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発明としての「抑圧された記憶」

日記 by kaho

Nature Web Newsより,19世紀までの文献には「抑圧された記憶」はないという記事.数日前なので近いうちに見えなくなるだろうからウェブ魚拓を利用した.
日本人にとってはテレビや映画では知っている程度であるが,抑圧された記憶と言われる,幼児期の(主に性的な)虐待を後になって想起する現象が知られている.特にフロイト学派が盛んなアメリカではそれを元に父親を裁判で告訴するということも行われている.

この「抑圧された記憶」というのは先に上げたWikipediaでも紹介されているように批判も多いのだが,学術的に結論がでたわけではない.
この検証の一つとして,ハーバードメディカルスクールのPope氏らは自身のウェブサイトで1800年以前の文献で「抑圧された記憶」が書かれたものの発見に対して1,000ドルの懸賞金をかけて募集を行った.
しかし結局一つも集まらなかったということだ.
Nature Newsblogでは,シェイクスピアの「真夏の夜の夢」にあると投稿していた人もいたが,本人が直々に返信して,
1.深刻なトラウマを経験していること
2.数ヶ月から数年忘れていること
3.生物学的な理由で忘れたことも忘れていること
4.後になって思い出すこと
という条件には当てはまらないと回答していた.

私はもともとフロイト学派は限りなくインチキに近いと思っていて,「抑圧された記憶」にしても信用していないのだが,そう思うだけでは結局意味がない.
他の症状と区別できない例ではないのだから(例えば狂牛病が1000年前の文献に存在していても痴呆や他の病気と区別がつかないだろう),こういう検証方法は意味があると思う.
今回の懸賞の広告は日本のメディアには載っていないはずだから,日本の文献でもし存在していたなら誰か送ってみてはどうだろうか.

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