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okkyの日記: 面接で私が気にしているポイント -4- ノートとメモ 2

日記 by okky

なんというか、世の中の大半の人が間違っていることの1つにノートメモの違いが分かっていない、というのがある。違いが分かっていないだけじゃなくて、使い方も間違っている。

いや、この2つがそんなに似たり寄ったりなら、そもそも ノートメモ という別の商品になったりなんぞしないだろう??! なのに、使い方を分かっておらず、使い方がぞんざい。ついでにいうと、このへんの扱い方がちゃんとしていない奴は、会議とかで同意した内容を失念している確率も高い。

というわけで、ノートとメモの使い方は結構気にします。自分をアピールするときにも気にしますが、相手の能力を見分けるときにも使います(つーか主に後者)。後輩についてもこれらのポイントは矯正することが多々在りますが、効果はてきめんだったりする。

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で、最初の質問。「ノート」と「メモ」、違いは何?
実はこの問に正しく答えると、あなたが「ノート」だと思っていたものの多くが「メモ」だと判ります。

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会議室であなたと私が相対していて、あなたが何かを話している。私はあなたの話している内容を聞きながら、要点を手元でまとめていく。その時に、私が書き込む先は?

…正解は: ノート

すごく簡単にいうと、ノートというのは 受信記録メディア です。あなたが「受信した」情報を記録し、あなた自身と一緒に持ち帰るためのメディア、それがノート。

だからノートは本質的に「1つの塊」のまま最初から最後まで使うもの。途中でページが落丁したりしたら、必ずそれが判るようになっていなくてはいけませんし、使い方として落丁させかねないような使い方…途中のページを破るとか…はしてはいけません。

ノートを見てみましょう。縁がぼろぼろだったり、表紙が擦れてザラザラだったり、紙が変色しかかってたり…そういうノートは、私がノートを大事にしていないことの現れですよね? そのようなノートにあなたが話している内容を書き込んでいく…あなたは思わないでしょうか?
「こいつ、俺の言ったことを理解しているかな?
  俺の言ったことを思い出せるのかな?
  俺の言ったことを後で確認できるんだろうか??」

自分が伝えようとした情報を軽視されるのは、情報を伝える人にとってはとても苦痛なものです。伝えたい気力がなくなります。情報を伝えたくない相手と認識すると、そのような相手を重要だと感じたくなくなります。

だから、ノートは新しいものを。分厚いと更新頻度が下がりますので、薄いものを。
可能ならばノートにはカバーをつけて。コクヨのノートカバーなら 1500 - 2500円もあれば手に入ります。
そういうノートに書き込んでいるならば「俺が伝えている情報は大事だと思ってもらえているんだ」と感じるでしょう。

ノートにモノを書くときは、できるだけアチラコチラに余白を空けて書く。私なんか見開き右側に1行オキにしか書かない。これは相手が話を巻き戻したときに、新しいことを付け加えられるようにするため。そのような空白は「後で見なおして、気がついたことを書き加える」タメの場所だと認識してもらえます。これも「話していることを重要視してもらっている」という感覚につながる。

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じゃぁ、次。

会議室であなたと私が相対していて、私が何かを話している。が、言葉だけだと伝えにくい。図を書こう。何に書く?

…正解は: メモ

メモは送信用メディアです。あなたがメモに書いたものは、そのメモを他の人に渡すため。自分の手元にとっておくためのものではありません。ToDoリストのように使う場合は確かに手元にありますが、手元にあるメモはじきに破棄する存在です。

メモというのは floating な存在です。常にあなたの手元から無くなる。メモというメディアは、このように「他人に渡しやすい」ように作られたメディアです。逆にその分、メモというメディアは 失いやすい メディアです。無くしても気がつきにくい。

メモというと普通の人は10cm四方ぐらいの四角い紙を想像しますが、あれだけがメモではありません。メモとして有名な「Rhodia block」には俗に Scratch Paper サイズ…レターサイズで、大抵黄色い地に青の横線が入っている、上側でまとめた奴…なんかも含まれます。

ようするに「描くまでは1つにまとめられていて、描いたあと切り離せる」形になっているものは全部メモです。

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では質問。私があなたのくれた情報を書くのは「ノート」だと言いました。メモではいけないのは何故?

答は: あなたのくれた情報を重視していない、と態度で語っていることになるから。

メモは最初、塊であってもちぎって使うのが基本です。そのような使い方をするメディアは、間違ってちぎってしまっても気が付かない。無くしても判らないメディアに情報を書くのって、書いている人はあなたの情報を重視しているんでしょうか?
# ここで重要なのは「他人から見て」であって、あなたがどういうつもりかは関係ない。

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メモがなかったので「ノート」に書いて、そのページを破って相手に渡しました。これがNGなのは何故?

答は: あなたは「ノート」を「メモ」として扱ったから。

あなたからの情報を私は「ノート」に見えるものに書いた。だからあなたは私がその情報を重要視してくれている、と認識した。
なのに、私が「ノート」をまるで「メモ」のように扱った。それは要するに「ノートとメモの違いは私はわかりません。あなたの情報を書いた先は、実はメモです」と宣言しているのと同じ。この宣言はつまり「あなたの情報を重要視していません」と態度で示しているわけ。

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あなたの情報を重要視しない人と商売上の付き合いはしたくないものです。

また、あなたに対してメモとノートの扱いの違いが判っていない事を態度で示すような人は、普通の顧客に対しても同じ事をやっているでしょう。きっとそういう人は顧客と必要以上にトラブルが多いに違いありません。
あなたがそういう上司の下で働いた場合、あなたの仕事の何割かは、その阿呆な上司がケアレスミスで起こしたトラブルの尻拭いでしょう。

お世辞にも働きたい環境とはいえますまい。

だから、相手がノートとメモの区別をつけているかどうか、見抜くのは大事なのです。

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じゃぁ、質問。何がノートで何がメモ?

