>レントゲンの親戚みたいな感じなのか?
そんな感じです.
見える物が違うので,X線(やガンマ線)と相補的に使えます.
X線は軽元素を良く透過しますが,重元素では電子によって散乱され中まで浸透しません.そのため生物などの軽元素主体のものを透過して,内部の密度の高い物だとか金属を検出するといった用途や,金属の亀裂を発見する(亀裂の部分だけ透過してくる)といった用途に向いています.
一方の中性子は原子核と直接相互作用して散乱されます.どのぐらい散乱されるかは原子種に対して非常に複雑な挙動をするのですが,X線が重原子ほど大きな散乱を受けるのに対し,中性子の場合は軽元素でも重元素でもそれなりに散乱を受けるため,相対的に軽元素が見えやすくなります.
(Li,Bなど一部元素は吸収が特異的に強いが,とりあえず今は置いておきます)
これを利用し,X線では透過してしまってコントラストのつきにくい有機物系材料の透過検査等が行われます.
また中性子は透過性が高く,X線では透過出来ないような厚みの鉛板や他の金属板なども透過出来ます.そのため例えばヘリのローターブレードやジェットエンジンなどのタービンブレードの内部亀裂などの検査,爆薬等が金属容器内に密封されているものの内部検査(X線では透過出来ないし,透過するほど強いX線だと中の有機物の様子がよく見えない),核燃料の透過検査(X線やガンマ線では,燃料自体の発するガンマ線のバックグラウンドが強すぎて見えない)などに使われます.
有名な実験としては,作動しているエンジン(確か自動車用)を中性子テレビ法でそのまま映像化し,内部でのピストンの動きやオイルの様子まで含めて画像化した物などがあります.
(Neutron radiographyとEngineなどをキーワードに画像検索すると,似たようなものが引っ掛かるはずです)
こういった画像化法とは別に,元素分析などでも用いられます.微量元素の検出に際し,サンプルに中性子を当てて内部の元素を放射化,出てくる放射線のエネルギーを分析することで含まれる元素を検出したりします.
中性子で放射化しやすい元素の検出の場合は,かなり微量な不純物として入っていても検出出来るそうです(さすがにこれはやったことがない).