韓国では、ソニーがPS3発売を見送るほどゲームは違法コピーで楽しむという行為が標準として定着していて深刻のようです。

「ニンテンドーＤＳ」、韓国で違法コピー横行（2009年3月31日03時14分 読売新聞）

　韓国で、任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーＤＳ」のソフトの違法コピーが横行している。
　韓国では、本体機器は２００７年から２年間で２００万台を売り上げ、李明博(イミョンバク)大統領が「任天堂のようなモノを作れないか」とハッパを掛けたほどのヒット商品。任天堂は当局に対策強化を求めているが、十分な効果は上がっていない。
　（中略）
　高麗大の李大煕(イデヒ)教授（インターネット法）は、知的財産権への消費者の理解が不十分な点を指摘し、違法な複製を放置すれば正規ソフトの利益が減り、韓国企業のソフト開発も妨げることになると警告している。

「韓国でも任天堂のようにゲーム機を開発できないのか」（2009/02/05 10:21:15　朝鮮日報）

　李大統領はさらに、「韓国はオンラインゲームを得意としているが、ソフトウエアとハードウエアが共に開発されるクリエーティブな製品について、ソニーや任天堂が先んじているのは事実だ。大勢の韓国の小学生が任天堂のゲーム機を持っているが、こういったものを開発できないのか」と述べた。

かつてXGP(本家GameParkHoldings)やGP32(分家GamePark)というのが存在していました。後者は廃業したようです。現在、前者はオープンハードウェアGP2X（日本代理店Redstar）を経てwiz（日本代理店Redstar）を売っています。
GP2Xの派生がOpenPandora(Engadget)として活動されているようです。
スラッシュドットではハック対象としてLinuxベースのポータブルマシンはむしろ魅力がありますが、李明博大統領が期待しているのは出来合いのOSを載せて誰でも何処でも作ろうと思えば作れるハードとは一線を画したものでしょう。
つまり、互換性など犠牲にして選択の幅が狭いにも関わらず、完成度が高くブランド力があるために価格競争になる事は無い、技術的にも法律的にも真似が出来ない安定した成長が望める独占的プロダクトを作ろうよということを言いたいのでしょう。
既存の規格を利用するのでなく、規格を生み出して差別化しなさいというのは至極真っ当な戦略上の指摘に思います。

韓国を「漁場」としか見ていない任天堂（2009/03/03 11:44:06　朝鮮日報）

　任天堂は製品を売ることだけに汲々（きゅうきゅう）とし、韓国市場をターゲットにした活動はほとんどせず、それでいて突然米国政府に訴えたのです。 USTRは毎年4月、通商法の「スペシャル301条」に基づいて『外国貿易障壁報告書』を作成し、各国の知的財産権の保護の状況について発表しています。任天堂の今回の報告が、今年の報告書に影響を与えるのは確実でしょう。

いかなる理由があれ、違法コピーの実態を指摘されても恥ずかしさより不満が先にくるようでは、どんなに良いハードを国内から生みだそうとしても無駄な努力になるのは目に見えるでしょう。
実際、すでに韓国国内のソフトメーカーは、コピー即損失になる上に任天堂と真っ向からぶつかる汎用性の無い市場よりサービスで稼ぐPCオンラインゲームに流れるほうが主流になっています。
これでは韓国国内で開発の支援が得られないため、国際市場で勝負するしかなくパソコンと同様コンパチ機を出されコモディティ化しやすい反面、参入障壁の低いGP2Xが最も合理的です。

そんな事を考えていて、ふと思い出したのが最近読んだ本に載っていた朴正煕大統領とタミヤの逸話です。
丁度、３０年前に暗殺された韓国の大統領も国内の組立工場化を憂慮していたというのは面白い共通点です。
逆にいえば、その頃から何も進歩していないか悪化しているという実態が浮き彫りになってくるようです。

