風力発電は地球全体の風を弱めてしまうか? 89
IEEE spectrumの記事に、世界中で実施されている風力発電の弊害として、特に北半球で風が弱まっているという話が掲載されている。University of Texas-Austinの研究者Diandong RenによるJournal of Renewable and Sustainable Energyの論文では中国の風力が弱まっていることが報告されている。中国では、過去30年で風速が4~12%減少し、風力による発電量を少なくとも14%ほど押し下げる可能性があるという。また、フランスの気象環境科学研究所(Laboratoire des Sciences du Climat et l'Environnement (LSCE))によるNature Geosciences誌の報告によれば1979年から2008年の間に全ての北半球中緯度の内陸地域で風速が5~15%程遅くなっているという。
こうした研究に対する反論が風力発電産業側からなされている。例えば、1980年台には風の測定方法が十分に標準化されていなかったため、測定施設周辺の都市開発によって信頼性が失われることが指摘されている。風速計は地上10メートル程度の高さに設置されているのに対し、風力発電のプラントは通常数十メートルの高さがあることが懐疑の的にされているようだ。その他、風速が全体的に減少していることを認めるとしても、その原因が風力発電なのかどうかも疑問であるとされている。