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医療

「社会福祉を使って長生きする」ことは良いことなのか 142

ストーリー by hylom
未来のために死ねるか 部門より
insiderman 曰く、

ダイヤモンドオンラインにて、「長生きすることは、本当に良いことなのか? 親の介護で未来を奪われる若者たち」なる記事が掲載されている。タイトルのとおり、介護のために進学したり自分の望む職に就くことができないという若者が存在する、という話を発端に、医療や社会福祉を駆使し、長生きすることについて疑問を投げかけるものだ。

高齢となり、定期的に通院したり入院するようになった場合、公的な健康保険によってその一部が賄われることになる。高齢者の場合、その病気が今後直る見込みがないという場合もあるが、記事ではその場合に若者や働いている人たちの稼ぎの一部から構成されている公的なお金を使って治療することの意味を考えるべき、とされている。

実際、もし自分がそのような立場になったとしたら、判断は非常に難しいだろう。未来の世代のためにおとなしく身を引くのは潔いが、実際にそういった行動をできるか分からないし、逆に自分の親族がそのような立場になった場合、若者のために身を引いてくれと言うことは難しいだろう。「自分一人の力で生きていくことができなくなったら死ね」というのは極論だろうが、理解はできる。

生きることができる選択肢を与えられる、ということは非常に不幸なことなのかもしれない。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2014年07月10日 17時31分 (#2636837)

    安楽死は太田典礼とかいうアホが優生学や経済性などにも絡んだ流れでぶち上げた事による呪いから解放され、尊厳死としてようやくまともに議論がされるようになってきたところだ。
    歴史的悲劇(例えばヒットラーによるユダヤ人虐殺や、かつての奴隷制など)を踏まえ、その大原則は
    ・生存権が大前提
    ・法規に従う
    ・本人の意思による選択と言う話に絞って議論をする
    ・周囲の圧力や、洗脳、経済的理由から選択されることはあってはならない
    と言う所が大前提で、積極的な死ではなく、延命治療の拒否を表明するという形になっている。

    その面でこの記事は、
    ・若者がかわいそうだと、理由を尊厳死を考える本人から引きはがした上で、さらに著者の考えですらない他の事象に理由をアウトソースして批判している
    ・経済的な面を全面に出して居る
    ・生存権の侵害や、「俺が困っているからお前死ね」と迫るようなケースに対する配慮が全くない
    と言う点で、この竹井善昭が語っている非常に雑な話は、尊厳死の是非に関わる議論において大きなマイナス。
    さらに、竹井善昭による問題的の切り口では、はっきり言って地獄しか生まれない。

    なぜか。
    それはこの件、最終的には
    「介護者が可哀想だから早く死ぬことを推奨すべき」
    「介護が必要になったのは早く死ななかったのが悪い」
    と言う形にしかたどり着かないから。

    まず若者の介護者についてだが、何の権利があって介護者の代弁をしているのか?あれは介護者を支援する制度が、中年以上の介護者を想定していて若者に対するフォローが不十分だという指摘だ。間違っても「介護者がいないのに、生き残る奴がいるのが問題だ」とか、彼らに対して「あなたは若くて介護してて、将来のキャリアに影響があるから介護対象に安楽死を勧めてはどうか」と提案するような話では無い。

    そこにさらに社会的負担…つまり金を削減するためにも考えるべきだと言う話になっていて、お前は神にでもなったつもりなのかとしか言いようがない。どう取捨選択するのか? 社会的には自殺は推奨されるようなものではないが、推奨される自殺と、推奨されない自殺をどう判別するのか?

    介護者の負担が大きいのなら、介護者の負担を軽減する措置を推進するべきだ。
    それを若年介護者にあわせて話すのならば、例えば現在自宅で介護ができる人がいる場合は養護施設の入居が難しい。そこで老老介護でかつ介護者にも病気があるなどの場合には考慮があるが、若者が介護している場合には考慮がされない。また老老介護に対する支援制度は充実しているが、若年介護者に対する支援制度は乏しい。こう言った制度面をまだ改善する余地がある。
    しかし、この竹井善昭が言うように、要介護者は早く死ぬべきだった、介護が必要になり社会的コストが高くなったのは死ななかったのが悪いのだ結論を導き出して福祉を削る方向に行ったら、単に介護者の負担は増える一方ではないか。介護者が介護する相手はほとんどが肉親だ。例えば自分の親がそうなったとして、生きてるのが悪いと福祉を削られ、その通り親に「安楽死しろ」と言える奴、どれぐらいいるのか?