私自身の見分け方は、紙の「ノート」は「ページが抜けたらわかる」もの。メモはそれ以外。

キャンパスノートのように糸でかがった紙に表紙をつけたものは、「ページが抜け」たらすぐわかりますし、千切れてもすぐわかる。こういうのはノート。

スパイラルノート…紙の端にたくさん穴が開いていて、らせん状の針金でまとめてある奴…あれは メモ です。だって、1ページ引っこ抜いて御覧なさい? ゴミを全部綺麗にしたら…1ページ抜けたって判らないでしょう?? あれは、私に言わせればメモの一種です。

当然バインダーにはさむシートもメモです。あれはさらに無くしても判らないし、たまに扱いを間違えるとページが目茶目茶になるよね。

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じゃぁ、手帳は?
たとえばほぼ日手帳のように糸でかがってあるものは「ノート」。ページを失いませんから。

システム手帳のように「小さなバインダー」なものは「メモ」。ページを失っても判りませんから。

手帳で、ミシン目が入っているのがある。あれは? 「メモ」。
あれはノートじゃないです。最初から「持ち歩きやすいメモ」として開発されています。

スクラッチパッドはメモです。

会議室にたまにある、大きな紙。あれもメモ。あそこに書いた情報をいつまでも持ち歩く人はいないよね?

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変わった所では…「ノートパソコン」。個人的にはあれは「ノート」。
中のパーツが一部なくなっても気が付かない…なんて人はいない。

じゃぁ USBメモリは??? あれはメモ
最初からデータを「輸送するための」メディアであって、あれをメインストレージにしちゃ駄目。失くすでしょう?! USBメモリって、サイズ的にも使い方的にも、 floating なメディアなんですよ。それをノートのように使うから…しかも容量が馬鹿でかいから…失ったときに大騒ぎが起こる。

USBメモリはあくまでも「その場」でデータを受け渡しするためのメディアで、受け取ったデータはすぐ「ノート」…ノートパソコン…に書き写して、本体からは消さなくちゃ(いや、物理フォーマットやり直せ、と言う意味じゃないけどさ)。USBメモリに入れたまま持ち歩くから、
「大事な情報を紛失」「セキュリティに問題」
などという現象が起こる。持ち運びしやすいのはわかるけど、それはまさに「メモ」である証拠。

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このように、「メモ」と「ノート」の使い方をきちんと理解しているかどうかから、情報をきちんと管理できているか、自分が渡した情報を重要視しているかどうか が結構高い確率で見破れます。

なので、私はこの辺に気を配ることにしています。
いや、もちろん、相手がこの辺を判っていない場合気を配っても無駄なんですが、その場合は相手が「多数」なのか「少数」なのかに気を配る。

もし、多数だったら…少なくともその会社は「情報の扱いがずさんであるが故の無駄」がある事になる。減点対象ですね。

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  • by digl (19182) on 2010年11月02日 15時25分 (#1852033) 日記
    >システム手帳のように「小さなバインダー」なものは「メモ」。ページを失っても判りませんから。

    フランクリンのデイリー・リフィルは、プライベートで使う分には「ノート」と言う認識でいいのかな。
    アレは日付が入っているから、1枚抜くと抜いたことが判るし。
    あ、「そもそもシステム手帳をスケジュール管理以外のビジネスで使うのはどうだろうと考えるのは常識以下」と言われそう……
    --
    fj.jokes出身:
    • 自分の情報を自分で管理する分には、ノートを使おうがメモを使おうが、問題はないとおもいます。
      気がついたことを記録しておくとか、そういうのは別にポストイットだって構わない。なくして困るのは当人だけだからね。

      問題は「相手がある情報」をメモに書き留める場合。
      この中には「スケジュール」も含まれます。これはNGでしょう。会議が入っていることを忘れてすっぽかすとか、そういう「心配をされかねない」のが問題。

      .

      ようするに「プライベート」か「仕事」かではなく、「相手がいる」「相手がいない」で区別するとよい。
      で、「相手がいる」情報はノートに書く。
      この場合、ノートに書く理由は 相手に「ノートに書いている」と認識してもらう という事自体が何割か入っています。

      そう考えると、「フランクリンのデイリーリフィル」は「ノートとしては」NGでしょう。
      - 同じ日付のものと差し替えても判らない
      - 全体をフルスキャンしないと失ったことが判らない

      自分のスケジュールを把握するために使うのは構わないでしょうが、『お客様との次の会議の設定は』その場では自分のノート側に書きます。ま、時間があればついでにスケジュール側にも書き込みますし、それは別にシステム手帳でもいいと思います。ノート側のコピーだから

      .

      で、ついでにいうと。お客様との会議があったら、多分誰かが議事録を書くと思いますが、全部の情報がノートに揃っている方が楽です。次回のスケジュールだけスケジュール帳を見る必要がある、というのはちょっと余計な一手間。
      その意味でも、ノートに予定を書いて、スケジュール帳に追記するのはその後、という方が良いかと。

      --
      fjの教祖様
      親コメント
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