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178433 journal

cyber205の日記: 1台300円(相当)の(自称)高性能トランシーバーを入手 3

日記 by cyber205

携帯電話が普及してるから、トランシーバーを使う意味ってかなり薄れてるのだけど、
子供用のオモチャに売られてるトランシーバーって、昔は憧れだったよね。

例えば警察ごっこする時にトランシーバーを買えた奴は友達と遊ぶ時に
警察官の役をできるけど、買えなかった奴は犯罪者役しかできなくて逃げるしかないとか。
ま、今の子はNintendoDSの無線LAN機能で鬼ごっこするみたいだけどさ。

で、懐かしくなって買ってしまったりして手元にある(汗
3台入って千円ならお買い得かなと思ったりして。サービスエリアは200mだそうだ。
筐体はモトローラのGSRMモドキというタイプらしい。
電源は006P、積層9V乾電池。PUSH TO CALLボタン付き。ありがちな構成。

大人は携帯電話以外だと、特定小電力トランシーバとかCB機を使ってるんだろうけどね。

で、当然そのまま使っても面白くもなんともないのでカバー開けてみた。
…こりゃ本当に安物トランシーバーの定石的な回路っぽいなぁ。

まず、発振にクリスタル使ってないし、LC発振回路。コア調整して蝋で固定して、
多分ボディエフェクトはひどいはず。おそらく、受信部も超再生方式でしょう。
高感度だけど周囲に妨害電波を撒き散らすタイプのアレですね。
そして、部品にチップ部品使ってません。抵抗とかアキシャルリードタイプって言うのかな、
表面実装を使わない昔ながらのツクリです。

ベークライト基板には中国の文字があり、シルクスクリーン印刷で松叶曳子とか
書いてあって、型番らしきYS-988-5、そして日付らしき2007.05.16が記入されていました。

使っている周波数が27MHz帯なのか、49MHz帯なのか興味あるところですが、
測定器がないので詳細は不明。タクトスイッチが採用されていたり、アンテナが
テレスコピックのロッドアンテナではなく、ゴムにカバーされたスプリングみたいな
柔軟なタイプになっていること、またスピーカとして振動版が樹脂でできた薄型スピーカを
採用していることなど、昔の玩具トランシーバの技術では不可能だった部品の採用が伺えます。

トランジスタは5石使用。S9014(NPN) x2、S9015(PNP) x2、S9018(NPN) x1という感じ。
国産のトランジスタじゃないなと思ったら、元はフェアチャイルドの製品らしい。
S9014/S9015はfTが最低100~150MHz程度の汎用小信号、ローノイズトランジスタで、
S9018に関してはフロントエンドに使われていて、特に高周波用のトランジスタを選んでいるっぽい。
これはfTが平均1.1GHzもあるのでかなり高性能です。
用途も[S9018 - AM/FM IF AMPLIFIER, LOCAL OSCILLATOR OF FM/VHF TUNER - ETC]だとか。
一般に汎用トランジスタが使えなくなるのは50MHzからむこうの世界だそうで。
(例えば2SC1815でもIcを多量に流すとfTを稼げるので、50MHz帯ぐらいまではQRPトランシーバの終段に使える)

FM放送とかTVチューナー用には専用トランジスタを使えってことなんだな。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • エリア200mとなりますと、さすがに微弱電波ではないでしょうし、アマチュアバンドに改造して免許受けて使うにしても、今時LC発振や超再生ですと、たぶんTSSの保証認定も通りそうもない気もするので、そのまま使用すると電波法違反になってしまうかもしれません。(たしか水晶発振器程度の周波数制度はいるはずです)

    松叶曳子

    これは、簡体字表記の松叶電子(松叶电子)かもしれません。この会社に関する情報は不明ですか、遼寧省に松叶という地名があるようです。
    中国の簡体字は、元の漢字(繁体字)をかなり簡略化しているので、もう元の字とは似ても似つかない字になっていることがあります。

    #中国の字も書けるのか...

    • 会社の名前の件、まさにその通りでした。簡略化しすぎやん…

      妙に出力が大きいのは、電子レンジと同じく特定の周波数帯、
      特にISMバンドを使うタイプだからじゃないかと思います。
      そういうのは一般微弱電波ではなく、特定微弱電波のカテゴリに入るとかで、 [k-server.org]
      >無線設備から500mの距離において、その電界強度が200μV/m以下
      ということなので、微妙にハイパワーな感じです。
      この場合は、電子レンジのような2450MHzではなくて、
      中心周波数27.120MHzとか40.68MHzですね。上下に多少は幅があり、
      高周波加熱機とかプラズマ発生装置でも使う周波数だとか。

      >微弱な機器は電波法上は基準認証の対象外であるが
      >【微弱電波機器の性能証明、無線機器の試験】制度は存在する。

      試験制度は存在するが基準認証は不要って、どういうことなんだろう。

      そういえばラジコンのプロポって
      27MHz帯や40MHz帯、72MHz帯を使ってますがTELEC認証マークが
      入ってないですね、裏蓋見ても。自主規制だけで自治してるのかな。

      2.4GHz帯のラジコンはTELEC認証済みでないと使えないそうだけど。

      親コメント
      • 試験制度は存在するが基準認証は不要って、どういうことなんだろう。

        法律上基準認証は不要なんですが、もし「自称」微弱電波機器が規定にあわない物だった場合に、電波法違反に問われるのは運用者、つまり微弱電波機器を買った顧客と言うことになってしまうので、それを防ぐために、微弱電波に適合していることを示す証拠というか技適みたいな物が欲しいということで、試験制度があるそうです。ただし確認するのは電界強度だけですので試験項目は技適よりかなり簡素なもののようです。

        27MHz帯や40MHz帯、72MHz帯を使ってますがTELEC認証マークが
        入ってないですね、裏蓋見ても。自主規制だけで自治してるのかな。

        リンク先でも触れられていますが、業界の自主規制だけでちゃんとできているから、もう総務省がいちいち口出さなくでも大丈夫と判断されたようです。その方が行政コストも下がりますし。
        そうなると、包括免許が未だ認められないアマチュア無線界って、本当に信用されてないのかと感じます。
        まあ、今の状況じゃ信用しろって方が無理かもしれませんけど。

        親コメント
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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