一種の宗教にすら上り詰めてしまった[***]現代だからこそ「確固たる答えを求める」科学系の科目が意味を持つのだと。

      入れ替えてみて気付いたこと
      [*] 真実や知識を求めないのは、学問としてどうなのよ?
      [**] 先端科学は確固とした答えが無いことも多いけど、、、
      [***] オリジナルでは、科学が宗教にとなっているけど、宗教は人文科目って言っていたよね。だから人文学を勉強しろってこと? 微妙に意味不明な気がするなぁ

      親コメント
    • 多くの人文系の人から見れば、数学は特殊な技能という感じなので(私の周りだけかもしれませんけど)
      工学系の人が人文系の講義に参加するよりいくらかハードルは高いと思います
      もちろん数学や、工学の知識はあったほうが良いと思います。研究上必要になることもあるでしょうし

      #何度か工学系の講義は覗きに行きましたが、興味本意な私はついていけませんでした
      #デルタやイプシロンと言われても、知らなければ辞書を引けば大体わかるという物でもないですし
      #実存や様相もそうなのかもしれませんが

      親コメント
  • 理系学科に文科系の学問を,というのも必要でしょうが,それ以上に文系学部にも理系の学問の必要性を強く感じます。
    その理由として,一部の文系学部,文系学科において非科学的な内容(端的に言えばニセ科学,トンデモ科学)を教える授業が存在し,それが多くの学生に聴講されているという現実があります。

    これはその一例ですが,東洋大学経営学部 石井薫教授の授業内容だそうです。こんなのを10年以上,年間数百人ずつ教えているとは,ちょっと信じられません。
    ましてや,それを「素晴らしい授業でした」と言っちゃう学生が多いというのも困りものです。
    http://togetter.com/li/456234 [togetter.com]

    理系側から哲学を知ることも重要でしょうが,その場合は「哲学者の中には非科学,ニセ科学,トンデモ科学を信じている者がいる」という事実を知ることにもなりますね。
    逆に文系側から科学を知ることによって,安易にそういった授業に騙されなくなる,という利点がありますので,やはり文系学科に科学的な授業(科学リテラシーに関するものなど)は必要ではないかと思います。

  • by s02222 (20350) on 2013年06月28日 15時56分 (#2410821)
    >政治的、宗教的、また科学的であろうと権威に対し疑いの目を向けさせる

    権威であろうがとりあえず疑ってかかるのが科学的な立場。疑いようのないぐらいの裏付けがあった場合だけは納得する。

    政治もそもそも信じるべきものじゃないし、宗教は言わずもがな。なんか、この部分は色々ずれてる気がする。

    そうは言っても出来てない理系人間多いよね、という話なら分からんでもない。
    • by Ryo.F (3896) on 2013年06月28日 18時35分 (#2411009) 日記

      権威であろうがとりあえず疑ってかかるのが科学的な立場。

      ならば、科学その物も疑うべきだよね。

      そう言う議論は昔からある。

      親コメント
    • by unchikun (14429) on 2013年06月28日 20時02分 (#2411070)

      「なんでも鵜呑みにするな」くらいで良いんじゃないの?
      従来の常識ではどうしても理解できない謎の現象に直面したとき、常識の殻を破って新たな発見をするのは大抵科学者だし。
      もう理系や人文系以前の話で、人としてそのくらいの柔軟性はもっとけよ、、という気がしてならない。

      人文系というか科学に弱い人に突っ込みたくなるときは、大抵「訳も判らず鵜呑みにする」シーンだったりする。
      放射線を必要以上に恐れたり、マイナスイオンやナノイー、プラズマクラスターを有りがたがったり、、。

      親コメント
  • 逆もしかり (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2013年06月28日 16時08分 (#2410840)

    人文科の人も工学系を学ぶべきだともうよ。
    とくに誤差の扱い方とか新発見がどの程度のまれさなのかが分かって欲しいところ。
    物事の全体像をつかむには必ず必要だと思う。これが歪むとどうしようもなくおかしな世界に突入する。

  • by Anonymous Coward on 2013年06月28日 20時03分 (#2411071)

    元記事を書いたJohn Horgan氏って、「科学の終焉」の著者じゃないか。
    著者の主張がどうこうというより、多くの著名な科学者に対して
    「科学の終焉」をテーマに対話したすごく面白い本ですよ。
    ともかく対話した相手が豪華だし、状況描写が細かくて臨場感がある。
    読んでない人はぜひ読むべき。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%8... [wikipedia.org]

