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306727 journal

Ledの日記: 崩壊熱の冷却に必要な水の量 1

日記 by Led

ここを見たところ1日経てば原子炉の出力熱量の0.5%程度まで落ちるようだが、それから先が長い・・・

誰かが新たに編集を加えているらしいWikipedia記事だが、福島第一原発1号炉の電力出力が46.0万キロワット、3号炉の電力出力が78.4万キロワット。またまたWikipediaを参考に原発の効率が20〜30%程度であると仮定すると、熱量で言って

1号炉は最大で46.0万 / 0.2 = 230万 キロワット
3号炉は最大で78.4万 / 0.2 = 392万 キロワット

の熱量を出して運転していたことになる。

1日が経った時点での崩壊熱を見積もると、
1号炉は最大で230万キロワット x 0.5 / 100 = 11500 キロワット
3号炉は最大で392万キロワット x 0.5 / 100 = 19600 キロワット
の熱量であることになる。

この熱を水でどうにか他所へ持っていくことを当分の間(自然に放熱される熱量と平衡するまで)続けなければ最終的に炉心の温度が融点に達してしまうというわけか。

水位が上がらないというのもどんどん蒸発しているのかも知れない。どれくらい蒸発してしまうのか計算してみよう。

注入している水を4℃程度として

1号炉では最大 11500 [kJ/s] / 4.2 [J/(g K)] / 96 [K] = 28.5[kg/s]
3号炉では最大 19600 [kJ/s] / 4.2 [J/(g K)] / 96 [K] = 48.6[kg/s]

の水が蒸発してしまうことになる。緊急用の設備を全部投入すれば達成不可能な数字ではないかもしれない。

ところで、この辺を見ると、大型化学消防車1台の水の供給量は3100[L/min]=51[L/s]であるそうなので、蒸発量だけなら大型化学消防車が各炉に1台あって1気圧でいいならば蒸発量とトントンだという計算になる。

さて、今現地にある給水設備はどの程度の能力なのか・・・それが問題だ。
大型の消防車程度なのかもっと沢山突っ込んでるのか、はたまた現地の給水能力がとても低いのか、高圧で給水しているのか・・・

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蒸発熱の考慮を忘れているとご指摘をいただきました。蒸発熱は水を0℃から100℃に上げるのに必要な熱量の5倍だそうで、これを考慮にいれると実は

1号炉で蒸発する水の量は28.5 / (1+5)= 4.75 [kg/s]
3号炉で蒸発する水の量は48.6 / (1+5)= 8.1 [kg/s]

というわけか。

この議論は、Led (7726)によって テキ禁止として作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
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ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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