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ビジネス

バターが品薄に。農水省は最大限供給を大手乳業メーカーと業界団体へ要請 195

ストーリー by hylom
衰退する農業の一側面 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

農林水産省は、大手乳業メーカー4社と乳業団体に対し、生乳不足により品薄が続いているバターについて、最需要期であるクリスマスに向け最大限供給する要請を6年ぶりに行ったそうだ(朝日新聞)。

生乳の品薄や廃棄を予防する調整機能を持つバターは高い関税がかかっているため、不足分は国が輸入しているが、今年度も緊急輸入が行われるほど生乳不足が深刻となっている。

バターの品薄が続き、料理をする方の中には、困っている方もいるだろう。今回の要請は、クリスマスのイベント化の悪しき影響とも言えるのではないだろうか。

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  • もっと根本的な問題 (スコア:5, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2014年12月02日 16時12分 (#2721087)

    今回の要請は、クリスマスのイベント化の悪しき影響とも言えるのではないだろうか。

    もっと根本的な問題としてだ。
    酪農家からすれば、日本では畜産品や農作物は海外と比較してもかなり高いレベルの品質基準を要求されるから、それに応えるべく頑張っている。
    生乳であれば成分の基準値とか、農作物であれば「不揃い野菜」の問題とかね。
    それにも関わらず、というかそういう品質を維持するために価格を設定すると、やれ「自由化されてないから高い」だの「農家の既得権益」だの叩かれる。
    仕方ないから製造量より品質に特化してると、ちょっと足りなくなると今度は「生産量がー」と言われる。

    乳牛を1匹育てるにはだいたい2年半~3年かかる。(性的に成熟してから妊娠させて、出産した時点ではじめて搾乳できるわけで)
    「数ヶ月後のクリスマスでバターの需要があるから乳牛増やすべ」なんてどだい無理な話であって。
    更に気象条件や妊娠の成否、その他の条件によっても生産量は変わるから、調節なんてできるわきゃない。牛だって生き物だから人間の都合だけでどうにかなるってものじゃないってこと。
    (頭数を増やせば若干の均質化は見込めるだろうが、乳牛をだいたい50匹以上飼おうとすると、今度は電気代とかで爆死するので個人経営の酪農家ではまず無理な話)

    ぶっちゃけ「どうしろってんだ」って話。
    何が悪いかといえば「店に行けば農作物や酪農品が安定した価格で置いてある」ことがどれだけ異常なのか理解してない日本人の体質そのものだと思うよ。

    #ちなみに上は全部、農業でも言えること
    #農家の経営に左右されずに生産調整とかガチガチにやりたかったらコルホーズでもやっててくれ

    • by Anonymous Coward on 2014年12月02日 16時35分 (#2721109)

      せやな。
      参考になるまとめとか。
      http://togetter.com/li/752436 [togetter.com]

      仮に3年後でもいいから生産を増やせ、と言っても、今まで生産調整などといって減らす事を求められ丸損と言う事が何回もあったので、生産農家は一年ぐらい供給不足があったからと言って、増やすような決断はなかなかできない。経営に直結するから。

      リンクしたまとめの人は本州の農家のようなので加工乳と生乳は別だといっているが、バターの原料の多くを占める北海道などの大規模農家の場合は区別して生産していない。まずそのまま飲む牛乳になる。そして、余った原乳がバターやチーズに加工される。ここが調整弁になって需要の増減を調整している。だから気候の影響や需要の増減に従ってそのまま飲む牛乳の供給は正常で、バターやチーズが品薄になるのはある意味調整弁が正常に働いた結果でもある。

      チーズやバターの産業規模はそれほど大きくないのに、輸入自由化がされていないのもこの辺りに事情がある。調整弁が無くなると一気に酪農その物が崩壊する可能性が高い。また関税はもちろん、輸入業務を行っている所はそれによって得た利益を国内畜産業の維持に使っていると言う事情もある。
      ここで、良く出てくる議論としては、国内の農畜産・水産漁業などの1位次産業はもう無理だから潰してしまい、外国から輸入するべきだというものがあるが、輸入のスイッチをONにすれば域外から無限に資源がとれるのはシムシティの世界だけで、実際は外国であっても乳牛が搾乳できるようになるには3年かかるため、需要増減は最短3年周期という事は変わらない。いきなり輸入しようとしても売ってくれない。今回ももっと輸入を増やせば需要を満たせるはずだ、と言う声が上がっているが、調達が難しかったのでは無いか。
      これはチーズバターに限らず、他の農畜産物も事情は同じ。作れないなら輸入すればいいじゃ無い、と言うのは現実的な議論では無い。

      親コメント
    • by northern (38088) on 2014年12月02日 22時53分 (#2721345)

      「店に行けば農作物や酪農品が安定した価格で置いてある」

      ってのは先進国なら普通じゃないの?
      ってそもそも日本もそんなに価格安定してなくね?

      親コメント
    • by racco (37699) on 2014年12月03日 12時42分 (#2721617)

      一切の保護政策をやめて、生産調整もやめればいいですね。

      関税っていうのは、最終的に負担しているのは、本来安く買えるものを買わないで高いものを買うことになる消費者。
      消費者に負担させて価格維持しておいて、生産過剰になってもさらに同じ値段で消費者に買えよっていうのはいくら
      なんでも虫が良すぎる。

      保護されてるなら、余ったときに輸出する段取りくらい自分たちでやっとけっていうのが
      筋じゃないか。

      なにも補助されずに、必死で販路を拡大して採算制確保を必死で守ってなんとかやっている業種はいくらでもある。
      ついにあきらめて廃業していく人達もいる。そういう人達も、食品を買うときには、農業事業者を保護する
      ことによる関税分の上乗せを負担させられているわけでしょ。それって、やっぱり不公平だよね。

      親コメント
  • 解決策 (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2014年12月02日 16時22分 (#2721097)

    農林水産省による、クリスマス中止のお知らせ

    これでいいじゃない。

  • by iwakuralain (33086) on 2014年12月02日 16時47分 (#2721118)

    ある意味では卸の値段を適正に上げることの出来るチャンスな気もするが
    まぁ農協とか制度でそうも言ってられないんだろうな。

    # 酪農の資金不足や人手不足がよく報道されててそう簡単なものではないんだろうけど

  • by Anonymous Crow (45505) on 2014年12月02日 16時41分 (#2721114)
    何でも、日本の乳製品業界では牛乳の供給確保が至上課題で
    保存性の良い物は生産優先順位が低いんだそうだ
    (何でも牛乳>チーズ>バター、らしい)

    で、今年の夏は牛さんにちょっと厳しい夏だったので搾乳量が減ったとか。
    結果バターに回す乳が足りなくなって今の状態

    シュフの方は身をもって感じていると思うけど
    スーパーに行っても、「いつも買ってる国産バター」なんぞ欠品続き
    有るのは普段はお目にかかれないような高級バターばっかり
    (発酵バターを探し回ったあの日々はいったいなんだったのか・・・)

    まぁ、お国が口を出すって事は、乳製品業界では現在のバター品薄状態は、「ウェルカム!」って事なのかもしれない
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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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