  • アメリカでは人文科学(社会科学含めて)の擁護論があるようだけど、財政状況の関係かと。日本ではどうもピンと来ない(多分、全般に厳しいから)。そういう文脈から離れて(どうせよく知らないけど)、タレこみの文脈だけで言うと、まず(1)思考のノイズの問題が浮かぶ。

    日記: 二つの知的態度 [srad.jp]

    厳密には理系も文系もないけど、A.問題の関連要素を明確にし、とりあえず関係ないものを思考から排除する。要素が単純化されているので、答えが出る出ないに関わらず、思考の過程がすっきりする。湯川先生タイプ。B.思考や調査の過程でノイズをあまり排除しない。脱線上等なので、物事の本質追求には役立つが、当面の答えを得るのには必ずしも向かない。遠回りして近づくともいえるが、いつ近づくかは誰にも分からない。文系でもAの事もあるだろうし、理系でもBの事もあるだろう。

    もう一つは、もっと高次元に(2)歴史あるいは、歴史の文脈。歴史というと狭くとらえがちだけど、物理でもなんでも「学史」がある。歴史の流れがあって、しかも多くの流れが入り乱れている。流れには一つの学問どころか、社会や政治や芸術(あるいは軍事さえも)のすべてが多分関係してくる。

    人文科学の重要性は自明なように思われるけれど、それは文系理系に関わらず重要なはず。思考から自分が選択した要素以外を排除しちゃう人文科学や社会科学系の人もざらにいるだろうし。

  • by Anonymous Coward on 2013年06月28日 16時06分 (#2410837)

    文系・理系のストレオタイプですが、文系の人間は理系の学問は唯一無二の答えが存在すると誤解している。
    大学で学ぶのは論理的思考方法や研究手法であり、より多くの知識を学ぶ場ではない(はずと期待したい)。
    また文系は論理的思考が出来ていない、事実と自分の思い込みの分別が出来ていない、
    疑似科学に騙されやすい傾向にあるので、ぜひ論理的に考えることを学んでほしい。
    でも日本の大学じゃ理系の学科とってもダメでしょうね。

    • >文系の人間は理系の学問は唯一無二の答えが存在すると誤解している。
      これに激しく同意。

      >>科学や数学、工学系の授業では事実、答え、知識、真実といった確固としたものを扱うのに対し、
      >>人文科系の科目には確固とした答えは無く、政治的、宗教的、また科学的であろうと権威に対し疑いの目を向けさせる。
      まさにタレコミのこの部分がその偏見に基づいた意見そのもの。
      その後を読む価値がないと思わせるに十分だった。

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  • by je1ocv (46043) on 2013年06月28日 16時08分 (#2410842) 日記

    歴史、特に世界史は重要だと思います。
    現代に至るまでに、人類が何をしてきたのかを知るのは市民として必要だと思います。
    民主主義がいかに崩れやすいものなのかを知っていれば選挙の投票率も、政治家の質も上がるでしょう。
    ただ、歴史が純粋な暗記科目になってしまうのは防ぐべきだと思います。

    文学や哲学は、解釈を押し付けるべきじゃないとは思います。
    そう解釈する人もいる、ということも知った上で自分の解釈をすべきです。

    #私は文系ですけどね。

    --
    640GBはすべての人にとって未来永劫充分なメモリだ。
    • Re:歴史は重要 (スコア:5, すばらしい洞察)

      by s02222 (20350) on 2013年06月28日 17時07分 (#2410922)
      ツリーに便乗。物理とか数学とかが苦手な人に、科学史という選択肢を用意したら良いんじゃないかと常々思ってる。

      疑似科学商法とかに引っかかる人を見てると、個々の科学知識や技術がある日突然日の目を見るようになった、みたいなイメージで生きてるんじゃないかと思う。 だから、唐突に「全く新しい技術」と称する何かが出てきても違和感を感じない。

      実は、教科書に載ってるような極めて重要な発見の間にも延々と研究は続けられていて、 その多くは、ただの思いつきでぽしゃったアイデアで。そんな中で上手く行った物が積み重なって、有名な科学法則の発見へと繋がっていて、という長い長い積み重ねになってる、というのだけでも分かれば、数式なんて分からなくてもだいぶマシなんじゃないかという気がする。

