TarZの日記: いつの間にかロンドンオリンピックが近いということで
たぶん世界で一番小さな五輪状の構造、Olympicene分子。
BBC News 'Olympic rings' molecule olympicene in striking image
マジ小さい。→Flickr
# え? 比較対象が巨人だから? ちがうよー。
たぶん世界で一番小さな五輪状の構造、Olympicene分子。
BBC News 'Olympic rings' molecule olympicene in striking image
マジ小さい。→Flickr
# え? 比較対象が巨人だから? ちがうよー。
本日のImpressの秋葉原でのHDD/SSD価格調査で、SSDで一番安い製品の実売価格帯が、HDDで一番安い製品のそれを下回った模様。
CPU、HDD、メモリ相場情報(秋葉原 '12/5 第3週)
最安HDD製品 Hitachi HTS541680J9AT00(80GB) 3,780~4,480
最安SSD製品 SiliconPower SP032GBSSDE20S25(32GB) 3,570~3,980
バックナンバーを調べると、前回調査(CPU、HDD、メモリ相場情報(秋葉原 '12/5 第2週)(HDD))でこのSSD製品が集計された時点からこうなったようだ。
細かくチェックしているわけではないので過去分を見落としている可能性はあるし、特価品などで瞬間的にこうしたことはあったかもしれないが、自分が見た限りでは初。
最安SSD価格が最安HDD価格を下回る時期に関しては2008年に予想したが(過去メモ:【後で思い出すメモ】「ネットブックにはフラッシュでなくHDD」)、当時の自分の予想では「今後2年ではギリギリ無理かな」というところだった。あれから3年半、予想よりはちょっと実現が遅かったか。
もちろん容量単価ではHDD(特に大容量品において)の圧勝で、これは当面揺るがないだろう。とはいえ、最近は大容量SSDの価格もずいぶん下がってきた。200GB超でも手を出せる価格帯というのはすごい時代だ。
06:42時点での部分蝕、肉眼での日蝕観察用フィルタをデジカメに使用して撮影、中央だけトリミング。うっすら黒点が見える。
07:35時点で金環蝕になったところ。雲が出てきてしまったので、フィルタ未使用。トリミング済み。
いずれもテレ端で撮影しているが、コンデジ手持ち撮影だとこんなもんか。ちょうど金環蝕になったときだけ、デジカメの撮影設定を間違えて最高解像度で撮れていない。泣ける。
「5月21日に購入すると金運が上がり、高額当せんが期待できます」というのは、天体物理学を学び、天体と金運の関係に詳しい大川恵さん。
一体、「天体物理学」の何を学んだんだー!
“金”環日食というだけあって、金運に大きく影響があるという
どんな根拠だ。それじゃ、来月の“金”星の太陽面通過も、「太陽と金星の引力を同じ方向から同時に受ける」から期待していていいですかッ。何しろ金星ですよ、金星。英語で言うとゴールドスター。
「重力や気圧、気温、湿度などの物理的な影響を受ける“物体”も、金環日食のパワーを強く受けとります。つまり、宝くじの当せん番号を決めるルーレットも影響を受けやすい“物体”なのです」
パワーを強く受けるとして、それが「金環蝕当日に買った人の番号が当りやすい」方向になるのか、「外れやすい」方向になるのか全然分からない。
解釈その1 : 「金環蝕当日に購入した宝くじが当りやすい」という過去の書物があって(その妥当性はともかく)、それで学んだ。
解釈その2 : 「金環蝕当日に購入した宝くじが当たりやすい」ということを自身が統計を取って確かめた。
いやまあ、こういうのに突っ込んじゃアレなんですけど、占い師というのなら「ハイハイ、いつも***(占い顧客層)に対して経済をまわさせる施策をやってくれてゴクローサン」と思えなくもないけど、「天体物理学専門家」つー肩書にどうにもぶっ飛んでしまって仕事にならない。
# 今日中にやらないといけない見積りの責任とってくれえ。
05/19早朝に、太陽観察用フィルタを使って太陽を撮影してみた。使ったのは普通のコンデジ。撮影画像中央でトリミングしてある。
黒点らしきシミがうっすらと見える。太陽観測衛星SOHOによる黒点画像の、05/18分(日本時間の05/19早朝に近い)の黒点の位置ともほぼ合う。
金環蝕ならどうにか撮影できそうだが、6月に起こる金星の太陽面通過の撮影はどうだろう。金星はこの画像では2~3ピクセルくらいの点になるはずだから、ギリギリ見えるかどうかというところか。
ちなみに、同じコンデジで月を撮影するとこんな感じ。05/14の月
… … … …
現時点の天気予報では、月曜は曇り。ええー。
"Virus-based piezoelectric energy generation"
B.Y. Lee, et al., Nature Nanotech., in press (2012).
