「多重下請け」は必要悪か 162
ストーリー by hylom
金を稼ぐには必要ということですか 部門より
金を稼ぐには必要ということですか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
日経ITproにて、「多重下請けは本当に必要悪なのか──ポジティブな改善策を考えてみる」という記事が公開されている。
日本では大手企業が請けた仕事を切り分けて下請けに出し、さらにその下請けもそれを下請けに出す、ということが多く行われているが、これを肯定するものだ。肯定する理由としては、「下請けを使わないと適切な人材を見つけられない」ことらしい。
ただ、その人材に適切な対価が与えられば良いのだが、現在の多重下請けシステムは結局「適切な人材を安く集める」というだけのシステムになっているのではと思ってしまう。
ちなみに、東京労働局によると最近は「二重派遣」で摘発される事例が増えているそうで、それを見破る方法として健康保険証のチェックが勧められているそうだ。
技術者の賃金が低いことは必要悪? (スコア:4, 興味深い)
今の下請けを求める仕組みは社会悪でしかない。
下請けを安い賃金で技術者を柔軟に確保すると言っても
製品を作る側にメリットがあるだけで、
それは「技術を持っている人は安い給料でしか働けない仕組み」でしかない。
なぜ下請け技術者は他の人にない技術を持っているがために安くしか働けないのか、
これっておかしいと思わないの?
技術を持っても生活できないなら技術なんて要らないし理系離れする、
やがてほとんどの人は技術を持たなくなっていく。
今の下請けの仕組みはそうやって国の技術者を減らす仕組みになっている。
だから必要悪ではなく社会悪だ。
これの変え方はいくつでもあると思う、
例えば下請けほど給与が高い体系をとること。
欧米は個人でも技術力持っている給与は高いんじゃないか?
企業も雇い主という謎の上から目線ではなく見合った金をちゃんと払う。
そういう体制にすべきだ。(大工はまだこの雰囲気は残っている)
他の変え方なら、例えば、
大きな企業ほど下請けはやめ、技術者を抱え、自前で対応する方法がある。
技術者は技術があるのだからそれなりに高い賃金で働けるべきだ。
(持っている技術はだいたい賞味期限も短いし、なおさらに、だ。)
技術者を集めるだけの派遣業やSIerの方が安い賃金で働き製品を安くするべきだ。
(人をマネジメントする能力は賞味期限が長いから、なおさらに、だ。)
そうする結果、自社に他にない技術力が蓄えられる。
適切な人材がいないのは抱えないから以外のなにものでもない。
「下請け=安い」という技術者の給与が安いうちは
下請けは必要悪でもなんでもない、
ただの技術者への搾取でしかない社会悪だ。
多重派遣が問題なのではない (スコア:3, すばらしい洞察)
ウソの名刺を持たせて身分を詐称させるのが問題なんだ
やってられませんわ (スコア:2, 参考になる)
多重派遣なのは、大元の顧客も大抵わかってますね。
「落ちてくる金が少なくてやってられませんわ、契約切れ目で撤収しますんでー」
と、堂々と言い放ってたら、直受けにしてくれました。
#間の会社をどうやって説き伏せたのかは知りませんが
Re:やってられませんわ (スコア:1)
ですよね、リリース後のメンテについては元請けの立場が弱くなるよね。
そこが変なら切ればいいと思う。
発注元がメンテナンスに予め相当量の予算を付けておく知恵を回して欲しい。
どうせ、リリース一発で完璧(に動かないと大問題)なシステムなんて余りないんですから。
悪かどうかという以前に (スコア:2, 興味深い)
お金を持ってる側(お金を払うが側)が現状に何ら不満を抱いてない以上、良い方にも悪い方にも変わる事は無いでしょ。
本当に変えたいのなら善悪で迫るのではなく、利害で釣らないと。
Re:悪かどうかという以前に (スコア:3)
利害だけなら奴隷制度が最適になってしまうのでは
雇用の流動性が響いている気がしますがね。 (スコア:2)
