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akiraaniの日記: 電子書籍の自炊のすすめ 8

日記 by akiraani

 電子書籍普及のために、ユーザーサイドで何かできることはないかと最近考えることがあります。

 本来なら出版社に対してコンテンツを出して欲しいと要求すべきなんだろうけど、残念ながら私の読みたいものがそもそもマジョリティではないので普及のためという観点からはあまり有望でない。
 というわけで、草の根活動的にやっていきたいのが、いわゆる自炊の普及運動です。

 自炊とは所有している書籍を自分で電子化することです。元は2ch用語らしいですが、業界関係者含めてけっこう認知されているようなので個人的にも使っていきたいと思います。

 さて、というわけで今回は自炊するとどんないいことがあるのかという点についてアピールしていきたいと思います。

1.お金が浮く

 一瞬、え?と思うかもしれません。いろいろあって総合的に評価すると、実は自炊するとお金が浮くんです。重度の読書家なら月あたり万単位の額のお金が浮くんじゃあないでしょうか。
 もちろん、自炊はあくまで自分で購入した書籍を電子化することなので、書籍を買うお金は減りません。じゃあ何が減るのかというと、書棚の維持費です。
 本を置いているスペースがすべてなくなれば部屋数が少なくてすむ、そういうことはないですか? 一部屋少なくなれば、賃貸なら家賃の安い家に引っ越すことができます。地価の高いところなら一部屋違うだけで家賃換算で月あたり数万円は変わってくるはずです。他にも、本棚自体の値段や、引っ越したときの料金など、節目節目でお金の節約になる状況があります。

2.本が劣化しない

 虫が食ってしまった、湿気でページがゆがんでしまった、色あせてしまった……。電子データと違い、紙には経年劣化があります。例えカバーをつけて読まずに保管しっぱなしだったとしても、何年もたてば表紙は色あせていきますし、中のページも変色していきます。
 しかし、電子データにはそのような防げない劣化はありません。データさえきちんと残していれば取り込んだときの状態でずっと保管することができます。

3.本が埋もれない

 本が増えてくると、持っているはずの本がどこにあるかわからないという状況がどんどん増えてきます。ひどいときには、すでに持っているのに埋もれたまま忘れてしまい、新しくAmazonに注文してしまうなんてトホホなことがおきます。
 電子データは検索が大変楽になるので、埋もれてしまうということが起こりません。たとえ無整理のままHDDに放り込んでいたとしても、ファイル名が本のタイトルになっていれば簡単に検索できますし、どこに置いたかわからないなんて事が起きません。

4.本棚ごと持ち歩ける

 SDカード一枚に、どれくらいの書籍が入るか知っていますか? 一般的なコミック単行本をScanSnapなどのドキュメントスキャナでPDF化した場合、取り込み時の品質にもよりますが容量はだいたい1冊あたり20~30MBになります。平均25MBだとすると、32GBのSDHCカードなら約1300冊入ります。
 つまり、あのサイズのカード一枚で、こち亀とあさりちゃんと王家の紋章とゴルゴ13を全巻入れてもまだまだ余裕があるんです。テキストベースならペリーローダンの原書全巻だって入るんです。
 本棚全部が持ち歩けるといっても過言ではないでしょう。あとは使い勝手のよい電子書籍端末があれば、いつでもどこでも我が家の書斎と同じ感覚で本を読むことができるんです。これはすごいことです。

 本好きには大変大きなメリットだと思うんですが、どうでしょう。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2010年06月01日 12時39分 (#1772702)

    どちらも定番のアレです。それで分かったこと。

    1)裁断機は結構大きくて場所をとる
    畳半畳分のスペースは確保しないといけません。

    2)A4までしかスキャンできない
    ときどきあるA4より大きいのはどうしましょう。A3がスキャンできるのはお値段が倍近くします。

    とはいえ普通の本や漫画、年賀状(結構たまってて整理に苦労していました)などがスキャンしてHDDに収まるのは
    気持ちいいです。その後の紙の山を見るとちょっと悲しくなりますけど。

