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著作権

ボーカロイド曲の著作権管理会社、ヤマハの委託により誕生 28

ストーリー by reo
権利管理団体のありがたみ 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

(株) 自主制作コンテンツ出版管理機構 '通称 "VOCALOID MUSIC PUBLISHING") が 6 月 8 日から活動を開始した (ITmedia ニュースの記事より) 。

VOCALOID 開発者の剣持秀紀氏は設立に際し、「VOCALOID のクリエイターの作品は、商用での利用がなされているのに適切な対価が享受できなかったり、応諾業務の煩雑さに翻弄されたり、難解な契約書と闘わなくてはいけなかったりと苦労が多いと伺っています。私が、この機構に期待しているのは、クリエイターをそんな苦労から解放すること」と語っている ((株) 自主制作コンテンツ出版管理機構の出発によせてより)。

著作権管理については「クリエイター自身による自己管理」「(株) 自主制作コンテンツ出版管理機構での管理」「JASRAC 管理 (部分信託)」と段階的な管理形態をサポート、コンテンツ毎のフレキシブルな対応が可能としている。また音楽以外のコンテンツ管理についても整備していくとしている。

Twitter 上では「これは良い動きかも ?!」「選択肢が増えたのは良いこと」「こういうのマジでやめた方が良いと思う」「なんか問題になりそうな…… JASRAC も絡んでいるしねぇ」など賛否両論あるようですが、はたして風はどちらの方向に吹くのか。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  •  収益事業としてはもちろんレコード出版なんかが柱になるんでしょうけど、組織としての存在意義はむしろクリエイターの互助会と、それを通してのVOCALOID文化の振興なんじゃないかと思います。

    クリエイターの方へ [ugc-pub.com]を見ると

    会員登録(無料)の上「ボカロイド互助会」の資格を得て頂き、意見交換、情報共有の場を設けます。複雑な音楽ビジネスの権利関係を一緒に研究(講習会)したり、コンテンツ制作環境の有用情報や同人イベント情報などを共有します。

     というのが第一に挙がっています。
     これまではクリプトン・フューチャーメディアが運営するピアプロがそれに近いことをやっていたわけですが、VOCALOID3になるといろんな会社から音声ライブラリが発売されるようなので、サードパーティーの一つであるクリプトン・フューチャーメディアが母体だと(特にお金の絡む)活動範囲などでいろいろ不都合が出てくる可能性があります。
     ピアプロの思想自体はヤマハのVOCALOIDチームでも賛同する部分があったでしょうし、ややこしい話になりがちな権利回りの話はこちらで引き受けましょう、という意図があるのではないかと。

     JASRACまわりの話も実は昨年末に大きな動きがありまして、一部の有名VOCALOID楽曲作者がJASRACに部分信託するという動きが出始めています。
    (参考記事:「作家が主役」の時代――JASRAC・部分信託で何が変わる? [ascii.jp])
     初音ミクがブレイクしてVOCALOIDブームというものが始まってから3年、動画共有サイトという限られたコミュニティから抜け出して、さらにマスに浸透していくのか、ニッチなジャンルとして安定してしまうのか、過渡期に来ているんじゃないかと思います。そこで重要になってくるのが「お金の絡んだフィールドにどうやって広げていくか」という問題です。
     その部分を何とかしようと考えてこういう組織を作るに至ったのではないかと推測しています。

     ちなみに、お金の話をするのであれば、ヤマハにとって見れば収益元は音声ライブラリを出しているサードパーティーからの音声合成エンジンの利用ロイヤリティなわけで、文化としてVOCALOID楽曲を盛り上げてユーザーの活動を活発化することで、回りまわってロイヤリティ収益の増加につながる、ということを期待しているんじゃないですかね。
     もちろん、レコード出版業やらイベント運営やらでも収益は期待してはいるでしょうけど、それでエンドユーザーにそっぽ向かれてしまっては元も子もないわけで、楽曲の権利で金を搾り取ろうと考えているわけではないと思いますよ。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
  • ちょっと茶髪すぎて胡散臭いと思ってしまった・・・
    (人を外見で判断しちゃいけないんだけど・・・)