韓国朴大統領とタミヤ秘話

　アジアの国々には、児童科学博物館に類する博物館がいくつかある。予算と知恵と情熱に違いはあるものの、それぞれ国の特色を存分に発揮している博物館だ。
　さて、そのなかでどこの国が一番素晴らしい規模と内容であるか、と問われれば、
「三十数年前に韓国で建てられた韓国子供の会館だ」
　と私は急いで答えるだろう。
　韓国子供の会館は、一九七〇（昭和四十五）年七月に朴正煕大統領の命でつくられた。首都ソウルの中心にあったゴルフクラブ、ソウルカントリークラブの広大な土地を、全市民、とくに子供たちのために役立てようと、立派な公園にし、敷地内にさまざまな公共施設をもうけたのである。とくに子供たちの科学教育を目的とする会館は、朴大統領がもっともこだわった施設のようだ。
　建物内部のデザインは、ワシントンＤＣにある近代技術博物館とシカゴにある科学産業博物館を参考にデザインされており、たっぷりあるスペースを十分に使ったモダンなものであった。
　七七年ごろにはじめてこの博物館を訪れた時には仰天した。
　当時、韓国では自国産業の保護のため、日本の玩具模型は輸入禁止となっていた。にもかかわらず、何故かこの近代的な子供の会館に、広さ三〇平方メートルくらいのタミヤ製品だけの展示販売コーナーがあったのだ。案内してくれた安三炫氏に思わず声をひそめてこう質問する。
「どうして、この公共の場所で堂々とタミヤのプラモデルを販売できるのだろうか」
　輸入元となった安三炫氏は、こう答えた。
「朴大統領が、子供のために、科学模型教材としてタミヤ製品のみをこの子供の会館に導入することを許可したのです」
　もちろん当時、すでに韓国にもプラモデルメーカーが存在していたが、製品内容のほとんどが日本のメーカーのコピーであった。当然、彼らは日本のプラモデルの輸入販売に対して大反対だった。
　その反対をものともせず、朴大統領は
「タミヤくらいの品質のものを自国のプラモデルメーカーが製造できるようになったら、輸入を中止しても良いが、文句をいう前に研鑚努力しなさい」
　とはね除けたという。自国産業の目先の利益より、子供たちに本物に触れさせるという将来的な国益を優先した、とでもいおうか。どういう政治的からくりでタミヤだけが輸入を許されたのかは知るよしもないが、タミヤ・コーナーには、人気絶頂だった１／３５ミリタリーミニチュアシリーズをはじめ、１／４８戦車シリーズ、１／５０日本傑作機シリーズ、１／１００ミニジェット機シリーズ、１／４８傑作機シリーズなどが日本の模型店と同じ品ぞろえで並んでいた。残念ながら、当時の写真はない。撮影禁止だったのだ。
　この館の理事長は朴大統領のお嬢さんであり、その側近は陸軍の士官学校を出た元軍人で固められていた。年に一度、ご挨拶を兼ねて訪問するたびに、側近たちと会食をするようになった。共通語は日本語である。日本語教育を受けた世代なのだ。何度目の会食の時だったか、側近の一人が漢詩を日本語で口ずさんだ。

　　爾霊山の嶮　豈攀ぢ難からむや
　　男子の功名　克艱を期す
　　鉄血山を覆い　山形改まる
　　万人ひとしく仰ぎ見る　爾霊山

　日露戦争の英雄・乃木大将の作った「爾霊山乃詩」だ。驚いた。
　その夜、大変お世話になった御礼にと、二次会へお誘いすると、かたく辞退し同席することはしなかった。市中での日本人との飲食は禁じられていたのだろうか。
　韓国との窓口になってくれた安三炫氏は、当時は民間人であったが、朝鮮戦争の折には、軍人であり朴大統領の部下のひとりだった。
　タミヤと子供の会館との貿易は長続きしなかった。というのは、ご存知のように、一九七九年十月二十六日、韓国軍部のクーデターによって、朴大統領が暗殺されてしまったからである。
　事件直後、安氏の奥様から一通の手紙が届いた。便箋一枚に、達筆とはいえない漢字や平仮名で要点のみが書いてある。
―――輸入禁止の日本のプラスチックモデルを輸入したという罪で、夫が投獄されている。いま、田宮さんがソウルを訪問された場合、あなたも同じような目にあうので、しばらく韓国訪問は控えて下さい。
　ここに正確な文面を記すことはできない。手紙は読み終えるとすぐに処分してしまったからだ。万が一、手紙が検閲を受けてこの文面が当局に知れたら、奥方も間違いなく投獄されることになる。そんな必死さが伝わってくる文面であった。
　不安のうちにどうすることもできず、安氏との連絡は途絶えたままだった。が、一年後、彼はふらっと私の会社に姿を現した。事前の連絡はまったくなかった。
　約半年間の獄中生活の後、釈放されたという。そして彼の口から出た言葉は、
「まだ、タミヤの模型の輸入を諦めたわけではない。だから日本にやってきた」
　安氏によると、日本の玩具は輸入禁止という状況下にあり、余計に日本製の模型をほしがるプラモデルファンが多く、少しくらい高い値でも需要があるのだ、という。
　安氏が知恵を巡らせて考え出した作戦は、日本にある米軍基地のＰＸ（基地内売店）から、韓国の三十八度線に面する米軍基地のキャンプ・ケーシーのＰＸへ輸出されたタミヤのキットを、米軍の兵隊から買い取ることによって商売しようというものである。プラモデルの輸入という仕事をそう簡単にギブアップしてたまるか、という安氏の情熱、というより執念に、私は内心驚いた。
　こんなアブノーマルな輸入がつづくうちに、アメリカ側の貿易不均衡の要求に韓国政府が玩具類の輸入を許可するようになり、日本からの輸入が可能になった。しかしながら二〇パーセントという高い関税のもとにという条件であった。この関税率も一年ごとにパーセンテージが下がり、いまではごく普通の関税率（完成品と塗料八パーセント、キットと部品・無税）となっている。
　投獄にもめげずにタミヤを愛し、韓国のタミヤ代理店の基礎を築いた安氏は、一九九六年に六十九歳（満年齢）でこの世を去った。いまでは現代（ヒュンダイ）に勤めていた娘婿の金賢根氏が後を継いでソウルの目抜き通りにタミヤ・コリアを構えている。
　この数年訪れていないが、私が最初に訪れたころの朴政権の時代とは違って、韓国は自動車産業、電子産業が発達し、巨大な産業国家に成長した。そして、模型の市場としても、アジアで一、二を争う大きな市場となっている。

