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ビジネス

日本メーカーは「ソフトウェア工場」の発想から抜け出せるか? 178

ストーリー by hylom
いつからそう錯覚していたのだろう 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

日本家電メーカーの衰退が囁かれる昨今だが、日経新聞に先日のCESに関連して「日の丸家電、打倒アップルの条件 ソフト重視へ転換せよ」という記事が掲載されている。記事では、衰退の理由としてソフトウェア開発力の欠如、その原因としてゼネコンスタイルの開発体制を挙げている。

多くの日本メーカーが自社のエンジニアをソフトウェアエンジニアとして育成せず管理者としてしまい、実際の開発は下請けに外注する、いわゆるゼネコン型の人事制度を続けていることが最大の問題点だという。そしてこの体制の背景として、ハードウェア全盛時代の、ソフトウェアを大量生産可能なものとみなす「ソフトウェア工場」の発想から抜け出せていないことを指摘。本来ソフトウェアエンジニアは専門性の高い、プロスポーツ選手のような存在だとコメントしている。

こうした指摘自体はこれまでも度々されているが、現状を打破するには至っていないと思われる。日本メーカーがこの体勢から抜け出すには、何が必要なのだろうか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 昔のSONYの盛田さん、ホンダの藤沢さんみたいに商売のやり方を知っている人が
    いなくなったというのが弱体化の原因だと思いますね。
    日本の電機業界も年月を経て、創業当時の志を知らなくて、
    大きくなった会社に定年までの安定雇用を求めて入社していくるような社員が増え、
    その成れの果てが幹部になるようでは、戦略立案はままならないと思います。

    結果として、
    改善型の技術開発しかできなくて、戦略的な商品開発が出来なくなったのだと思います。
    米国企業はM&Aで新しい血を常に取り込んでいます。そこから戦略商品を出すわけです。
    それが出来なくなって、旧来の製品にしがみ付くと、MSや任天堂のようになるわけです。

    >プログラムの書けるソフトウエア・エンジニアを社内で育てられていない
    >最も致命的だと感じるのは“ゼネコンスタイル”といえる開発体制と、その背後にある人事制度の問題だ。

    こんな戦術的な問題ではない。
    • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 17時51分 (#2530123)

      > 改善型の技術開発しかできなくて、戦略的な商品開発が出来なくなったのだと思います。

      その辺が逆に思えて。
      経理畑の人間に 数字わかるだろ?明日から営業やって成果だせ!
      くらいな無茶ぶりでしょう

      技術を磨いた人のキャリアアップの先がなぜか管理職だったり
      どうもスキル活用が変な業界

      SONYの盛田さん、ホンダの藤沢さんはまず
      やりたかった事ありきで、それに技術を追従させたように思います。

      日の丸云々したいならば
      技術者に付け焼刃するのではなく
      AKB秋元のようなプロデュース能力者を育成すべきではないですかね

      親コメント
    • こんな戦術的な問題ではない。

      ですよねえ。問題の一因とはなっているにせよ、根本的な原因ではない。より根源的な問題が別にあって、その結果として(より目につきやすいレイヤでの問題が)現在のような開発体制や人事制度に現れている。

      日本の家電メーカーについては、「ハコは重視するが、サービス一般をあまり重視していない」傾向は、個人的に感じられます。やっていないわけではないけど、強いという印象がない。
      (たとえば、ウォークマンを作って音楽を聴くスタイルを大きく変えたソニー。その後、媒体のカセットテープをMDに置き換えたMDウォークマンは作れたが、iPod (+iTunes) は作れなかった)

      そうした傾向がソフトウェアの開発体制にも現れているのであって、ソフトウェアエンジニアを育成したり、開発体制だけ改善してもたぶん駄目。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 15時57分 (#2530013)

      >改善型の技術開発しかできなくて、戦略的な商品開発が出来なくなったのだと思います。

      これが出来てたのは、昔も一部の企業だけでしょ。それこそ、SONYとかホンダとか。
      他の大半の所は、結局の所「改善型の技術開発」でも昔は売れていたけど、発展途上国の参加で環境が変わったって所でしょう。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 16時50分 (#2530059)

      創業当時の志というが松下の水道の話は日本人の人件費では不可能だ。マイクロソフトのように一家に一台コンピュータのように創業当時の目標を達成してしたが次の目標が定まらない企業もある。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 18時41分 (#2530165)

      >改善型の技術開発しかできなくて、戦略的な商品開発が出来なくなったのだと思います。
      結果として出来なくなったのではない。
      もともと日本の技術で評価されていたのは改善型の技術開発ばかりで、戦略的商品なんて殆どない。
      ただ、そのウリだった改善型技術開発については、韓国が出てきて台湾が出て来て、最近は東南アジアや中国インドまで、プレイヤーが無茶苦茶増えた。
      その結果、改善型の安価が価値とされる物に付いてはもう、国内企業が食い扶持とはできなくなった。