今まで無駄に捨てられていた微小なエネルギーを何とか回収して有効に活用しよう,というエネルギーハーベスティングの研究が盛んである.例えばわずかな温度差から発電する熱電素子,振動をエネルギーに変える圧電素子,流体の流れを電力に変える素子(手法は機械的な物,化学的な物など何通りかある)といった物が挙げられる.これらから得られる電力は当然微弱な物であるが,近年の半導体技術の進歩により非常に低消費電力のプロセッサ(例えばピコワットレベルの消費電力を実現したPhoenixなど)が開発されており,これらと組み合わせることで常時環境中や体内でモニタリングを行うセンサーチップなどが実現出来るわけだ.
今回の研究はこうしたエネルギーハーベスティングの中でも,圧電素子を扱った物だ.圧電素子とは力学的な変形を与えると電位差を生じる(逆に,電圧をかけると力学的な変形が生じる)物質であり,例えば水晶振動子であるとか,STMの駆動部分のピエゾ(かけた電圧に比例して伸び縮みし針先を動かす)が該当する.こういった圧電素子に電極を付け何らかの力,例えば音であるとか外部からの衝撃を加えると,その一部が電流として取り出せることとなる.
さて,こういった圧電素子であるが,製造はなかなか面倒であったりする.セラミック系の材料が多いため薄膜化にそれなりの設備が必要で手間がかかるとか,組成がなかなか均一に出来ないため材料特性のコントロールが難しかったりするわけだ.それに対する一つの回答として著者らが示したのが,量産が可能で特性のコントロールも比較的しやすい,ウィルスベースの圧電素子である.
彼らが用いたのは,M13と呼ばれるファージの一種だ.ファージは細菌に感染するウィルスであるが,このM13は幅6.6nm,長さ880nmという非常に細長い筒状をしている.筒の内部にはRNAが入っているわけだが,今回利用するのはこの殻の部分の特性だ(RNAも入ったまま使うが,特に意味はない).この筒,さらに細かく見ると棒状のタンパク質が螺旋状に積み重なったものである.棒状のタンパク質が,傘の骨のように中心から外へと斜めに突き出し,この棒が生える位置を少しずつずらしながらぐるぐると螺旋状に積み重なっている.
さてこの棒状のタンパク質,構成しているアミノ酸の配列に由来し,中心を向いた側が正に,外側が負に帯電している.この棒が寄り集まって出来た筒を横からぐっと押しつぶすと棒状のタンパク質の配置が歪み,すると正電荷と負電荷の位置関係が変化するため電位差が生じる.これを圧電素子として利用しようというのだ.
著者らは金基板上にファージの単層膜や多層膜を作成,その特性を評価した.なおこのファージ,非常に長い棒状をしていることもあり,自己組織的に非常にきれいな単層膜が作れるようだ.その結果,圧電素子としての特性はおよそ7.8 pm/V(d33方向),これはまあ代表的な圧電素子であるニオブ酸リチウムを著者らが同じセッティングで測った値の半分程度となる.この値自体は別に特筆するような物ではなく,この数十倍だの100倍だのと言った圧電材料が存在している.
この材料の第一のポイントは,なんと言ってもその量産性の高さである.何せウィルスであるから,大腸菌なりなんなりに感染させて増殖させればいくらでも材料が取り出せる.それらを集めて膜状に固めれば圧電素子のできあがりだ.
もう一つのポイントは,遺伝子操作により特性を変えられる,という点である.M13ファージの殻を作っているタンパクの部分をちょっといじり,末端の負電荷の量を増やすことが出来る.そうすると力学的な変形によって生じる電荷の偏りも増加するため,発生する電力が増加する(これは実際に実験で確認している).
微妙な特性(圧電特性や,成膜などのやりやすさ)やらなんやらを遺伝子操作で調整しつつ,望む特性が決まったら培養でどんどん量産する事によって低コストなマイクロ発電素子を量産出来るようになるわけで,面白い研究だ.
なお,原理を示したムービーおよび実際に発電素子を作って発電している様子のムービーがSupplementary Informationとして公開されているので,興味のある方はどうぞ.
