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著作権

蔓延する「疑似著作権」 162

ストーリー by hylom
オレオレ著作権 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

産経新聞によると、法的根拠は怪しいのにも関わらず、あるかのように扱われている「疑似著作権」が増えているらしい。

「疑似著作権」とは、福井健策弁護士が名付けた言葉で、「著作権ではないが事実上それに近い扱いを受けている」ものだそうだ。たとえば、建物の写真や「ペットの肖像権」「菓子・料理の著作権」などは一般的には法的には守られていないはずなのだが、これらを「著作権」を盾に制限することについて、同氏は苦言を呈している。

そのほかにも、世の中には違和感がある権利を主張している人は多いのだが、きちんと法的根拠を示してほしいものである。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 建物の写真 (スコア:5, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2011年01月11日 17時56分 (#1886320)

    写真には写真の著作権が撮影者に発生します。著作権が制限されるのは建物そのものですよ。つまり建物を撮影するのに建築家の許可は要らない、撮影した写真を利用する場合も撮影者以外に別途建築家の許可を得る必要はないということです。
    > 建物の撮影は、著作権法の第46条で許諾不要が認められている。雑誌への掲載など写真の利用方法も原則自由だ。
    というのは、自分が撮影した写真を利用する場合の話でしょう。

  • by TonboDama (31248) on 2011年01月11日 22時50分 (#1886471)

    > 「疑似著作権」とは、福井健策弁護士が名付けた言葉で、「著作権ではないが事実上それに近い扱いを受けている」ものだそうだ。

    福井さんの2010年にかかれた本で著作権の世紀—変わる「情報の独占制度」 [amazon.co.jp]というのがあり、擬似著作権について書かれています。

    薄くて読みやすい本です。
    擬似著作権以外には、著作権をどのように使いやすく出きるのかという問題提起がされています。
    例えば著作権者を探し出すコストを具体例を交えて書かれています。

  • by akiraani (24305) on 2011年01月11日 19時23分 (#1886378) 日記

     なんでもかんでも著作権で片を付けようとするのは間違いだけど、他に適する形の知財法がある場合だってある。
     例えば、いわゆるキャラクター権のような、他に適切な権利体系がないから裁判沙汰になるときはしかたなく著作権法であらそうなんてケースもあります。
     そこら辺の線引きが限りなく曖昧なのが疑似とか似非な著作権の主張がまかり通っている原因の一つではないかと思います。

     特に書籍の場合はこのあたりの処理がさらに曖昧というか、そもそも著作権法とは似て非なる出版界の慣習で動いてます。オープンなマーケットので電子書籍販売が広がって行くと絶対に大問題になるので、近いうちに商標やら意匠やら他の知財法との統合も視野に入れて実態に合わせた抜本的な改正(というか著作権法の解体)が必要になるんじゃないかと……。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
  • たぶんそこになんらかのお金や経済活動が絡んでるんじゃないすかね。
    それで他人が儲けてしまったり、自称「権利者」様に機会損失があるように思えてしまうからとか。

    #そんな気がした。

    • by Anonymous Coward on 2011年01月11日 23時10分 (#1886483)

      秋葉原を歩いてたら、「ベルサール秋葉原」っていうイベントスペースで催し物やってたですよ。
      人も結構集まってたんで「ベルサールでイベントなう」とかTwitpicにUPしようかと思ったら係員が「撮影禁止」のプラカードを持って注意してきたんです。

      ベルサール秋葉原というのは歩道からそのまま歩いて入れる、ドアのないタイプの催事場で、歩道や車道からは中で何をやってるかは丸見えというとこなんですが、なんでもその係員が言うには催事場の奥でトークライブをやってるアイドルだか芸人だかの撮影を禁止しているとのことでした。