    さらに、竹井善昭の知識不足も目に余る。繊細な議論が必要とされる分野の議論が出来るだけの知識が無い。

    少なくとも、欧米に比べて寿命が長くて寝たきりが多いのだから早く殺せ、と言う雑な思い込みからスタートしているがそれは完全に誤解から来ている。実際には健康寿命も寿命が長い分だけ日本は長い。さらに疾患については地域性があるのだが、それを考慮せずに欧米と単純比較していている。こんなので実態を踏まえたまともな議論はできないだろ。

    少なくとも、長いカタカナ語の肩書きで身分を煙に巻いて自分を大きく見せるハッタリで商売しているクソジジイが、経済ポルノ週刊誌のネタサイトで語るようなレベルの話ではない。

    • 社会保障制度改革推進法 [e-gov.go.jp]

      という法律が2012年8月に作られまして、第1条の目的規定によれば、
      「安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため」
      という、社会保障費をどうにかしようという法律です。

      そして、その社会保障費問題の文脈において、第6条第3号には、
      「医療の在り方については、個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること。」
      とあります。

      つまり、医療費を抑えたいから尊厳死をしやすい環境を作ろう、というのが現在の尊厳死の議論だということですね。

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  • 長生きだけじゃなくて (スコア:4, すばらしい洞察)

    by Ryo.F (3896) on 2014年07月10日 16時52分 (#2636790) 日記

    そこまで極論を展開するなら、長生きだけじゃなくて、他も考慮に入れなきゃねえ。
    身体障碍者になったらどうするか?
    精神疾患で働けなくなったらどうするか?
    先天性の難病で長くは生きられない赤ちゃんをどうすか?
    健康だけど働く気が無いやつをどうするか?
    などなど。

    • 極論を展開しているというのは確かですが

      提示されている例に比べて、人数が多い点、誰もが確実に老いを迎える点で、
      同列に考えられない部分もあると思いますよ
      (提示例の状態になる可能性は誰にでもあるけど確実ではない、老いは確実、老いる前に死ぬ可能性はあるけど)
      身近に大勢の老人がいて、いずれ自分も老人になるってことは、現在や未来にも大きな負担となる得る訳で、、、

      喫緊の問題である老人の処遇を例に福祉を考えるってのも、ある程度合理性があると思います
      (不可能とは思いますが)、老人の福祉問題が解決できるなら、
      提示されている方に対する問題解決は比較的楽になるのではと想像します

      親コメント
      • 身近に大勢の老人がいて、いずれ自分も老人になるってことは、現在や未来にも大きな負担となる得る訳で、、、

        大多数の幸福を追求すること。これ政治の目的。

        多数の老人が十分な医療を受けられず、例示した少数の人達は医療を受けられる、ということになると、それを果たして良い政治と呼べるのか。

        …なんて理屈を捏ねることもできますね。

        親コメント
    • 最近は出生前の検査次第で世に出さなくなっちゃうケースもあるそうですね。

      親コメント
  • 健康寿命 (スコア:2, オフトピック)

    by NOBAX (21937) on 2014年07月10日 17時02分 (#2636799)
    健康寿命が尽きたら、ぽっくり逝くというのが理想でしょうね。

    小噺:
    老人「酒もタバコもやらず、酒も飲まず、女に手を出さなければこうして長生きが出来るんだぞ」
    若者「それで長生きして、何か楽しいことがあるんですか?」
    • by Anonymous Coward on 2014年07月10日 18時08分 (#2636880)

      酒やタバコが原因で、がんや心臓病で死ねるなら、本人も家族もまだ幸せです。
      ヒトらしい死に方ができますから。

      認知症は、肉体は人並みに屈強なまま、大脳機能がヒトからサルに不可逆に劣化していく症状なので、本人も家族もみんな不幸になってしまう。

      動物に戻ってしまった、丈夫な肉体を持つゴリラと、同じ家の中で暮らせるかというと…
      入所施設か安楽死を整備しないと、無理心中はなくならない気が

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2014年07月10日 22時17分 (#2637062)

        > 認知症は、肉体は人並みに屈強なまま、大脳機能がヒトからサルに不可逆に劣化していく症状なので、

        それだけとは限らないよ。俺の親父の場合には、両目失明+認知症からの幻覚幻聴を発症。
        それにより、その時々で年代が逆行する。(20代であったり、30代であったり。。)