好景気で人をたくさん雇えば、不景気で下手に首切れず大企業だと余った人材の職種転換まで会社でケアすることが、
いまだ多いような日本だと、プロジェクトの規模に応じて社員を維持しつづけることが相当なリスクかとおもいます。
万能薬だとはおもいませんが、解雇と中途採用の発生が今少し当たり前の世の中にならねば、元請け側に内製できるだけの実行部隊を抱えるモチベーションはあがらないかと。
(以下n次受けまで帰納法となり。。)
# 国外相手にして、いわゆる「外注されて実際モノつくっている中の人」ってみたことないなぁ。私の世間が狭いだけかもしれませんが。
Re:雇用の流動性が響いている気がしますがね。 (スコア:3, 興味深い)
> 不景気で下手に首切れず
これ、よく言われる話ですが、実は厚生省の調査によると、そうでもないようです。
http://www.j-cast.com/kaisha/2014/02/01195393.html?p=all [j-cast.com]
> ちなみに、「日本は世界的にみて解雇規制が厳しい」と言われるが、OECD諸国で比べ
> た場合、日本は解雇規制が弱い方から10番目。アメリカより厳しく、欧州より弱い、と
> いう位置づけだ。
OECD加盟国は34か国ですから、日本は、解雇規制がどちらかというと弱い
部類に入るわけで、別の要因を考えた方が良いのではないかと。
個人的には、以下の記事の分析が、わりと正しい気がしています。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20140120/531048/ [nikkeibp.co.jp]
つまり、以下のようなメカニズムではないかと。
多重でもいい (スコア:2)
適正な賃金が支払われるなら
# まぁ一番の問題は何かあったときの責任の所在とかだと思うけど
なんで次数減らせば解決すると思うかなー (スコア:2)
末端まで直接契約を義務付ければ見積書に項目を書けない会社の取り分を「適正化」できる。
内訳が「一式」で隠蔽されてるからおかしくなるんであって、次数そのものが問題なわけじゃない。
Re:なんで次数減らせば解決すると思うかなー (スコア:1)
そのコメント、なんかいろいろおかしくないか?
そのコメントは中抜き分が事務仕事のコストと釣り合っているって前提があるだろ。
元コメでは「(まさにその)中抜き分が釣り合っていないから(まさに)その『定形』を壊すことで実際の付加価値に合わせる」という話をしているんだが?
さらに言えばそのコメントの内容ではこの記事の話とも合わないだろ?
不動産のごとく (スコア:1)
不動産のごとく、紹介料は取られてもいいと思う。
でも毎月手数料を取られるのはたまらない。それも3割も。
程度問題ではあるのだが (スコア:1)
1億円の案件が玄孫請けで数百万になって降りてくる経験をした身としては
どう考えても市場原理が適切に機能しているとは思えない。
流石に情報の非対称性が行き過ぎているんじゃないだろうか。
取り締まりを厳しくするだけでは限度があるかと。
実感としては、発注側の担当者がシステムに対する理解をもう少し高めてくれさえすれば
9次請けなんていうめちゃくちゃな状況は概ね回避できると思っているので
「発注者のためのIT入門」みたいな書籍や発注者のための資格を普及させてほしい。
Re:程度問題ではあるのだが (スコア:1)
旧シスアドってそういう位置付けの資格では?
Re:程度問題ではあるのだが (スコア:1)
初級シスアドがITパスポートへ変更になったのは、そのあたりも関係してるのかもしれませんね。
Re:程度問題ではあるのだが (スコア:1)
安月給で精神病むまで働き続ける社畜がいるんだから、
そんな美味しい商売やめられるわけがない。
Re:程度問題ではあるのだが (スコア:2)
ってわけにはいかないけど
おかしいから
ほうりつがあるんでしょ?
現状は法律はかいくぐるもの的な運用で問題になってるんでないの?