      なんとなく納得しかけたのですが、よく考えたら公道から普通にイベントスペースを撮影しようとしたとき、それを禁止する法的根拠ってあるんでしょうか。

      #なんだかやたら短いスカートを履いた女の子が階段で振り返って「見るんじゃないわよ」と睨まれたような感じです。
      #いやちょっと違うか。違うな。

      ともあれ、撮られたくなかったら壁の中でやればいいじゃん?
      と思うんですが、相談室長の仁鶴師匠、そのへんどうなんでしょうか。

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      • by digl (19182) on 2011年01月12日 9時20分 (#1886608) 日記
        その昔は「有名税」と言う表現がありました。
        良くも悪くもメディアに載るスターとして一挙手一投足が注目され、
        どこへ行ってなにそれしたと話題になったもんです。
        スターとしての自信を持つ本人、また周囲にもスターを作り上げる
        長期的なシステムがあっのかもしれません。
        翻って、現在は今この瞬間しか商売できない程度のゲイノウジンが
        跋扈しております。瞬間最大風速で利益出さないと先がありません。
        「有名税」と言われても困るわけです。
        なので、そっとしてあげてください。ある意味、保護対象動物なのですよ……
        --
        fj.jokes出身:
        親コメント
      • 撮影されることを嫌がってるんだから
        素直に遠慮しましょうよ。

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  • by hishakuan (32621) on 2011年01月11日 17時57分 (#1886322) 日記

    第十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

    第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

    大体はこの二つでまかなえるんじゃないかな。

    • Re:法的根拠 (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2011年01月11日 18時07分 (#1886334)

      >大体はこの二つでまかなえるんじゃないかな。

      「過度の広汎性の故に無効」「憲法の名宛人は国家」等のキーワードでググッてみよう。

      親コメント
    • Re:法的根拠 (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2011年01月11日 22時37分 (#1886469)
      仮にまかなえるとしたら、なんで憲法があるのに、その他の法律があるんだろうとか疑問に感じなかったですか?

      例えば出版表現の自由が保障されているだけなら「他人のパクリの出版、表現」も自由にしてよくなるんですよ。
      親コメント
    • by kyousum (11338) on 2011年01月12日 0時10分 (#1886500) 日記

      確かに、権利を求めるだけなら憲法13条、主張するだけなら憲法21条で十分ですな。

      --
      # For man might be free./人は自由になれるかもしれないから。
      親コメント
  • by digoh (17917) on 2011年01月11日 18時12分 (#1886340) 日記

    「権利」って言葉が、法的な定義と一般的(というか口語的?)な定義とで異なることも遠因なんでしょうね。

    法的に「権利がある」と言う場合、本来条文上で明確に定義されたものだけが「権利」で、それ以外の「やってもかまわないこと」は単に制限・禁止されていないことでしか無い。
    でも一般的には「私には○○する権利がある」と口走る場合、おおむね「私がそれをしても問題ない(≒警察とかに捕まらない)」程度の認識でしょう。
    後者の認識の人が、聞きかじった法律用語を振り回して自分の言葉に権威付けしようとすると、トピックにあるような「擬似○○権」を生み出してしまう。

    「権利がある」=「いくらやってもかまわない」でもないし、「権利がない」=「絶対やっちゃだめ(やったら罰せられる)」でもないんですが、
    なかなか普段から意識して「権利」という言葉を使ってる人は多くない印象があります。

    • Re:「権利」という言葉 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by USH (8040) on 2011年01月11日 20時08分 (#1886403) 日記

      そうですよね。

      この手の論争に不毛感を感じるのは、あたかも、世の中の決まり事がすべて法律で明文化されていると、
      勘違いしている人が多いせいではないでしょうか?