        > 本人も家族もみんな不幸になってしまう。

        これは同意。心底疲れたしw

        > 動物に戻ってしまった、丈夫な肉体を持つゴリラと、同じ家の中で暮らせるかというと…

        俺の親父の場合、人工透析(腹膜型)をやっていたので家で1日4回(1回30~60分)拘束され、
        更に暴れるので容易じゃなかったw (昼間は母親+嫁で夜は俺)
        しかも、人工透析だと施設も受け入れてくれないしな。。
        更に、ヘルパーはつかえねぇ~し。。< 医療行為になるので、家族以外は手伝えない。。

        > 入所施設か安楽死を整備しないと、無理心中はなくならない気が

        尊厳死はあってもよいとは思うが、安楽死はなぁ~。
        保険金or遺産目的の詐欺の多発が容易に想像できる。。
        痴呆だけなら、入所施設は結構整備されているし、金もそんなにかからない。
        ただし、ほかの病気を併発していると途端に入所できなくなる。(金があっても)
        そういった医療施設の拡充が必要だと思うね。

        親コメント
  • by marute (13883) on 2014年07月10日 17時04分 (#2636802) 日記

    藤子F不二夫の 定年退食 [wikipedia.org]思い出した。

    でも、ただ思い出しただけで、じゃぁどうすりゃいいのか検討がつかない。

  • by onetime_id (39093) on 2014年07月10日 17時11分 (#2636810) 日記

    30年くらい前からある運動みたいだし、結構長いこといわわれてるテーマだよね。

  • ・人は働くために生きている訳ではない。
    ・仕事できなくなったら即死ねと言われて安心して働けるか?
     (まぁ20台頃はあんまり想像できなかったが、40代で成人病など患うと
     当面取りあえず働けてはいるものの
     いつ倒れるかわからんという恐怖も身近になってくるのであった。)
    ・社会福祉に頼って生きるべきでないとなると失業者も死ぬべきって話になるよね。
    ・自分の親族や友人が何かの事情で働けなくなったとして死ぬべきと思えるか?

    それにそもそもこういうのを世代で切るというのはあんまり賢い分析方法ではない。
    実は貧富の格差は高齢になるほど激しいわけで、
    それは世代問題でなく所得の再配分がうまく行ってないことが
    世代別の分析にも反映してしまっただけのことであって世代が直接の原因ではない。

    #財源が足りない足りないといって増税したり教育福祉の財源を切り詰めていながら、
    #法人税は下げていたり実にちぐはぐな対応など、見るからに再配分に失敗している。

  • この人の言ってることは要するに「ジジババは殺せ!」という話で、ジジババへの差別観念を持ったまま自分がその年になったら自己差別でこうなるという話。若者云々は口実。
    こんなクソ記事を書いた竹井善昭というバカが「ソーシャルビジネス・プランナー」として食っていける社会は、あまりよいものではないと思う。

    それはともかく、わが国の国土設計の大失敗は、高度成長期に若者を都市に誘導したことに始まっていると思う。経済・生活共同体としてあった家族を観念レベルの存在に解体して、社会的機能を大きく削いでしまった。
    それで多摩ニュータウンなんかには「若い人向け」とかでウサギ小屋をたくさん建てて、子どもが成長したら「かつての若い人」はそこにいるまま、「新たな若い人」は同居困難で出て行って、そこにも新たな家族は形成されなかった。
    近年は介護保険で社会化・現金化されたので、いちおうジジババの面倒を見る人はいるけど、かつて大きな家族やその集合体としての地域が現金以外のところで面倒をみていた分がすべて社会の負担に転嫁されるのだから、そりゃ負担は大きいよね。
    しかしそれはわが国のここ六十年の施策としてそうなっているのであって、それが問題だと主張するなら、批判は「長生きする個人」でなく「わが国の政策」に向けられねばならない。

