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akiraaniの日記: 機動六課についての考察 1

日記 by akiraani

 魔法少女リリカルなのはStrikerSで、はやてが設立した部隊である機動六課だが、いくら勤続10年でSSクラスという強力な魔導師であるとは言え、若干19歳のはやてがほぼ独立指揮権を持つという組織的に考えて普通ならありえない設定になっている。
 訓練風景を見てもわかるが、機動六課は課長であるはやてが新しく立ち上げた部隊で、ベースとなる部隊が存在したわけではない。構成メンバーも極めて特殊で、部隊長、副隊長クラス、ブリッジメインメンバーはほぼすべてはやての個人的知己から集められている。また、直接戦力であるフォワードの残り4人も、うち二名がはやての友人であるフェイトが後見人となっている。いわば身内も同然の集団である。
 ここまで恣意的な人事が、時空管理局ほどの巨大組織で許されるものなのだろうか?

作中で説明された内容によれば

  • 後見人の3人の提督(リンディ、クロノ、レティ)に加え、聖王教会という極めて強力なコネがある
  • 一部隊に高ランクの魔導師が集中すると規約に触れるので、部隊長、副隊長クラス以上は全員リミッターでランクを落としている
  • レリック事件という目の前の事件が発生しており、対処するチームが必要

 という事情があるようだ。しかし、これだけでは組織としての自由度の説明がつかない。

 まずキーとなるのはカートリッジシステムの存在である。機動六課ではフォワード8名のうち実に7名が当たり前のように装備しているが、管理局での主流であるミッドチルダ式とはあまり相性のよくないテクノロジーらしく、制式採用されていないイレギュラーな装備である。A'sでなのはがフレーム強化をするまでエクセリオンモードは使用するなと釘を刺されていたことからもわかるように、使いこなせれば強力であるが、不安定で扱いの難しい装備であるようだ。
 当然、カートリッジシステムに関するノウハウを持った人材もかなり限られていることになる。簡易整備程度ならともかく、フレームの調整から行うことのできる技術者は管理局では事実上シャーリー一人だけではないだろうか? ということは、なのは、フェイト、シグナム、ヴィータの4名のデバイスメンテナンスはシャーリーが一手に引き受けていたと考えてよいだろう。
 そして、この4名は、能力が非常に高いため、ある程度勤続すれば中隊長以上のポストに据える事になる。そうなると、専任の整備スタッフをつける必要が出てくると思われるが、カートリッジシステムの調整など誰もできないわけで、大いに困ることになるわけだ。同様のことはスバル、ティアナ、エリオの三名にも当てはまる。下っ端のうちは自前で整備すればい良いが、部隊に編入するためには専用パーツの支給が必要になるからだ。
 部隊設立名目の中に、このカートリッジシステムの集中運用と言う側面があったことはまず間違いないだろう。

 そして、一番大きな要因はメインメンバーの管理局上の立場に秘密があるのではないかと考えている。
 まず、主要メンバーであるはやて、フェイト、なのはの三人は、時空管理局に所属することになった経緯が特殊であるという事情がある。いずれもジュエルシード事件、闇の書事件の折りに「戦力はいくらあっても足りない状況」であったことから、半ばうやむやのうちにリンディ、レティ両提督が引き入れたアウター組なのである。もちろん、事実上はやての使い魔同然である守護騎士も然り。
 その後、エース・オブ・エースなどという大仰な二つ名をもつことからわかるように、この三名が能力の高さ、特殊性から大きな功績を挙げたことは間違いない。

 ところが、組織上層部からすれば、こういった人材は極めて扱いづらい。信賞必罰の原則に従えば能力に見合ったポストを用意する必要があるが、ミッドチルダのエリートコースとは明らかに違うルートから入ってきた人材であるため、下位局員はともかくエリート士官とは非常に折り合いが悪くなることが予想されるためだ。
 空港火災事件ではやてが組織としての動きの悪さを指摘しているが、組織の風通しの悪さもあるが、アウター組であるはやてと管理局エリート士官との軋轢が初動の遅れの一因なのではないだろうか。
 はやてはもちろん、なのは、フェイトの両名にしても同様である。叩き上げで現場の受けはよいが、組織内のどの派閥にも属さない、管理局上層部から見れば扱いに困る問題児だった可能性が非常に高い。

 他のメンバーも多かれ少なかれ問題児の要素を抱えている。すでに本編中でそれとなくほのめかされているが、ライトニング分隊の二人は何か複雑な事情があり、能力的にもレアで強力ではあるものの使いどころが難しいと評価されていたようだ。スターズ分隊のスバルとティアナも、訓練校時代は装備の特殊性のおかげで孤立していたというような過去を作中で語っている。
 他、ミッドチルダでは一般的ではないはずのカートリッジシステムに精通したメカニックであるシャーリーもかなり使いどころの難しい特殊な位置づけにあると思われる。唯一のエリートコースと思われるのがはやての副官であるグリフィスくらいではなかろうか。

 そう考えてみれば、実は機動六課は問題児ばかりをかき集めた独立愚連隊なのではないか、という側面が見えてくる。さらに言えば、目障りなエース連中にはリミッターをつけることができ、活躍の機会が失われることで昇進の可能性が下がるというもくろみもありそうだ。
 つまり、管理局上層部からはポイントにはなりにくいが対応の難しい難事件を押し付けるための火消し部隊としての運用を期待されているものと思われる。

 とまあ、つらつら考察してみたわけですが、これどんな魔法少女ものですかいったい……。

参考:#もの書き Wiki 魔法少女リリカルなのはStrikerS

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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー

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