minetの日記: トロピコ5は良く出来ている
トロピコ5 PS4版を買った。トロピコシリーズは初体験だが、これは面白い。
今作の特徴は、時代の経過があって、その時代ごとのミッションが起こること、らしい。
島内では独裁者でありながら、対外的には大国間の圧力のはざまで時に従順に、時に反発し立ち回っていく構図が面白い。
何度かプレイしてみて分かったのが、プレジデンテ(プレイヤー)は自由に島内開発ができるのだけれど、過去の時代の影響を受けた形に自然と導かれている、という事。
例えば植民地時代に「果物を作れ」と言われればその後の時代も果物主体の産業になるし、帝国に対抗するぞ!とばかりに砦を作れば、何十年も経ってから観光資源になったりする、という具合だ。
一見自由気ままなようで、その実は過去の縛りを受けている。
と言うのは、全般的に建造物のメリットが大きいので、長期のプレイをする上では、スクラップ&ビルドで再開発するスタイルより、土地に余裕をもたせながら少しずつ付け足して開発を続けていくスタイルの方が格段にお得なので、過去の資産を活かす形に導かれるのである。
この手のゲームでは、「過去の縛りを受ける」のはどちらかというとプレイ上での解決すべき課題や障害としてデザインされることも多いのだが、トロピコでは過去は資産であり、歴史に縛られることはメリットとしてデザインされている。これは面白い。
歴史の縛りから解放されようとプレイヤーが考えた時、初めてプレイヤー自らが自らに課題を与える事になる。そして、その遊び方に気づくのも選択するのもプレイヤー自身という訳だ。
つまり、初心者がトロピコ5をプレイすると、こんな感じの習熟曲線を描くものと思われる。
1. 手探りでとにかく進める段階
2. ミッションをこなせるようになる段階
3. ミッションのために建造物を使える段階
4. 先を見据えて建造物のメリットを活かせる段階
5. 自らの狙いを定め、時として建造物のメリットを放棄できる段階
なんだかテトリスの習熟曲線を見ているようだ。
そしてこれは強制でも放置でもなく、ゲームバランスから自然に導かれる。
素晴らしい。ゲームバランスデザインとはかくあるべき、か。
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