  • 社会保障費は一部は給与から天引きされているとは言うものの、一般財源からの繰り入れも多い。
    そのため、金を出す以上口を出すと言うのが、日本の行政府の立場だ。特定保健指導と言う形で、肥満者を対象に、高血圧や糖尿病があっても薬物投与なしに、食事や運動によって進展を食い止めようとしている。
    しかし、特定保健指導の枠を超え、投薬が不可避になった層には来年度以降、健康保険組合を介して、検査値の目標達成を促す様に、検診結果とレセプト(病院が健保に出す請求書)を突き合わせて、薬の内服を渋っていたり病院に行かない様なら、尻を叩いて通わせることも考えている。データヘルス計画と言うhttp://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/bunka/iryou/dai7/siryou6.pdf [kantei.go.jp]。
    金を出す以上、口を出すというのは判る。「命を護りたい」という甘言に票を投じる有権者がいる以上、立法府は物事の道理ではなく、有権者の有卦を狙った政策を推す。今回のデータヘルス計画については、産業振興という面もある。日本再興戦略:新しい枠組みをつくって健保から外注を出せば新産業育成と言う訳だhttp://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/jisedai_healthcare/ke... [meti.go.jp]。「レセプトデータの活用による医療の効率化」https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_... [mof.go.jp]
    しかし、「弁当と怪我は自分もち」という名言もある。天引きされる社会保障費が可処分所得となれば、現役世代が子育てやその他の家計の余裕に回す事が出来る。社会補償給付を「停めれ」ば、法人税減税の税源としても有用である。
    オバマケアを忌避する米合衆国の茶会の言い草でもあるが、命は自己決定権の最たるものである。「強制された健康」の結果、健康寿命が延びても、支給される年金で愉しめる事は少ない。それを補おうと勤労世代が貯蓄に励めば尚更内需は縮小する。国が福祉医療を内需の柱として金を使わせ産業の柱としようと言うのは、家計を振り向ける先として正しいのだろうか?定年まで働いて、老妻とクルーズというより、20歳代に10歳代のパートナーとクルーズの方が愉しかろう。
    「弁当と怪我は自分もち」で「強制された健康」ではなく、太く短く活きるほうが、個人も経済も「健全」だ。
  •  なぜ、介護の自動化を考えない。
    半導体工場のように、無人搬送車で老人が運ばれ、用をたされ、洗浄されるようにするべきだろう。

    • 世の中金かお金なのよね
      親コメント
    • こう、無人倉庫みたいなカプセルホテルみたいなのに縦横に老人を詰め込んで、ベッドごとピッカーで老人を引きずり出して排泄物やら何やらを洗浄すると同時にきれいなベッドに移し替えてまた元の格納場所に戻すとかね。勿論栄養供給は本人が食事可能か否かに関わらず胃ろうを強制と。まあオレが前からTwitterとかで時折書いてるやつだな。

      ヒトの生活の自動化といえばやっぱり前から主張してるんだが少子化対策としての出産育児の集約化な。
      出産可能な全ての女性を国立の出産育児施設に収容し、人工授精で可能な限り連続して妊娠出産させ続ける。まあそういう扱いなんで色々と面倒だから収容した女性はロボトミーを施術するのも良いかも知れない。
      そうして生まれた男児は小さな集団に分けられて専門職により幼時より社会と国家の繁栄を最優先にして考え行動するような教育を施す。彼らは他や過去に比較するものもないので笑うことも泣くこともない。女児はどうせ妊娠可能になったらロボトミーを施術するので教育なんて要らない。そして全ての世代がそうやって生まれ育った人間に入れ替わった時に日本はプラトンの夢想した哲人国家として再生する。

      いいアイディアだと思うんだけどなあ。どっちもリアルで話すとドン引きされるのはなんで?(´・ω・`)
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年07月12日 2時21分 (#2637914)

      いや、介護が不必要なほうがいいだろう。
      体が不自由になったらみんなサイボーグになろうぜ。
      まあいきなりサイボーグは開発できないから、
      とりあえずはサイバーダインのHALを安価にして普及させよう。

      親コメント
  • by Seth (1176) on 2014年07月10日 18時48分 (#2636916) 日記

     老人と言わず色々な人達が個人の自由意思?で
    好きに生きたり死んだりできる本当に豊かな社会?を
    目指しましょう=造りましょう!(走召糸色木亥火暴)
    とかのオチ??

    --
    "castigat ridendo mores" "Saxum volutum non obducitur musco"
  • 寿命が伸びるということは、就労できる年齢も平均的には伸びてきているのだと思います。
    体力的には衰えが出てくるかもしれないけど、今はその分補助ツールも多いわけだし、
    元気なうちは何かしら働く、という世の中になれば、割はあうとおもうのですが。

    もちろん、楽しく働けるような社会づくりは重要だと思いますが。

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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy

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