「小説の読み方の教科書」を書き、それを伝えていくのがぼくの使命
『もしドラ』作者による、ある指摘への回答エントリー

原作読んでないんだけど(アニメだけをつまみ食い)、やねうらお氏の指摘（書店の店員がドラッカーを薦めた事への違和感）は正しいと思う。
合理的ではない、たまたま起きた偶発的な出会いが起きた後のフィクションを描いたストーリーなのだから
違和感をわざと演出しているんだと思っていた。
しかし作者は、店員はベストを尽くしている、理想的な客対応だと言っている。

では、現実の書店の店員はベストを尽くしていない、ダメ店員ばかりなのだろうか？
野球部に限らず、部活の女子マネージャー達はみなドラッカーを読んで部を強くしているんでしょうか？
ドラッカーを読むのが当たり前ならば『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』
なんてタイトルで本を執筆するでしょうか？

そうじゃなく、偶然に偶然が重なる事が起きたために、女子マネージャーがドラッカーという
異質なものと出会ったからこそ、この小説が生まれ、タイトルが決まったと考えるのが自然だと思ってる。
（実は異質じゃないんだよ、という主張を含んでいるのだが、あまり出会う組み合わせじゃないな）
しかしこれは、大抵の場合、ストーリーを進めるための「ご都合主義」という名の元に許されている事だと思う。
ただし物語を破綻させない上での「らしさ」によって違和感を薄めるのが普通じゃないかな。

「顧客が求めているものは何か」と説くドラッカーの本において、重要な出会いのシーンなのにも関わらず
書店の店員が「客の質問を誤解して、実は求めていない本を勧める」と思われてしまうのは致命的だ。
このシーンは重要なのだから、絶対に疑問や誤解の余地を残してはいけない場面だ。
ただしこれは、ドラッカーの本だからこその違和感で、他の小説では気にもとめない、いささか高度な違和感だ。

例えばだが、店員の脳内における葛藤を描写すれば「らしく」なる。
・たまたま居合わせた書店の店員はドラッカーについて理解していた。
・店員は客の女の子の考えを洞察し「マネージメント」が適切だと考えた
・客の女の子は、たまたま「マネージメント」を読みこなせる素養があった
とかね。

しかしながら、それでも本は読まれ続けている。しかも、Amazonでも売れ続けている。
なぜか？
それは、「表紙とタイトルだけで売れた」「アイデアはいいけど内容がない」「文章が下手」という意見に同調する人が、実はマイノリティでしかないだからだ。
　＜中略＞
そしてまた、ここまで説明してきたことで明らかなように、書店員は、実際にそのことを予感して――つまり「この子はこれを必要としているだろう」と考えて、『マネジメント』を勧めた。

blogで説明せずに作中で表現すれば良いだけだと思う。
売れた本は良いもので、なんら欠点がない、というのは驕りだ。
ブームはもう過ぎ去り、アニメもちょっと残念賞で、そんな状態でも今でも「もしドラ」が売れているのは
ドラッカーという普遍的な思想への入門書として売れているじゃないのかなぁ。
# 適当な妄想なので根拠なし

個人的には、こういう流れで紹介される「小説の読み方の教科書」に俄然興味が湧いてくるのでありますね。

PS.
こういう「違和感」って、プログラマ特有の「統一されていない感」「流れに無理がある箇所の臭い」を嫌う癖かもしれない。
つまり『もし「もしドラ」を俺がデバッグしたら』と考えると腑に落ちる。

ps2.
637 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2011/08/16(火) 21:47:34.93 0
「間違えてマネジメントの本を買った」などと誤読する人がごくわずかいるようだ
だから『小説の読み方の教科書』という本を出版する
という新刊のための炎上マーケティング

640 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2011/08/16(火) 21:50:23.62 0
ああ「間違えて買った」んじゃなくて「店員が主人公の状態を見抜いて薦めた」って言ってるのか
よく分からんな

646 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2011/08/16(火) 22:38:24.51 0
よくわからないから神様ドォルズに例えて説明してくれ

647 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2011/08/16(火) 22:45:46.12 0
不完全燃焼なんじゃね

649 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2011/08/16(火) 22:48:45.90 0
そうなんじゃね　そうなんじゃねって