"Comparing the yields of organic and conventional agriculture"
V. Seufert, N. Ramankutty and J.A. Foley, Nature, 485, 229-232 (2012).
現在広く行われている農法(慣行農法)は,農薬と除草剤の散布により収量低下を回避し,肥料(主に窒素とリン)を与える事で収量の増加を図っている.これは実に良くできた手法であって,現在の食糧生産性は過去に比べると劇的に改善している.
さて,このように優れた慣行農法であるが,問題も無いわけではない.一つは農薬類・除草剤・肥料の大量投入による周辺環境への悪影響である.例えば先進国や農業国における土壌および水系ののリン・窒素汚染はかなり酷い状況になっており,富栄養化を発端とする赤潮・青潮,河川および海水域での生態系の激変などはかなり問題のあるレベルとなっている.もう一つの問題は特にリン資源枯渇の問題であり,下水等からの十分なリン回収・再利用システムを構築しない限り30-50年程度で経済的採掘可能量は限界を迎え,またそのようなシステムが構築されても100年単位で考えるとやはり予断を許さない.これは現在のようなリン系肥料をバラ撒いての収量増加が1世紀以内程度に限界を迎える可能性を示唆しており,何らかの代替手段の開発が求められているわけである.
こういった慣行農法の限界が指摘されると,決まって出てくるのが有機農法である.農薬,除草剤,肥料不使用で伝統的な農法をベースとした持続可能な優れた農法,という観点で取り上げられることが多い.まあ確かに,そこにあるものだけを使って農業を行っているのだから持続可能性はあるのだが,だからといってこれが自然環境に良いとは限らない.何せ,今や人類は70億人もの人間(50年後には90億もの人間)を養わなくてはならないのである.そして,有機農法は収量が少ないのではないか?という点が繰り返し指摘され続けている.単位面積あたりの収量が少なければ,同じ量収穫するためには農地を拡大しなくてはならない.そして当たり前の話であるが,農地の拡大は周辺自然環境の破壊を意味する.何せ農地というのは生物学的多様性の無さ,保水率の低さなど,自然環境としてみた場合には非常に低級な存在なのだ.そんなわけで,慣行農法を有機農法に変えることで,かえって自然環境を破壊する可能性すらあるわけだ.
こういった議論は今後非常に重要性を増していくことは明らかだが,その一方で,議論の基礎となるべき「慣行農法と有機農法ではどの程度収量が違うのか?」という点に関してはあまり系統的な研究が行われていなかった.特定地域などでの比較研究はそれなりに数があるようだが,それらを統一し,全体的な傾向としてはどうなのか?という研究が必要だ.
そこで今回著者らは,既存の研究例をまとめ上げて解析を行う(=メタアナリシス)ことで,有機農法の実力に迫っている.
まず著者らは,メタアナリシスにおいて利用するデータ(文献)を選択している.その選択基準とは,
・有機農法としては,純有機農法を用いたものに限定する.慣行農法との複合では効果が分離しにくくなるため.
・慣行農法と有機農法で,期間,面積などをきちんと揃えて比較された文献のみを対象とする.
・サンプルサイズとエラーがきっちり記された文献を使用する.
・慣行農法としては,十分な肥料が与えられているものを対象とする
まあ単純に言ってしまえば,「ちゃんと条件を揃えて,きちんとした比較研究になってるものだけが対象」という事だ.
では,メタアナリシスから判明した事実と説明を列挙していこう.
・有機農法は,平均して慣行農法の75%の収量しかなかった.
予想通り,基本的に有機農法は収量がかなり低い.まあ,当たり前と言えば当たり前であるが,それでも25%も減るというのはかなり問題である.
・ただし果樹などの多年性植物,豆科を中心とする油種作物の収量は慣行・有機農法でほぼ同等
これの原因としては,主に窒素ではないか?と推測している.豆科植物での根粒菌の影響や,多年性植物での張り巡らされた根による広い範囲からの窒素吸収が,肥料が無くても同程度の収量を確保出来た理由と思われる.
・主要穀物は75%程度
・野菜はさらに悪い(66%程度)
このあたりがだいぶ痛いところだ.日々の主食がかなり影響を受ける.
・弱酸性から弱塩基性土壌では有機農法は比較的良い(慣行農法からの収量の低下がやや低めになる)が,酸性 土壌や塩基性土壌ではがくんと落ち込む.
これは,リン欠乏が原因であるのでは?と指摘されている.酸性や塩基性下ではリンは水分中に十分溶け出してこないことから,リン欠乏による成長抑制が起きていると思われる.
