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1546608 comment

コメント: N型フェリ磁性なら (スコア 1) 6

うち,Nature Commun.が読めないんで推測しか出来ないんですが,N型フェリ磁性体を使えばいけそうな気がします.
フェリ磁性体の多くはスピンの大きさの異なる二つのコンポーネントから出来ています.例えばS=5/2とS=1/2とか.で,これが例えば
↑5/2-↓1/2-↑5/2-↓1/2
のように配列することでトータルでの磁気モーメントが発生します.

N型のフェリ磁性体は,このスピンの副格子(5/2のスピンだけの部分集合や,1/2のスピンだけの部分集合)の秩序化速度(温度依存性)が二つの副格子で異なり,高温側で小さいスピン(上例で言えば1/2スピン)の副格子の方が早く秩序化します.このため,中程度の温度では,
(向きが揺らぐ)5/2-↓1/2-(向きが揺らぐ)5/2-↓1/2
というようになり,トータルでのスピンは下向きになります(磁化の向きが下).そしてさらに低温に行くと,
↑5/2-↓1/2-↑5/2-↓1/2
と全体の秩序化が進み,トータルでのモーメントは上向きになります.
このように,N型のフェリ磁性体では,温度を変えていくと途中で磁化の向きが反転します.

そんなわけで,例えばこれをうまく使って,以下のようにすれば出来るかも.

例1.上層に転移温度の低い強磁性体,下層にN型フェリ磁性体.上からレーザー加熱.
加熱により強磁性層が常磁性に.加熱温度を制御することで,下層の磁化の向きを上下に好きなようにコントロールできる.この状態で上層が外気で素早く冷却されると,その時の下層の(過渡的な)磁化の向きに習って上層の磁化方向が変わる.

例2. 下層に強磁性層(磁化の向き固定),上層にN型フェリ磁性体.加熱温度をうまくコントロールすることで,上層の保磁力を下げつつ,上層の磁化の向きを好きな方向に変えられる(N型フェリ磁性体の補償温度の上下で変える).その際の磁化が,下層の強磁性層の磁化の向き(不変)で固定される.その後一気に冷却が進み,その向きで固定される.

1521512 comment

コメント: なんかこう (スコア 1) 2

プレスリリースだけでくらくら来たのは久しぶりです.
論文本体読む前にお腹いっぱい.

しかしこのLifeとか言うオープンアクセスジャーナル,他の論文も味わい深いですねぇ.「宇宙の向こうの誰かに届けるために,DNAムービー作って送ろうぜ!」とか.

1517276 comment

コメント: Re:透明なんだ。 (スコア 1) 2

by phason (#2094494) ネタ元: ナノワイヤーをスポット溶接

透明は透明なんですが,ITOなどの現在使われている透明電極に比べるとやや透明度が低く,抵抗自体はやや高いんで,特性としてはそこまで優れてはいません.

例えばタッチパネル用にガラスに乗っけたITOなどですと,透過率95%前後で抵抗が100Ω/sq程度なのに対し,今回のものですと90%前後の透過率に対し500Ω/sq程度になりますので.
むしろ低温で導電膜が作れるという利点を活かした何か(熱に弱いポリマー表面の改質)に向いてると思います.それが何に使えるかは分かりませんが.

1513098 comment

コメント: Re:昔●波少年で (スコア 5, 参考になる) 81

>砂糖に中毒性というのは、なんかDHMOみたいな匂いを感じますが・・・

思った以上にちゃんとした研究が出てたりするようです.

"Evidence for sugar addiction: Behavioral and neurochemical effects of intermittent, excessive sugar intake"
N.M. Avena, P. Rada and B.G. Hoebel, Neuroscience & Biobehavior Review, 32, 20-39 (2008).
#結構反響もあったんで,すでに引用数が150ぐらいありますね.

何でも,元々砂糖を摂取するとオピオイド(いわゆるモルヒネ受容体とも呼ばれるオピオイド受容体に結合する物質類.生体中において報酬系を構築する)やらドーパミンが分泌されることから,潜在的に中毒の可能性があることは知られていたようです.
で,それを確かめようとラットなどに通常の餌より顕著に砂糖を多く含む飼料を与えてその影響を調べたところ,Bingeing(乱用),Withdrawal(禁断症状),Craving(依存?渇望?),Cross-sensitization(?分野外なのでよく分からん……)という薬物中毒に見られる四要素が確認され,またニューロンの受容体の変性やらドーパミン放出の変化やらといった神経レベルでの異常も確認されたことから,砂糖も中毒性のある薬物と考えて良いのではないか?という研究のようです.