    #でも収益化の道筋をつけてくれるのはいいことかな。でも管理団体が乱立(ってほどでもないけど)するといいことないような気もする。

  • by Anonymous Coward on 2011年06月10日 12時47分 (#1968101)

    内容見るに単なる代書屋の様な気がする。
    ま、実際営業的に考えるとJASRACを通すのがちゃんと利益化するのには一番良いのは解らんでもない。
    他の所は確か細かい権利許諾の分離が出来ないんですよね。

    ただ話だけ聞いているとココ自体が権利管理をやるようにも聞こえていたんだが。
    でもJASRACと一緒ならJASRAC登録曲を使うのに問題が減る?
    ニコ動なんかで流せるJASRAC登録曲をボーカロイドカバーしたのを他に出せる?

    • by Anonymous Coward

      ま、実際営業的に考えるとJASRACを通すのがちゃんと利益化するのには一番良いのは解らんでもない。
      他の所は確か細かい権利許諾の分離が出来ないんですよね。

      最近はそうでもないよ。
      ネットでの利用制限は論外――音楽出版3社に聞いた著作権管理の行方
      http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110304/1034733/ [nikkeibp.co.jp]

    • by Anonymous Coward

      細かく調べたわけではないので、
      詳細な所まではわからないけど、
      本質として今までは、

      1.JASRACに登録で料金発生?
      2.自分で使うのに料金発生
      3.利用料が取られているにもかかわらず、お金を払わないJASRAC

      ただし、団体に所属などの場合は、団体を通じて支払が行われるらしいので、
      今回のこの管理会社を通じてJASRACなどに登録することによって、
      今まで利用料がもらえるはずの人にもお金が行くようになるのではないかと思われます。

      そういった、製作者への負担のみ強いるJASRACのやり方から
      ボカロ作者を救うと言った意図などがあるのではないでしょうか?

      • by nemui4 (20313) on 2011年06月10日 13時23分 (#1968127) 日記

        JASRAC様が時流に合う仕組みを作れていないってことすかね。

        そんなもん(ボカロ曲クリエイター)は知ったこっちゃないとか言われてこの会社ができたのかも。

        親コメント
        • by oguma (17986) on 2011年06月10日 13時47分 (#1968146)

           JASRACへの信託でよく問題になるのは、

          1. 「信託」であり、許諾権がJASRACに完全に移る(「委任」はできない)
          2. 信託範囲(支分権)の設定が一括指定しかできない(個々の曲で範囲を変えられない)
          3. 全ての楽曲を信託しなければならない(この曲は自分で管理、などはできない)

          という運用の柔軟性のなさです。
           この硬直した制度が問題を起こしている事例が散見されます。(「自分の曲を使うのにJASRACに金を払うのか」と問題になることもあります)
           そこで、JASRAC以外の著作権管理団体は、JASRACにはない、柔軟な管理を売りにしています。また、こういった会社が間に立つことによって、JASRACの枠組みの中で柔軟な運用を実現できます。
           たしかにJASRACが時流に合わせたきめ細かいサービスを展開すれば良いのでしょうが、それを求めるのは真夏に雪を求めるようなものでしょうし。

          --
          Nullius addictus iurare in verba magistri
          親コメント
          • by nemui4 (20313) on 2011年06月10日 14時13分 (#1968167) 日記

            なるほど、JASRAC様の元で柔軟な対応が出来る用にその他の著作権管理団体様がいらっしゃるということなんですね。
            配分とかさらに細かくなっていきそうで色々大変でしょうね。

            ガシっと管理したり絞めてるところは、ほいほい対応を変えるべきでも無いもんだし。

            --
            そういやキリマンジャロの雪も消えつつあるようで。
            ガンダムも大変だ(Zだっけ)

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            今まではJASRACだけしか部分信託が出来なかった。
            しかし部分信託するには音楽出版が挟まる必要がある。
            だから、YAMAHAがJASRACを前提としたVOCALOID関連を扱う音楽出版(実質は代書屋みたいなものだけど)を作ろうって事ですね。

      • by Anonymous Coward

        >細かく調べたわけではないので、
        >詳細な所まではわからないけど、
        わかっていないならググるくらいしたら?
        http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110217/1034531/ [nikkeibp.co.jp]

  • by Anonymous Coward on 2011年06月10日 12時40分 (#1968094)
    T/O
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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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