地震波をコントロールする「地震クローキング技術」は実現可能? 15
ストーリー by hylom
建物密度の高い日本だと難しそうだが 部門より
建物密度の高い日本だと難しそうだが 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
フランスのMenard工業事務所とマルセイユ大学の研究者チームが、ノイズキャンセラーのように地震波を吸収したり反射したりすることで、揺れを相殺する「地震クローキング技術」の研究を始めているという(MOTHERBOARD、論文PDF、slashdot)。
地震クローキング技術のテストとして、均質な粘土質土壌で深さ5メートル、直径0.32メートルの大きさの穴を1.73メートル間隔でグリッド状に掘り、50Hzの波が伝播する様子を観察した。その結果、グリッドが掘削された場所では波の伝搬強度が大きく低下したという。つまり、地震波が管理可能であることが分かったという。
ただし、この研究は条件が非常に限定されたものだとしている。また問題点として、波のエネルギーをリダイレクトするため、保護された領域以外の場所の地震を悪化させる可能性もあるそうだ。しかし、これは地震波を変更するメタマテリアルを使用するなどの地震クローキング技術が実現可能である兆候であるとしている。
ということは (スコア:2)
A地点で起きた地震を鎮めるためにリダイレクト
その結果B地点で発生したためそれをさらにリダイレクト
するとC地点で発生したのでそれをさらにリダイレクト
そうすると今度はD地点で・・・・・・
(中略)
そしてZ地点ではうまく制御できずにAからYまで合算した地震が起きました
とかいうコミカルな事が起こるんですかね
# もちろんリダイレクトはそういうのじゃないのはわかってるんですけどなんとなくこんなこと起きそうな気がした
Re:ということは (スコア:2)
被害が大きくなった。( 震災の帯 [u-tokyo.ac.jp])
震源や規模がピンポイントで分かってないと、逆に強め合っちゃうので、かなり厳しいでしょうが
放射性廃棄物の地層処分場など、地表と離れた場所で実用化できないかな。
Re:ということは (スコア:1)
そのモデルではまだ考慮されていない(であろうと思う)ためシミュレーション困難な長周期振動地震がどうなるかが心配ですね。
Re: (スコア:0)
長周期どころか50Hzなんて地震波としてはかなり高周波じゃないかな?
メインは数Hzだと思うので実際には10倍とかの規模が必要なんじゃないかな。
Re: (スコア:0)
もしかして、うまく制御できて地震発生地点に返してあげれば、万事解決?
でも、同じ位相で返してしまったら正帰還で共振して、無限に揺れが大きく…地球ヤバイ。
のようなことが頭に浮かびました。
エネルギー保存則がある (スコア:1)
からな
Re:エネルギー保存則がある (スコア:1)
例えば、マグニチュード9.0の東日本大震災クラスの超巨大地震を、一番揺れるところで震度5ぐらいで収まるマグニチュード7ぐらいの地震としてやり過ごしたいなら、揺れる時間をざっと1000倍ぐらいにしてやれば良い。元の揺れが1分だったとして、16.7時間。
・・・震度5が半日以上続きますというのは無茶か。
Re: (スコア:0)
震度7だと即アウトでも、震度5ならとりあえず退路確保・火元を切るくらいはできるし、ずっと続く震度5だとアナウンスがあれば慎重に避難場所まで移動もできるんじゃないかな。なんか震度5弱では驚かなくなってしまった私の感覚がおかしいのかもしれないけど。
#震度5弱に何度もさらされて耐え切ったうちの住宅は、次の大地震で本来の耐震性を本当に発揮できるのだろうか
Re:エネルギー保存則がある (スコア:1)
震度5が半日以上続きます、というとき構造物はどこまで無事でいられるものか。人工物に限らず。
1分2分だと被害軽少家屋は全壊まで至るんじゃないかなとか、ふだんは液状化現象に至らない土地でも井戸ができて石油が湧いたり火山が噴火したり津波が引かなかったりとかいろいろおしまいの日みたいな。
ノイズキャンセル? (スコア:1)
いわゆるオーディオのノイズキャンセルのようなこと(逆位相の波をぶつける)は無理では?(そんなエネルギーどっからもってくる?)と思ったが、そういう話ではないらしい。
↓は別グループの研究のようだが、これを見ると、ゴムと液体を使った免震構造の話らしい。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:NTr3fhEpKUYJ:http... [googleusercontent.com]
Re: (スコア:0)
>免震構造
いや、そうでは無くて(まあ、ある意味では免震構造だけど)
>逆位相の波をぶつける
で合ってる。ただし、アクティブノイズキャンセルではない。
特定の波長領域の波に対し、杭とかで作った構造からの反射波がもとの波とうまく重なることで、特定の位置で波を打ち消せる、という考え方。
発想自体は光に対するフォトニック結晶とか、もっと言ってしまえば固体伝導におけるバンドギャップとかの考えと同じ。
電子の場合は電子波が結晶格子で反射されることで、特定の波数・エネルギーの状態が存在できなくなるんだけど(バンドギャップ)、それと同じ感じ。
(音でも出来る。杭を周期的に並べることで、音が侵入できなくなる。当然ながら反射される量が多くなるんで、場所によっては音量が大きくなる)
単なる振動減衰・遮断 (スコア:0)
まだ日本の半導体産業が日銀による円高で潰されていなかった時代、IC不良原因となる近所の鉄道の振動を遮断する為、線路とIC工場の間に溝・空堀を掘って振動・特に影響の大きな地表波を遮断した話があった。似たような話であろう。
均質な粘土質土壌で深さ5メートル、直径0.32メートルの大きさの穴を1.73メートル間隔でグリッド状に掘り、50Hzの波が伝播する様子を観察した結果、グリッドが掘削された場所では波の伝搬強度が大きく低下したといっても、地盤を脆弱にする様な手法には同意しかねる。
但し、より強く締め堅めた地盤(多分地震波速度は上がると思う)を任意に追加して、地震波の伝達方向を屈折させようとするのは有りかもしれない。
Re: (スコア:0)
× 線路とIC工場の間に溝・空堀を掘って振動・特に影響の大きな地表波を遮断した
○ 線路とIC工場の間に池を作って振動・特に影響の大きな地表波を遮断した
空の溝・堀じゃ役に立たない
当たり前 (スコア:0)
媒質の特性を変化させれば波の伝わり方が変わるのは当たり前
Re: (スコア:0)
定性的にはね。
定量的な結果を出すのは十分意味があります。
ちょっと違うけど、研究室で輪読した環境物理学の本に、断熱材で夏冬または昼夜の温度変化を三角関数に見立てて、位相を反転させて光熱費を軽減させる手法が書かれていたのを思い出しました。