      結局は、「自分で看板を掲げて商売が出来ていない」のが殆ど。
      調子の良かったときにその後に付いて考えずに目の前の利益にのみ走ったのが原因だろう。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 20時54分 (#2530264)

      >昔のSONYの盛田さん、ホンダの藤沢さんみたいに商売のやり方を知っている人が
      >いなくなったというのが弱体化の原因だと思いますね。

      昔は普通にあった「商人文化」が「商人」ごと消滅の憂き目にあってますから当然です。
      親がお客と対面し受け答えをする姿や従業員などをどう扱うかを、小さい頃からみて育つ子供はもう居ません。
      大規模小売店舗が席巻して小売りが崩壊しシャッター街になっていく事態は、ある種の人材の供給源が消滅したということも意味します。

      // サラリーマンか公務員が希望で、ドロップアウトでも農業ならできるとか思ってる脳天気ばかりになってしまった。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年01月21日 1時24分 (#2530445)

      最近、うちの会社でも、仕事が効率化すれば良いんだって風潮
      効率化のために無駄な会議でそれ以上の時間を費やしてるもんなw
      無駄な仕事をさせないことがいい事だと、監視役が上司の仕事になってて
      バカみたいな手続き重視、そのくせ「リーダー」って肩書きだから笑ってしまう

      もともとフットワークが軽くて、開発部門の誰かがつまずいたらフォローする部署だったのに
      手続き重視の上司のせいで、フォローの仕事ができずにすっかり開発部門の仕事を止めているwww
      こんな仕事をしてたら、会社が停滞するわーって事にまさに直面してて胃が痛い

      親コメント
  • by T.SKG (20663) on 2014年01月20日 17時33分 (#2530103) 日記

    三十年近く前、

    このままだと急増するソフトウェアの需要に対し、それを作るプログラマの供給・養成が
    追いつかなくなる、ソフトウェアの生産性を大幅に向上する必要がある。
    職人による家内制手工業から抜け出して、工場で生産できるようなものにしなければならない。

    そう警告の文脈で出てきた言葉だと記憶しています。

    巨大化するプログラムを、適切に部品に分割する技術とか、
    誰がコーディングしても品質を保つための技術とか、
    今で言う一種のフレームワークとか、色々な研究や取り組みが行われました。

    ソフトウェアの生産から属人性を排して、その技術・手順に従えば、誰が作っても同じ品質で
    同じ生産性でソフトウェアが生産できる。さらに、ゆくゆくは人手を極力排して自動化を目指す。

    こういう発想は日本的と言えば日本的ですが、日本だけでなく海外でも研究されていましたし
    改良や改革の一つに、こういう方向性のものがあることは、何ら間違いとか失敗ではないですよね。
      -------
    現実には、ソフトウェア工場が中々額面通りには行かず、
    また、元記事にも述べられているように生産性や創造性が他より何倍も優れたプログラマに、
    十分な報酬や、その能力をさらに伸ばす環境を与えなかったのは、日本企業の敗因の一つ
    だとは思われます。
      -------
    (年齢的にみて)元記事の筆者も意味を知った上で、掴みとして使っているのかなあ。

  • ハッカーと画家 (スコア:4, 参考になる)

    by je1ocv (46043) on 2014年01月20日 18時08分 (#2530140) 日記

    ポール・グレアムさんの「ハッカーと画家」の0章「メイド・イン・USA」にヒントがあると思います。
    日本人の几帳面さは車を作るときには役に立つが、ソフトウェアや映画を作るときには邪魔になる。ということだそうです。

    きっと将来最も成功する国は、今日「お国柄」と思われているようなものを捨てて、それぞれの事柄についてそれが最も有効に働く方法を取っていく国だろう。さあ、競争だ。

    という言葉でこの章は結ばれています。

    ハッカーと画家 [amazon.co.jp]

    --
    640GBはすべての人にとって未来永劫充分なメモリだ。
  • 外注に出す内容が新しくイノベーションなアレコレなら
    外注に出そうがなんだろうがいいものは出来ると思うんだ。

    # まぁ例外は多々あるが・・・

    • 新しくイノベーションなものに、チャレンジできる外注なんてどれほどあることか。

      自分たちの苦手な部分を、その筋のプロフェッショナルに(プロフェッショナルな料金で)アドバイスを求めながら外注する、
      なんて環境なら期待もできけどね。

      親コメント
  • 原因は企業の老化 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2014年01月20日 17時45分 (#2530114)

    マイナスイオン!
    フロッピー大臣!
    インターネット冷蔵庫!