      複数の人間が生きていくために社会を構成している以人間同士の間で決まり事を作って大多数がそれに従わないと、社会が円滑に回りません。法律は、その決まり事のごく一部で、最低限のことを決めているに過ぎない。
      人間同士の間の決まり事には、法律以外に、モラル(道徳)・慣習・約束やローカルルールなど、いろいろある。あくまで決まり事の目的は、社会を円滑にすることであって、白黒つけることではない。
      なのに、すべて明文化して白黒つけることを目的とした法律で議論しようとして、話がこじれるし、ギスギスもする。
      まあ、法律家はそれが飯の種になるからいいんでしょうが、逆に住みにくい世の中になっていくような、、、

      親コメント
      • 日本特有、は言いすぎとしても、
        やはり日本社会に根強く残る「お上意識」がそうさせるんじゃないですかね。

        当人だけで決めるとなにかと面倒だからお上(法律)がはっきり決めてくれ。みたいな。
        ぶっちゃけた話責任の丸投げに他ならないわけですが。

        法の縛りにより不便を強いられることと、自己判断や他者との協議の煩わしさを天秤にかけて、
        前者を選択する人は多いのではないでしょうか、実際問題。

        --
        一人以外は全員敗者
        それでもあきらめるより熱くなれ
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      • by css (41565) on 2011年01月12日 0時33分 (#1886514)

        まぁ、あれだ。言ったもん勝ち。

        ってか、「法律orルールorマナーで、禁止します」と言っておけば、たいがい黙るからええんとちゃう?
        逆らうのがいたら、そこで考えよ..ってな程度のことを言っている人が結構いますよね。

        >あくまで決まり事の目的

        こうしたいと思っていることを決まり事という手段で実現しているわけだからね。
        その「こうしたい」が、白黒つけたい/円滑にしたい/面倒だから手をぬきたい
        のどれかであるかは、別の話じゃないのかな?

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年01月11日 18時51分 (#1886357)

    ウィキペディアの東京ディズニーリゾート/画像掲載 [wikipedia.org]ガイドラインを
    見るだけでも、目が回ります。ディズニー側は自由すぎるのも腹立たしい。

    パーク内では、各種施設やエンターテイメントプログラム等の撮影の際に、ゲストの皆様が撮影の対象になる場合があります。それらは、報道、広告宣伝、プロモーション、販売商品等に使用される場合があります。

    東京ディズニーランド/東京ディズニーシーからのお願い [tokyodisneyresort.co.jp]

    • by nim (10479) on 2011年01月11日 20時36分 (#1886414)

      「敷地内への立ち入りは、許可無き商業撮影をしないという条件のもとに許諾されている」と読めば、
      それほど無法なものには思えませんが。

      そもそも、著作権の問題ではないわけですし、Wikipedia のガイドラインにも明示されているように、
      国道やJR駅などから撮影する分には、なにも問題ありませんよね。

      親コメント
  • 著作権という言葉に、そうとは知らずに知的財産権のすべてを含めて片付ける人とか、
    そもそもツッコミに困るくらい勘違いしてる人もいるけど…
    「この言葉を知ってるとかっこいい(と思える)」領分に含まれてるんじゃないかと思っている。
    何かのきっかけでふと見直すと悶絶してしまう様なアレ。

    今までで最も脱力した覚えがあるのは、ゲームユーザー? のコミュニティで
    例えば「戦国バサラは戦国無双の著作権を侵害してる!」
    みたいな書き込みを見たとき。
    当時書かれた流れから、素材盗用みたいな話ではありません。

    # 実際に見たタイトルのペアはもっとマイナーだったので例ですが

  • 私は法律に詳しくはありませんが、現行法で著作権として認められていないものに
    いかにも著作権があるかのように言う権利は法的には無いのでしょう。

    ちなみにタレコミの論点とは異なりますが、
    法律はその時の国民の道徳観によって決まるものなので
    善い悪いなどの道徳に関する議論では現行法は何の根拠にはなりえないと思います。
    道徳と法律では常に道徳が先なのです。

    現行著作権がインターネット登場以前の情報伝達速度を想定した妥協の産物だとしたら、
    もう一度法律自体を作り直す必要があるのではないでしょうか。
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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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