・非常にうまく管理された有機農法では,比較的収量の落ち込みが低い
・有機農法を始めると,最初の年は劇的に収量が下がり,数年かけて緩やかに上昇していく
これらは,有機農法である程度の収量を確保するには十分な経験(その土地の条件にあった管理法の確立)が重要であることを意味している.慣行農法のような,肥料と農薬を撒いておけば誰でもとりあえずそれなりの量が取れる,という楽さとは無縁である.また,数年しないと収量が増えない点に関しては,土壌中の生態系の発達の影響も考えられる(有機農法による土壌の肥沃化).
・灌漑地では有機農法での収量の落ち込みが大きい(-35%).一方,天水栽培ではそこまで酷くはない(-17%)
これは,水と栄養という二つの律速要因があることが大きい.灌漑地では水は十分にあるので,栄養さえあれば収量は劇的に増加する(逆に有機農法では,水は十分にあるが栄養が少ないのでそこまで伸びない).天水栽培では,栄養があろうが無かろうが水がかなり律速条件になるので,有機農法での落ち込みが小さくなっていると考えられる.
・発展途上国での有機農法による落ち込みは-43%と非常に大きい(先進国では-20%)
これに関しては,今回のメタアナリシスで利用する文献をかなり絞り込んだことの影響かも知れないと述べられている.十分しっかりした研究を選んだために,発展途上国での比較対象の慣行農法がその地域の平均値を大きく上回る,近代化された農場やら研究機関の小規模農場やらという論文の比率が高くなってしまったのだ.つまり,メタアナリシスに利用するデータが不十分だったことによるアーティファクトな可能性が高い.著者らは,発展途上国における慣行農法と有機農法の比較に関してはデータが少ないので,今後もっとしっかりそのあたりの研究をしてみたい,とは述べている.
まとめると,「天水栽培で豆科植物を育て,しかも栽培者は熟練の有機農法家,土壌は弱塩基性から弱酸性の範囲」というようなもっとも恵まれた条件なら慣行農法から5%減程度のほぼ同等な収量が確保出来るが,一般的な条件でも有機農法は10%前後,条件次第では30%以上の収量低下は覚悟しないといけない,という結論になる.
まあ多くの人がうすうすわかっていたことではあるが,それでもしっかりと数値として出てきた意味は大きい.
日記が書かれてから、あれだけの長文を5分でコメントするとは!
日本語表示コンソールの kon2 を、FreeBSD-9.0-RELEASE/amd64で動くようにしてみました。
FreeBSDは9.0でutmpが変わったので、そのままでは動きません。まずはその修正。
FreeBSD-users-jp ML にパッチは流れていたのですが、kon2-0.3_3 用で、現行の kon2-0.3_4 には当たらなかったので、これを修正。
あとは、amd64対応については、8年前のokuさんの日記に書かれていたGentoo amd64用の修正がそのまま使えています。
…最近セットアップしたサーバ機(実家に半NASとして設置予定)で、「Xを動かす必要はないけど、コンソールで日本語は表示出来た方が便利かも」と思い立ったのですが、意外と手間取ってしまいました。
jfbterm も考えましたけど、こっちもamd64非対応で「VESA BIOS が必要だから動かない」とか書かれていて対応が遠そうだったのでkonを選択。
しかし、たった1行の修正で直るamd64対応が、今までずっと放置されてたわけだし、もはやkonはあんまり使われてないんですかね。
今だったら何を入れるのが定番なんだろう…。それともXを使えってことか…
ILL Press Release Gamma ray optics: a viable tool for a new branch of scientific discovery
Physical Review Letters Refractive Index of Silicon at γ Ray Energies
レンズで結像させるガンマ線カメラが可能になるかもしれない、という画期的な話なのだが、プレスリリースのほうにはあまり細かい話が書いてないので詳細が分からない。
Whilst x-ray science has proved a major source of scientific insight and discovery, the chances of finding sufficient refraction in gamma rays were thought too small to pursue with significant research. However this assumption was purely theoretical. So scientists from the ILL and the Ludwigs-Maximilians University of Munich decided to test it.
意訳:「ガンマ線をまともに屈折させられるとは誰も思ってなかったので、これまできちんとした測定はされてこなかったわけだが、念のためテストしてみることにした」
↓
「なんだ、思ってたより屈折するじゃん」
このへんの話が面白いのだが、しかしコレ本当なんだろうか。
あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall