パスワードを忘れた? アカウント作成
10791963 story
アメリカ合衆国

戦没者遺品のネット売買の是非 73

ストーリー by hylom
売買は冒涜なのか 部門より
Hamo73 曰く、

寄せ書き入り日章旗や千人針など、第二次大戦で出征した日本人兵士の遺品が国内外のネットオークションに出品されていることについて、国や遺族とネットオークションサイトが対立しているという(読売新聞)。

遺族らは「戦没者や帰還を願った家族らの思いを冒涜するもの」として売買禁止を訴えている。2月26日には衆議院予算委員会第五分科会で民主党の三日月大造議員が質問し、田村憲久厚生労働大臣は「遺族感情からすれば許し難いと思う。調査したい」と答弁した(質疑応答のビデオ。7:43:00あたりから)。厚生労働省は運営会社に出品規制を打診したものの、一律に規制はできないと断られたという。

国外サイトでは米兵が取得したものが主で、遺族に返却されるよう努めるべきと遺族らは訴える。一方、国内の出品物は遺族の高齢化や世代交代で遺品を持て余し、古物商に渡ったものが多いとみられる。そのため、大事に保管したいという収集家や資料として求める研究者など、引き取り手が見つかりやすくなる面もあると擁護する意見もある。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 補足 (スコア:5, 興味深い)

    by Hamo73 (35938) on 2014年03月27日 20時45分 (#2570374)

    タレコミした者です。

    より詳しい経緯については、1ヶ月ほど前の京都新聞 [archive.org]の記事をお読みください。タレコミには入れておいたのですが、Internet Archiveのものだったので削られてしまったようです。日本の新聞社のWebサイトは記事の保存期間が短くて不便ですね。

    もう一つ述べておくと、国会での議員の質問は、戦没者の遺骨収集事業にもっと力を入れるべきという趣旨の質問に付帯して行われたものです。つまり遺族が特に問題としているのは、遺族自身が手放した遺品ではなく、遺族の手に一度も戻ってきていない遺品です。

    読売新聞の紙版の記事では、「遺品が出品されているのは遺骨が出品されているようなもの」とありました。

    • Re:補足 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2014年03月27日 20時50分 (#2570377)

      > タレコミには入れておいたのですが、Internet Archiveのものだったので削られてしまったようです。

      hyromは本当にろくなことしないな。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      遺骨収集事業が国のお金でやるんなら、
      遺品収集も国の金でやれば済む問題である気もする

      どうやって遺族公認で売却されたものか、そうでないか区別するかと言う問題はあるが
      とりあえず米国で広告でも出して買取活動始めりゃ済む話のような。

  • 古物商です (スコア:4, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2014年03月27日 20時19分 (#2570355)

    古物商です。
    ネットだとだめで、旧来の古物商(骨董屋)ならいいんかいな。

    実際にお客さんから「整理したい」と連絡を受けて宅買いに行くわけですが、「こんなものでも誰かの役に立つんですか?」と、ありがたがられることがほとんどで、冒涜とかそんなふうに言われたことは一度もありません。
    それを今度は買い手に売るわけですが、これまた「直接手に入れることはまずできないので」とありがたがられます。

    いろんな人がいますから、きれいに手放して役に立つところで役立てようとすることに口をはさむのは変です。

    > 田村憲久厚生労働大臣は「遺族感情からすれば許し難いと思う。調査したい」と答弁した。厚生労働省は運営会社に出品規制を打診したものの、一律に規制はできないと断られたという。

    そもそも、こういうところに国が口を出せるという感覚がおかしい。
    これを冒涜と言うんなら、古本屋に本を売るのだって冒涜だろうし、人からもらったプレゼントを質屋に持っていくのだって冒涜で、国が規制するのかって話ですよ。

    • by Anonymous Coward

      売り手と買い手が同意しているなら、第三者が口を挟むことではないと思います。

      たぶん問題なのは、タレコミにある「米兵が取得したもの」でしょうね。
      これも法律上問題はないでしょうから、不愉快とはいえ、仕方ないと思います。

      まあ、政府として「知ったこっちゃねーよ」とは言いづらいのでしょう。

      • by Anonymous Coward

        >たぶん問題なのは、タレコミにある「米兵が取得したもの」でしょうね。
        >これも法律上問題はないでしょうから、不愉快とはいえ、仕方ないと思います。

        いや、戦時中でも拾得物/遺失物横領罪で犯罪ですよ?
        軍属なら、さらに軍紀違反にも問われます。

        なのでどこぞの仏像と同じで、合法に入手したのかを問えば良いのです。

    • by Anonymous Coward

      問題となっているのは、合法とはいえ人を殺して奪った、そうでなくとも、遺体から勝手に引っ剥がしてきたものなのだが

      • 戦国時代の武将XXが討ち死にした時の品とかが博物館に納められていた場合、
        その子孫が「殺されて奪われたものだ、返せ!」 というのも極論当てはまってしまいそう。

        精々、盗品として訴えて返還を求めるくらいのことで 規制はできないのではと。

        #んで、盗品じゃないと言われたら
        #「第二次大戦時の米軍は敵兵からの略奪を認めていたのか!」と返す
        親コメント
        • 事項の考え方や著作権の期限の考え方に近いものがあるのではないでしょうか。
          法律として明確な期限が定められるに至っていなくとも
          時間が経つにつれ薄れる権利意識と強まる共有意識といいますか。

          親コメント
          • by Ryo.F (3896) on 2014年03月28日 11時22分 (#2570661) 日記

            別コメント [srad.jp]にも書きましたが、日本の場合、相続回復請求権の時効は、相続の開始があったときから20年間か、表見相続人が相続権を侵害している事を知った時から5年間です。
            戦国時代の物は、そもそも法の不遡及原則に基づいて法的には請求を認められないでしょうし、今回のケースでは、戦死者のものであれば、時効成立でしょう。

            親コメント
      • 問題となっているのは、合法とはいえ人を殺して奪った、そうでなくとも、遺体から勝手に引っ剥がしてきたものなのだが

        でも敵兵の所有物なんて普通は埋めるか焼くかしちゃうものなので、それを遺体から剥ぎ取って所有することは法的にはともかく、道義的にはそれほど批難されるようなことじゃないと思う。
        「燃やすくらいなら俺が貰ってもいいんじゃね?」
        ってことでつまりリユースですよ。

      • by Anonymous Coward

        そういう行為は、当時のアメリカ軍はじめ、どんな軍隊でも厳罰の対象。
        アメリカ兵が手に入れた経緯も違法なものは表向きはない。

        • Re:古物商です (スコア:5, 参考になる)

          by mkr (7423) on 2014年03月28日 0時26分 (#2570471) 日記

          「日本軍と日本兵 米軍報告書は語る」によれば、
          1945年9月の戦地米兵向け出版物に以下の記事があるそうです。

          サムライ刀、サーベル、ナイフ、日直将校の飾帯、海軍の制服(特別陸戦隊を除く)、生活用品、慰問品、千人針などの非軍事的な個人用品で、特別な捕虜や死体の持ち物とは認められない場合。特に情報価値のない、通常のデザインの鉄帽、拳銃、小銃、騎兵銃、銃剣は、訓練用の割り当てを満たす必要がない限り、記念品として所持してよい。通貨は二〇円まで、日本の軍票は紙幣一〇枚まで各自が所持してよい。日本の旗や標章は提督、将官の個人旗でなければ所持してよい。捕獲した敵の軍旗、軍艦旗、主要な海岸施設の旗を記念品にするのは禁じられている。

          日本軍の銃器や軍服は、部隊訓練用に利用するため収集していたそうです。

          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2014年03月27日 23時07分 (#2570444)

          今はどうなのか知りませんが、当時の米軍では、米兵が戦地で入手した戦利品は、上官の許可があれば持ち帰り可能でした。

          ベルギーの歴史家のMichel De Trezが、第二次世界大戦に従軍した元兵士にインタビューして書いた、"The way we were CPL. FORREST GUTH"という本が手元にあります。この本には、フォレスト・グース元伍長が戦死したドイツ兵から奪って持ち帰った軍服や拳銃の写真と共に、上官が持ち帰りを許可したことを示す証明書も載っています。

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        その理屈は、どこかの国が盗んだものかもしれないから仏像を返せと言うのとどこが違うの?