伝説のプラモ屋―田宮模型をつくった人々／田宮俊作（文春文庫 P.212～P.217）

ちなみに、韓国はプラモデルにおいても未だにコピーから脱しきれていないらしい。
アカデミー科学社というのがそれで、最近はOEM契約も結ぶようになってきているようですが。
こういう事を言うと、必ず日本も黎明期やら過渡期やらと言う声があります。
時間の流れは平等なのに、自己研鑚してこなかった結果を正当化しようとしても苦しいだけです。

確かに、製造～販売だけで利益はあげられますが、コアになる商品設計力を無駄コストとして、
どこかに依存してコピーで済まそうという悪しき商習慣はいずれ自分の首がしまります。
最近は日本も経費削減の圧力が高まっていますが、R&Dを軽んじていないかと心配です。

[4/30追記]「日本による韓国支配、公平で温和だった」～石原都知事「朴正煕元大統領から聞いた」

　共同通信と産経新聞が17日報じたところによると、東京都の石原慎太郎知事が「“日本による韓国の植民地支配は公平で温和なものだった”と、朴正煕（パク・チョンヒ）元大統領から聞いた」と発言したのに対し、韓国のメディアが「妄言だ」と報じたという。

　共同通信などは、KBSなど韓国のメディアが報じた「石原知事が再び“妄言”をした」という内容を引用し、冒頭のように報じた。

　石原知事は今月16日夜、2016年の夏季五輪の開催都市決定に向けた、国際五輪委員会（IOC）の評価委員会による現地調査を終えた後の記者会見で、「欧州の植民地支配に比べ、日本の支配は公平で温和なものだった、と朴正煕元大統領から聞いた」と述べた。

　石原知事は今年1月にも、「米国が主導した6カ国協議は、北朝鮮の核問題や経済問題に大きな変化をもたらすことができなかった。米国としても、北朝鮮が中国に吸収されるのが最もたやすい解決方法であり、中国も反対はしないだろう」と発言し、波紋を呼んだ。

この話の元ネタは、月刊正論2003年1月号日本よ、自ら信じ自ら運命を切り開け（作家・東京都知事 石原慎太郎）で新しくない。

その判断（日韓併合）を、ある意味で冷静に評価したのは韓国の大統領だった朴正煕さんだ。私も何度かお目にかかった。あるとき、向こうの閣僚とお酒を飲んでいて、みんな日本語がうまい連中で、日本への不満もあるからいろいろ言い出した。朴さんは雰囲気が険悪になりかけたころ「まあまあ」と座を制して、「しかしあのとき、われわれは自分たちで選択したんだ。日本が侵略したんじゃない。私たちの先祖が選択した。もし清国を選んでいたら、清はすぐ滅びて、もっと大きな混乱が朝鮮半島に起こったろう。もしロシアを選んでいたら、ロシアはそのあと倒れて半島全体が共産主義国家になっていた。そしたら北も南も完全に共産化された半島になっていた。日本を選んだということは、ベストとはいわないけど、仕方なしに選ばざるを得なかったならば、セコンド・ベストとして私は評価もしている」（拍手）。

いや、こんなところで拍手しなくていい。

朴さんが、「石原さん、大事なのは教育だ。このことに限ってみても、日本人は非常に冷静に、本国でやってるのと同じ教育をこの朝鮮でもやった。これは多とすべきだ。私がそのいい例ですよ」と言う。

「私は貧農の息子で、学校に行きたいなと思っても行けなかった。日本人がやってきて義務教育の制度を敷いて子供を学校に送らない親は処罰するといった。日本人にしかられるからというんで学校に行けた。その後、師範学校、軍官学校に進み、そこの日本人教官が、お前よくできるな。日本の市谷の士官学校に推薦するから行けといって入学。首席で卒業し、言葉も完璧でなかったかもしれないが、生徒を代表して答辞を読んだ。私はこのことを非常に多とする。相対的に白人がやった植民地支配に比べて日本は教育ひとつとってみても、かなり公平な、水準の高い政策をやったと思う」

石原氏が持ちネタを繰り返しているだけなのに、新発見したかのように記事にまでするとは「釣られやすい国」だなと思う。
＃以前も同じ問題発言をしたではなく、別の問題発言をしたとしか書いている所から新知識のつもりだと解る