    • A4以上のサイズのものをどうするかですが、その場合は切断してスキャンするしかないと思います。
      B4の場合、真ん中で切断してB5×2に分解して、見るときに適宜つなぎ合わせるわけです。

      A4よりでかいサイズなんて基本的にポスターみたいなものばかりですから、文字を読む必要はない画像データがほとんどですから、後から細工してつなぎ合わせてもさほど不都合はないかと。
      どうせ捨てるんだしばっさり切断してしまってもいいんじゃないかと思います。

      織り込みポスターだけがサイズオーバーするとかなら、ちょっとお金がかかりますがコンビニで縮小カラーコピーしてそれをスキャンするって手もあります。

      --
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      親コメント
    • by Anonymous Coward
      破壊せずにスキャンできればもっと普及するんだろうけれど。どのみち手放すのだとしても心理的な抵抗は無視できるものではない。
    • by Anonymous Coward

      A4より大きいデータは、紙のまま積んであります。

      フラットベッドのスキャナも別に持っているのですが
      「複数回スキャンで結合」がキレイにできない(歪んでる&色が上下左右で変わるorz)んです。

      今、「これって修理して直るの?」ってメーカー問い合わせ中でして
      どうしようもないなら買いなおし?なのかなと。

  • by Anonymous Coward on 2010年06月01日 21時18分 (#1773009)
    (1)その書籍が電子化されることを許可されたものであること
    (2)電子化した後で原本が修復不能レベルで破壊されていることが保証されること
    (3)電子化された書籍が原本の購入者にバインドされること(電子化された書籍を他人に渡さないこと)

    この三つは最低限満たしているべき条件と私は考えます。
    で、(3)は守られることが期待できないので手動での電子化はお勧めできないと考えています。

    本という物品は媒体なので、媒体をどう扱おうと購入者の勝手かもしれませんが、その媒体が保持している情報まで勝手に扱ってよいわけではないはずです。
    • (3)が保証されるなら(1)(2)は私的複製の範囲で問題ないような気もするが。
      (3)は「電子化された書籍および原本が」になるかな。

      親コメント
      • でしょう。書籍データのディジタル化に関しては、私的複製の制限に絡めて司法的に問題になったことは過去ないはずです。

        で、本題に戻ると、コミックなんかは定型判型など問題になることが少なそうなんですけど、文芸書を同じ気分でやっていると、装丁面で複製に困ることが結構あります。例えば内容的にスキャン不可能な泡坂「しあわせの書」みたいな本は別格としても、カバーにトレス紙を掛けて表紙が透けること想定のものとか、もっと特殊な装丁とか。例として、いま手元にあって困っているのが 平出隆「左手日記例言」。機会があったら見てみると何で困っているのか分かるかと思いますが、紙の裏に仄かに透けることを前提にされると実に困ります。

        親コメント
    • その辺はまた別の機会に語ろうかと思ってましたが、まあおおむね同意です。
      1については不要だと思いますが、2と3についてはモラルとして守るべきと考えています。

      現在の著作権法上は、私的利用なら原本が破壊されることを保証する必要もないし、家族とそれに準ずる範囲なら譲渡もOKなはずです。なので、実は1~3全部について、著作権法上は完全には制限されません。
      現在の著作権法は複製についてデジタルかアナログかを区別しませんし、複製元についても所有しているかどうかを問うたりしません。
      このあたりはデジタルコピーがより簡単な音楽ファイルの扱いを見ればわかると思います。たとえば、レンタルCDをデジタルコピーしても、自宅で私的利用の範囲内でやる限り著作権法上は合法なんです。
      その代わり、音楽ファイルには「私的録音録画補償金制度」がありますが。

      書籍に関しては、私的録音録画補償金制度に類する制度もないし、そんな物が必要な環境にもしたくないので、2と3は合法だけどモラルとしてやるべきではないというのが現在のスタンスです。

      利点に複製が容易であることを含めなかったのはそういう理由があったりします。

      --
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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