パスワードを忘れた? アカウント作成
212733 journal

TarZの日記: 映画「アバター」と同じ原理で、捕食者の目から逃れつつ自分を目立たせるコガネムシ 1

日記 by TarZ

 映画「アバター」と同じ原理で自分を目立たせるコガネムシ。なんのこっちゃと思ったら、ステレオ映像用メガネで利用されている円偏光を識別できる能力の話だった。この能力を持つ生物は、知られている限りこのコガネムシが2例目。

Beetles Stand out Using 'Avatar' Tech

 北米に生息する甲虫類(jewel scarabs)の一種 Chrysina gloriosa を円偏光フィルタ越しに見ると、目立つ模様が浮かび上がる(physorg.comの記事、比較写真あり)。このこと自体は昔から知られていたが、ではなぜそんな模様があるのか、何かの役に立っているのかと調べてみると、どうやらこのコガネムシ自身が円偏光を識別する視覚をもっているようだ(つまり、仲間内ではこの模様は見えるらしい)、というのがこの研究。

 直線偏光成分を識別できる生物はそれほど珍しくなく、たとえばミツバチの複眼はその能力があることが知られている。しかし、円偏光まで識別する能力をもつ生物となると非常に限られ、これまではシャコの仲間しか知られていなかった。(The Secret World of Shrimps: Polarisation Vision at Its Best)
 ということで、「円偏光視覚」を持つ生物としては2例目となるこのコガネムシは、その模様との合わせ技で、捕食者に対しては目立たず、仲間内では自己を強調して見せることができているのだそうな。

 人間の目で見える情報なんて、この世界のごく一部なのね…。まあ、人間の視覚では円偏光を識別できないおかげで、電源不要の手軽な立体視メガネが実現できているともいえるわけだけど。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

読み込み中...