      • by Anonymous Coward

        でもそれが、戦争に負ける、ということなんだろうなと思う。
        人権という考え方が広まった今ならないだろうけど、当時ならしょうがないかな、とも思う。
        今でこそ侵略=悪みたいな考えだけど、当時は国際法上でも侵略は合法だったとも言われる。
        現代の考えを昔のことに遡って批判・裁くことは出来ない。

        • by hishakuan (32621) on 2014年03月28日 5時14分 (#2570529) 日記

          批判はいいでしょ。
          普遍的絶対的な価値観は存在しないのだからそれを否定すると何も批判できない。
          もちろん現代の考えでしかないことに自覚的であることは必要だと思うけど、
          だからこそ現代の考えで歴史を捉えることに意義があるのだとも思うな。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          殺して引っ剥がしたことは批判していない。戦争中は合法であることを認めているわな。
          問題は、それを「今」売って良いのか?ってこと。

          議論しているのは、過去の行動ではなく、今現在の行動。

          直接の遺族も残っていないような、100年以上前の戦争ならともかく、第2次大戦は兵士の子供がまだ健在なわけで、完全に歴史的物品としてよいとも思えない。

          • by 90 (35300) on 2014年03月28日 13時33分 (#2570761) 日記

            倫理的にはともかく、法的にはまず問題ないでしょう。"よい" "悪い"は人治ですよ。法律じゃない。
            次に起きる戦争で兵士が略奪をすることに対して対策をするというなら構いませんけど。

            今たとえば米国人が日本兵の遺品を持っていることには法的なしがらみはなにもないんですよ。

            親コメント
          • by Ryo.F (3896) on 2014年03月28日 11時29分 (#2570672) 日記

            殺して引っ剥がしたことは批判していない。戦争中は合法であることを認めているわな。
            問題は、それを「今」売って良いのか?ってこと。

            合法でしょう。

            日本の法律で言うと、当時窃盗であっても、時効が成立しています。
            戦死者のものであれば、遺産相続の相続回復請求権の時効も成立しているものと思われます。

            直接の遺族も残っていないような、100年以上前の戦争ならともかく、第2次大戦は兵士の子供がまだ健在なわけで、完全に歴史的物品としてよいとも思えない。

            気持ちは解りますが、今のところ法的にはどうしようもないでしょう。

            親コメント
          • by Anonymous Coward
            そういった、センチメンタリズムというか感傷論というところに踏み込んで法規制を論ずるなら、予算委員会の分科会の中での一大臣のコメントといった形で方針を打ち出すのは危険だと思う。
      • by Anonymous Coward
        そういう、同義的な問題の有無と、元記事で書かれている遺族の心情とはずいぶん違う印象ですが。
        気のせいでしょうか。
  • by Anonymous Coward on 2014年03月27日 21時39分 (#2570406)

    というのが法曹界での主流ですね。

  • by Anonymous Coward on 2014年03月27日 19時25分 (#2570324)

    遺族が売りたがってサイトが出品取り消しとかしてるのかと思った
    出てくるなら遺族が手放してるわけだし、と
    でもそうだよな、対戦相手が手に入れたのもあるわな

    • Re:逆だと思った (スコア:4, 参考になる)

      by nci (34333) on 2014年03月27日 20時38分 (#2570368)

      読売の記事には国外のことなんて全く触れられていないけど・・・
      今増えてるのは遺族が手放すケースらしいよ。

      この前WBSで特集してたけど、いよいよ従軍してた方たちが代替わりし始めて、
      残された家族が軍装品を持て余し売却してるらしい。

      http://www.jimboucho-gunsouten.com/ [jimboucho-gunsouten.com]
      ここの主人とかがインタビューに答えていたけど、
      血痕がある軍服や戦地で作成された位牌なんかも箱単位で送られてきて、
      売れないけど捨てられるよりはってことで引き取ってるって言ってたよ。

      ##正直祖父の千人針とか軍服とか出てきたらどうするのかって問題はあるよな、
      ##一軒家ならまだしもマンション暮らしで保管し続けられるのかと・・・

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      戦地に残されたものを現地の人が拾ってるパターンも多そう。
      そもそも所有権ってどうなってんの?
  • by Anonymous Coward on 2014年03月27日 19時31分 (#2570330)

    持ち主がよければいいんじゃない?