Re:程度問題ではあるのだが (スコア:3)
なにもおかしくはない。 (スコア:1)
> ただ、その人材に適切な対価が与えられば良いのだが、
> 現在の多重下請けシステムは結局「適切な人材を安く
> 集める」というだけのシステムになっているのではと
> 思ってしまう。
「適切な人材」の条件に、「安く済む」「いつでも解雇できる」
があるんだから、ちゃんと機能しているんじゃないかな。
「多少高くついても長くいてくれる」が希望の条件だとしたら、
紹介予定派遣とか使うよね。
Re:なにもおかしくはない。 (スコア:1)
まったくもってその通りですね
むしろ「安く済む」が第一条件なので多重受けって仕組みが残っていると思っています
でなければ1次受けの大手SIerがその程度の人集めの仕組みはとっくに作っていますって
何が「適切な人材を見つけるため」だか
思わず笑ってしまいましたよ
Re:なにもおかしくはない。 (スコア:3, すばらしい洞察)
むしろ「安く済む」が第一条件なので多重受けって仕組みが残っていると思っています
でなければ1次受けの大手SIerがその程度の人集めの仕組みはとっくに作っていますって
もし本当に「安く済む」が第一条件なのであれば、委託者が末端受託業者と直接契約するのでは?
受託者がITに暗い場合は、一次受託業者が末端受託業者と直接契約するのが次善策で、多重と言っても二重までで終わるはず。
Re:なにもおかしくはない。 (スコア:1)
たとえば、100万円で働いてくれる技術者を手配するために、発注元は1000万支払っているわけですよ?
安く済む人材を手に入れるためにその何倍もの無駄金を使ってるんだから馬鹿ですね。
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re:なにもおかしくはない。 (スコア:1)
メッシの年俸は約35億円とか。メッシ一人の仕事を350人で分担したとしても、一人当たり年俸一千万円の計算ですが…
# つーか、サッカーの枕、不要じゃね?
Re:なにもおかしくはない。 (スコア:1)
># つーか、サッカーの枕、不要じゃね?
サッカーに枕営業があるのかと・・・
ギルドといいますか (スコア:1)
日本ではあまり根付いてないですが、職能による組合活動をもっと盛んにしていかないといけないかもですね。
末端まで支払われるべきお金が支払われるなら (スコア:0)
別にいいんじゃないの?現実には途中で7割とか抜かれて、末端の開発者には本来支払われるべき金額の3割しか届かないみたいな状況になってるから大問題なわけで。
指揮系統とかの問題は残るけど、それさえ止めてくれれば、多重下請けだろうがなんだろうが文句言う人はほとんどいないでしょ。
適切な人材を集めるのが目的なら、別に途中でお金抜かなくたってなんの問題もないでしょ?
え、人を紹介するだけで何もしないでお金は抜きたい?悪に決まってんだろJK。
Re:末端まで支払われるべきお金が支払われるなら (スコア:1)
別ストーリーでやってるけど。
二重下請けの富士通関連会社の部長が預金くすねるとか、中抜き以外にも目が行き届かなかったりで色々弊害多そうっすね。
Re:末端まで支払われるべきお金が支払われるなら (スコア:1)
セキュリティに対する姿勢や管理体制はグループ内で基準作ってやってそうだから、本体が知らん顔してたら酷いよな
所詮末端はとかげの尻尾なんだろうから、痛くも何とも無いんだろうけど
Re: (スコア:0)
そもそも問題視される原因を取り上げて「これが無ければいいでしょ」などと皆が解っていることをわざわざ言って見せて
現行問題視されているものをそのままなぞるだけで何一つ新しい視点ももたらさないこのメソッドってなんなんだろう。
よく見かける気がするけど。
Re: (スコア:0)
いや、単に「どうせ出来ないんだから悪に決まってんだろ(゚Д゚)ゴルァ」と言ってんだから、新しい視点があるわけないと思うんだが・・・。
というか、この問題は新しい視点なんぞ不要で、労働局がちゃんと取り締まってがんがん刑務所送りにすれば済む話だろ。違法行為をしたら罰せられる、という当たり前のことが浸透すれば、必然的に制度だって変わっていくさ。
Re: (スコア:0)
>現行問題視されているものをそのままなぞるだけで
これが物凄い勘違い。
実は問題視されていない、すくなくとも選挙の時だけはw
本当に問題視されているなら今回の都知事選では、
労働関係で弁護士活動をしていた宇都宮が一位のはず。
Re:末端まで支払われるべきお金が支払われるなら (スコア:1)
ブラック企業ガー、阿部停めろーとかって支援者さんたちが朝から駅前でお盛んでした。
その辺は厚労省や国政関係者の専門家にまかせて地道に都政をがんばって欲しい。
#オフトピだ
Re:末端まで支払われるべきお金が支払われるなら (スコア:1)
まあ、誤字を突っ込まれて文意とは関係ない荒れ方を防げるかもしれない。
ダジャレ文字変換で元の名称が分かりにくくなるようなタイプよりはカタカナの方がマシではある。
(ネタ知らないと何の事か分からない文字列を駆使するのが大好きな人って居ますよね)
Re: (スコア:0)
「皮肉」と呼ばれる手法のひとつですが何か?
