beroの日記: iOS版VLCはGPL違反ではない
iOS版VLC Media Player、まもなく公開停止に?
これはRemi Denis Courmont氏の勇み足かいちゃもんだと思う
確かに、appleのライセンスは原則として配布や複製を禁じている。
C. APP STOREおよびIBOOKSTORE利用条件
...
ライセンスアプリケーション・エンドユーザ使用許諾契約
...
お客様は、ライセンスアプリケーションを配布したり、同時に複数のデバイスから使用することができるネットワーク上でライセンスアプリケーションを利用可能にしたりすることはできません。お客様は、ライセンスアプリケーションのレンタル、リース、貸与、販売、再配布またはサブライセンスをすることはできません。お客様は、ライセンスアプリケーション、そのアップグレード、またはそれらの一部について、複製(本使用許諾および本利用ルールで明示的に認められている場合を除きます)、逆コンパイル、リバースエンジニアリング、逆アセンブル、ソースコードの解明の試み、改変、または二次的著作物の創作を行うことはできません
しかし直後に
(但し、上記の制約が、適用法令により禁止される場合、または、ライセンスアプリケーションに含まれるオープンソースコンポーネントの使用に関する使用許諾条件により許容される場合にはこの限りではありません)
とあるので、「オープンソースコンポーネントの使用に関する使用許諾条件」、つまりオープンソースライセンスのことだが、例えばGPLが複製その他を許可しているのであれば、配布や複製して問題ないと思う。
ところが、iOSでは(再)配布されたものを実行してもDRMのため動かないらしい。
この点に関してGPL違反と言ってるのかもしれないが、
実はGPLv2ではこれも問題ない。
そもそもGPLv2は
複製や頒布、改変以外の活動はこの契約書ではカバーされない。それらはこの契約書の対象外である。
つまり、複製や頒布、改変さえできれば、それが実行できるかどうかは知ったこっちゃないのである。(これはバグだと思う。)
この問題が表面化したのは2006年にTivoというハードウェアである。
この穴をふさぐために2007年にGPLv3が作られた。
とはいえAppleとしてはGPLを解説する立場でもないしone of themのアプリなんかどーでもいいし、
とりあえず当事者間で話がつくまで公開停止、というのはありうる展開だと思う。
iOS版VLCはGPL違反ではない More ログイン