    • 戦地での略奪品はまあクズ野郎だとは思うけど、それでもガチ遺族がオークションに出す場合と同様に持ち主の遺族がごみの日に捨てちゃうよりは、競ってでも欲しくて大事にしてくれる人間や組織の手に渡った方がいいよね。

      # 戦没じゃないけど死んだ爺ちゃんの軍隊時代のあれこれを家の建替の時に婆ちゃんとお袋に捨てられて切れたのでID。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        そもそも相手戦闘員の遺品剥ぐのって違法なの?
        戦地なんだし敵兵から食料とか武器類は奪って当然な気がするけど、
        記念品や現金とかはどういう扱いなんだろう。

        • by tenokida (42811) on 2014年03月27日 22時03分 (#2570419) 日記

          基本は対価なしに持ってくと、窃盗扱いになって違法。
          見合ってないとか、軍票渡して無価値になったとか、敵味方民間人問わず遺体を積み上げて防壁にしたとかはあるけど。
          #マーケットガーデン作戦終盤のアルンヘイムとか

          遺品は所有権者死亡で、相続の対象。
          無登録の動産なんで現物押さえたほうが勝ちではある。
          死ぬ前に放棄していたって主張されたら対抗できないだろうし

          土産かっぱらうのは黙認されてる面はあるけど、モラル乱れる元だし、
          ブービートラップしかけられる可能性もあるからやめさせたくはある。

          親コメント
          • 基本は対価なしに持ってくと、窃盗扱いになって違法。

            今回のケースでは、どの国の法律であっても、時効が成立しているでしょうね。

            遺品は所有権者死亡で、相続の対象。

            日本の場合、相続回復請求権の時効は、相続の開始があったときから20年間か、表見相続人が相続権を侵害している事を知った時から5年間ですから、戦死者のものであれば、これも時効でしょう。
            他国がどうかは知りませんが、おそらく時効が成立しているでしょう。

            親コメント
        • by Anonymous Coward

          当時の米軍では、敵兵、敵軍の食料は利用するように指導されたようです。いかに料理するか研究もしたようです。
          (米はうまいとか、海藻塩漬けはうまくないとか)

  • チケット転売とかといっしょ。
    ネットオークションサイトは元の所有者(興行主)の意向をまったく汲まない。

  • by Anonymous Coward on 2014年03月27日 21時16分 (#2570393)

    アメリカでは、殺害した敵戦士の首や耳などを記念に持ち帰って家に飾る文化があるのだと思う。
    たぶん、もともとはヨーロッパの風習。

    • by Anonymous Coward

      Diabloやるとよく落ちてましたね、耳。

  • by Anonymous Coward on 2014年03月28日 9時14分 (#2570586)

    外地に行った日本兵の遺留品を米兵がネコババしたものも多いでしょうけれど、日本の民間人が住む地域で戦場となったサイパンや沖縄では、米兵が民家から略奪したり、荷物を持って逃げる民間人が落としていったものをネコババしていったものもかなり多いです。

    若い米兵が多かったので、持ち主の気持ちも特に気にしないで略奪して行ったり、記念品として持ち帰ったりしたようですが、年を取ってから次第に罪悪感にとらわれて、持ち主に返却したいと探し出すアメリカ人もいます。

    ただ、サイパンだと、住んでいた日本人たちは全て日本に送還されているので持ち主を探し出すのは不可能に近いでしょう。

    略奪・ネコババされた品物には、旗や写真や着物や陶器、表札や看板、位牌なんてのもあります。

typodupeerror

皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

読み込み中...