透明化と中抜き制限があればいいんじゃね? (スコア:0)
賃金が元請けの支払額の一定割合(2/3以上)になるよう制限する。
元請けが払ってる額と中抜き額と抜いた会社の一覧を賃金明細に書く。
これくらいしてくれれば文句はないな。中抜きするクソ会社も淘汰されて減るだろう。
Re:透明化と中抜き制限があればいいんじゃね? (スコア:2)
元請けでも、賃金が単価の2/3以上になんてなりませんよ。
社会保険料とか間接部門費用とか外部流出とか(オフィスの家賃など)あるのです。
Re:透明化と中抜き制限があればいいんじゃね? (スコア:1)
元請けの支払額からさらに間接部門費用とか外部流出とか(オフィスの家賃など)が引かれるの?
それは元請けの受領額から引かれているべきなのでは?
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re:透明化と中抜き制限があればいいんじゃね? (スコア:1)
下請けを使わないとしても、という意味です。
大手SIだと、単価は賃金の倍以上になったりする。
大手への丸投げ (スコア:0)
発注元がリスクを取りたがらない(=多少高くても有名処に一括で丸投げ)のが
一番の要因じゃないかと思う。
Re: (スコア:0)
各社があまり他社の口座を持たないようにしてるのも、要因の一つかな。
Re: (スコア:0)
何かあった時に賠償金が取れる相手でないと拙いのです。
Re:大手への丸投げ (スコア:2)
だったらSIerじゃなくて保険会社と契約すればいいんじゃね。
Re:大手への丸投げ (スコア:1)
だから、分割してリスクを分散しろ、って話なのでは?
…と言っても、現実的には難しいかな。
適切な人材に適切な額で (スコア:0)
発注する側です.
適切な人材に適切な額で発注をしたいのだけど
・ビジネス戦略,社内慣習上,開発すること自体をオープンにできない.なので公募や入札は難しい
・要求に見合う技術,実績がないのに「出来ます」という営業が多くて信頼できない
・競合他社の守秘義務にあたるのか実績を公言できない様子
等の問題でなかなか良い相手が見つかりません.
# 音楽系のアプリケーションソフト開発
# UIデザインからプログラミング,テストまで.
# 多言語環境でのテストができること.
# 興味のあるかたは連絡ください.
## 利用規約違反じゃないよね?
Re:適切な人材に適切な額で (スコア:1)
>・ビジネス戦略,社内慣習上,開発すること自体をオープンにできない.なので公募や入札は難しい
転職エージェントを使えば?
>・要求に見合う技術,実績がないのに「出来ます」という営業が多くて信頼できない
技術者をテストして、直で採用すればおけ。
>・競合他社の守秘義務にあたるのか実績を公言できない様子
これはあるかな。
でも結局は上と同じで、テストして直に採用すればおけ。
何も難しい問題なぞないぞ?
Re: (スコア:0)
(廃業しよ)
Re:適切な人材に適切な額で (スコア:1)
月30万USDももらえるなら、ぜひ私にやらせてください!
Re:適切な人材に適切な額で (スコア:1)
Re:考え方が間違ってる (スコア:2)
それと発注側の努力不足のコンボでしょう。
発注側の原因は技術的な話がわかる人間を雇ってないことで、請負側の原因は営業に技術者&権限を持つ人を連れて行かないことだろうなぁ、と思う事例に度々遭遇します。双方に言えることですが、営業力というのは話がうまいことではなくて、話の理解が早いことと決断がその場でできることだと思いますね~。「持ち帰って検討します!」「(よくわからないので)おまかせします!」ではチャンスを失うよ、ほんと…。
ほえほえ
Re:もしも、法で規制したら (スコア:2)
三次までは分かるけど、四次以降はわけがわからない。
#気合いだ 気合いだ 気合いだー