      暗記が苦手だからと文系から逃げた理系人間をフォローするための文系科目、 数式が苦手だからと理系から逃げた文系人間をフォローするための理系科目というのをもうちょっと考えても良いんじゃないかな。 現状、どっちも、ガチでやって物にするためのカリキュラムしか用意されてないように思う。
      親コメント
    • by Ryo.F (3896) on 2013年06月28日 18時26分 (#2410999) 日記

      歴史、特に世界史は重要だと思います。

      これには賛成するのだけれど。

      民主主義がいかに崩れやすいものなのかを知っていれば選挙の投票率も、政治家の質も上がるでしょう。

      それは歴史を学ばずとも、算数の範囲で理解できるよね。

      そして、もう少し算数的頭を働かせれば、選挙の投票率は下がるのが当然かもしれないね。

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  • by Anonymous Coward on 2013年06月28日 16時39分 (#2410886)

    どの大学でも「一般教養」のような形で必修させてるはずです。理系にも文系にも。
    理系はそれでは足りないもっと人文科をやれという話しなのか。
    それともアメリカの大学の事情なのか。

    足りないという話だとして、どこまでやればいいのか。
    知識が広い方がいい、そりゃあそうです。
    しかしそれは、文系も理系科目を必修すべきという方向に跳ね返るけどいいですか。

  • by I-say (18650) on 2013年06月28日 16時48分 (#2410898)

    どっちもどっちだよねえ。

  • by Anonymous Coward on 2013年06月28日 16時52分 (#2410902)

    バランスが取れた人間になりたいか、
    文系にでも理系にでも偏った人間になりたいか。
    自分で好きなほうを選べばいい。

    私は理系に偏ってて他人の気持ちになんか
    これっぽっちも興味ない、って人は好ましいと思う。

  • この前、大学の先生と飲む機会がありましたが、
    その先生は「3,4回生こそ教養科目をとるべきだ」と
    自説を述べておられました。
    「1,2回生の教養科目だと、そこで終わりだから」と。
    なるほどなと思いました。
    理系文系問わず、勉強は一生するものだと
    思う私は、同感しました。

  •  西洋史の初歩的な知識なんだけど、ヨーロッパの伝統的な大学教育ではリベラルアーツといって人間として身につけるべき教養を学ばせるのが伝統になってる。なので、理学部・工学部の学生でも、副専攻で文学とかとらせるのが一般的だと訊くけど。
     で、最近のアメリカの実情が、日経BPに記事として出ていた。
     http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130227/244292/ [nikkeibp.co.jp]
     http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130305/244525/ [nikkeibp.co.jp]

     ところで、アメリカでは、日本よりも科学に対する関心が一般的で、ネイチャーとかサイエンスとかが一般家庭に普通においてある、とも訊くけど、どの程度の社会階層の家庭なんでしょうね。
     ニュースで聞くキリスト教原理主義が幅をきかせるイメージと、科学雑誌を読むほど科学に関心のある社会というのがしっくりこない・・。

  • 「知らないものにどう対応するか」という話だと思われます。理系とか文系とか関係無く。

    根拠なく肯定的に捉える人の場合は、「信仰の対象」と捉えるでしょうし、
    根拠なく否定的に捉える人の場合は、「うさんくさいもの」と捉えるでしょう。
    自然科学に対しては前者な人が多そうですし、社会科学・人文科学に対しては後者な人が多そうです。
    前者は、血液型性格診断とか、カルト宗教にはまる人でしょうし、
    後者は、疑似科学っぽい雰囲気がするものには近づかないでしょう。

    科学的な態度というのは、そのどちらでもなく、知らないものに対しては「知らない」と認めることであり、それ以上の判断は下さないことでしょう。
    しかしながら、それではあまりにも窮屈であり、現実的には根拠不足のまま判断を下さざるを得ないことが多々あるわけですが。

    • ただ疑ってるだけじゃ長所も欠点も分からないから進展しない。
      科学では真偽を判定するために、当理論を前提にして先に進むのが普通。
      前提にしてるからと言って信じてる訳じゃないし、根拠不足だからと言って使わない訳じゃない。
      先に進んでダメと分かったら別の理論を探すという積極的懐疑であり、それ以上の判断は下さないというような消極的態度ではない。

      --
      the.ACount
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