    企業がお年寄りの発想になってる。
    ゆとり以下の世代も変なところがオッサン臭いから、
    内部の世代交代でもどうにもならない。
    企業そのものの交代が必要。

  • なにげない日常を楽しんでいる人がいない。

    ソフトウェアにしてもハードウェアにしても、それがあると生活がどう豊かに楽しくなるのか、というところがポイントなはず。そのソフトウェアはなんのために必要なのか? なのに、それを自身のヴィジョンとして語れる人もいなければ、それに耳を傾ける人もいない。みんな今の仕事に忙しいから。

    打倒アップルとか、打倒アマゾンとか言っている時点で、もうすでに出発点が間違ってる。アップルがやっていることはアップルにしかできない。アマゾンがやっていることはアマゾンにしかできない。仕組みだけ真似ても、そもそもの目的がわかってないから、うまくいかないと次の手が打てない。

    そんなうまくいかないことを議論しているくらいなら、息抜きした方が生産的じゃないかな。

    --
    はてな支店 [hatena.ne.jp]
  • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 18時40分 (#2530163)

    "打倒アップル"でソフトウェア開発体制という結論の時点でもうねぇ・・・
    iMac、iPod、iTunes、iPhoneと、アップル復活と繁栄はソフトウェアを外注丸投げでも問題ないし、極端に言えばソフトウェア開発の知識がゼロの人間でも可能だったでしょ
    どういう"商品"を出すのか考える人材とそのアイディアの商品化を社内政治で邪魔されない体質とかの話でしょ
    ゼネコン体質のソフト開発体制にもそれはそれで別の問題もあるけど"打倒アップル"とは直接関係ない

  • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 16時36分 (#2530047)

    ソフトウェアエンジニアやってた人間(もしくはエンジニアっぽい事を数年だけやっていた人間)に管理者、人売り/人買い業務をやらせるのではなく、
    最初から予算のみの管理者、人売り/人買い業務を専任でやらせて、その業務の質を上げさせた方がよいのではないか。
    元請けSIerは設計も含めて開発に関与しないで、金のリスク管理に業務を特化。

    コの業界の人間は、実質はまったく別の業務をやっているくせに、「モノづくり」にこだわりがあって、それが混乱を助長しているように思える。
    実質は人売り/人買いでもこれは仮初、今だけの業務形態でいつかは自社で一発当ててやるとかちょっと考えてたりするので、
    売買している商品(人間)に対するフォローはいつまでもお粗末だったりする。
    転職時に一般派遣業に登録した時に、(少なくとも仕組み、建前としては)ちゃんとフォローがあるんだ...と驚いたし、
    某SIerから請け負った時は契約的に金銭的リスクはまったく負っていなかったりするし。
    (入金は顧客からの入金の後って条件はもしかしたら最終的に飲まされるかもしれないけど、記載ミスレベルの認識で二つ返事で飲むなよ....社長)

    ゼネコン体質を脱却するのではなくて、ゼネコン体質のまま状態を改善できないか?

    • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 16時50分 (#2530061)

      >ゼネコン体質を脱却するのではなくて、ゼネコン体質のまま状態を改善できないか?
      それ無理。そこを変えないと、多分ソフト技術者の仕事のやり方が変わらない。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 16時48分 (#2530056)

    むしろこういう怪しい奴らに騙されて、日本企業の強みだった、地道な改良を怠ってきた方が問題だろ。

  • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 17時31分 (#2530097)
    もし戦後の財閥解体が行われなかったら、それでも高度経済成長はあったのか?と考えると単に起業家の才覚だけとも思えないんだよな。
    SONYやホンダだって、業界を牛耳る大手メーカーという存在がなかったから成長できたんでないの?
    いわゆる”大手”と呼ばれる企業グループを強制的に解体してしまうだけでも一気に景気が上向くかもよ。
  • by Anonymous Coward on 2014年01月20日 18時00分 (#2530130)

    物事がうまく行っていない時というのは、やらなければならない事から目を背けている時と相場と決まっています。
    企業のトップが確固たる信念と理念を持って動けばいくらでも変わります。変わらないという事は、本心では変える気は無いという事です。

    まずは「我々日本企業は、ソフトウェア重視への転換を目指しているがなかなかうまくいっていない」というタテマエを捨て、
    「ソフト重視とか知るかバーカ!ジリ貧だろうが何だろうがギリギリ死ぬまでゼネコン型から変えねえよ!」と本音をぶっちゃけるべきでしょう。

  • by the.ACount (31144) on 2014年01月21日 13時19分 (#2530730)

    日本では既存の組織を立て直すなんて不可能なんだから、新企業が生まれるように環境改善するしか方法はないでしょう。
    そのためには日本自体を立て直す事が必要で、それは不可能だったりして。
    やはり倒幕して維新しかないかな?

    --
    the.ACount
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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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