当然のことながら砂糖業界は猛反発して,「まだまだ研究が足りない」という反論や,「我々の追試では,それは砂糖に限らず,人工甘味料など甘いもの全てで起こった.だから砂糖だけが駄目なわけではない」という反論(反論?)が出ていたりしているそうです.
また,この時点での研究はラットが対象でしたので人間で実際どうなのかはよく分かりませんし,その辺も絡めて関連研究は今でも盛んに行われている模様.

まあ糖類は優れたカロリー源ですから,それを出来るだけ摂取するような報酬系が脳内にあっても不思議ではないと思いますし,過剰摂取できるようになってしまった現代社会でそれが過剰刺激されて中毒性を示すって事もまああり得ない話ではないですよね.
#あり得るとは思いますが,本当にあるのかどうかは分野外なので判断付かず.

1505795 journal
日記

phasonの日記: ナノワイヤーをスポット溶接 2

日記 by phason

"Self-limited plasmonic welding of silver nanowire junctions"
E.C. Garnett et al., Nature Mater., in press (2012).

近年ではナノワイヤーやナノ粒子と言ったナノ材料の製法もだいぶ確立し,安価に大量生産できるようになってきた.特に銀ナノワイヤーに関しては,polyol法と呼ばれる手法を用いることで径が揃った(数十nm程度,コントロール可能)5角柱状のナノワイヤーを大量に得ることが出来るうえに抗菌性や高い熱および電気伝導性を持つことから,微小化学センサー用ナノメッシュ,微細回路の配線,抗菌性表面加工など様々な応用が研究されている.

1505779 comment

コメント: Re:後ろ向きの研究はやりたがらないよね (スコア 1) 64

by phason (#2094043) ネタ元: 量子コンピュータを反証できたら 10 万ドル

>「みんな夢のタイムマシンは実現不可能であることを証明した」とかと同じであまり嬉しくないですね。

いや,それが証明できたら物理学者は結構喜ぶと思います.

何せ昔から,「タイムマシンは出来ない」ってことを証明しようと頑張っているのに,その結果新型タイムマシンの原理が次々と開発されちゃってるんですよ?
#いや本当に.

1490465 comment

コメント: 零約術 (スコア 1) 1

by phason (#2093617) ネタ元: 天地不明察

関孝和ですと,零約術とかありませんでしたっけ.
こんな感じで.

http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~susumu/lecture/kjsen11/ex/C-B-2/index.html

和算でも無理数のようなものがあるというのは(確か厳密な証明ではなく,感覚的に)認識されていたものの,実用的な有理数での近似を重視していた,とか聞いた覚えがあります.

江戸時代も後期になるとニュートン法と同様な近似解の求め方など,収束の早い手法が開発されたようです.

1478261 comment

コメント: Re:質量保存の法則 (スコア 1) 20

>それにしてもそうした社会の実現にはまだ数段のブレイクスルー(技術的・コスト的)が必要そうだし

先日,長いこと太陽電池をやってる先生と飲むチャンスがあったんですが,

・エネルギーペイバックタイムはすでに2年程度
・発電コストはまず間違いなく数年以内に20-24円/kWh程度(大雑把に,一般家庭用電力価格レベル)に下がる
・地産地消レベルでの太陽光発電は,現在の技術レベルでも現実的(要は,各家庭やビルに太陽電池を設置し,消費電力のピークを抑える形は可能)
・大規模太陽光発電所は,日本に限れば無駄.洋上や砂漠なら可能性有り
・国を挙げて本気でやるなら,数年以内に30%程度をまかなうのもまあ不可能ではない
・Si系太陽電池は中国に持って行かれて日本はすでに死んでる
・CIS系はアメリカ(と中国)に持って行かれて死んでる
・有機半導体系はまだ不確実性が高いけど,投資金額が段違いだからこのままだと多分死亡
・色素増関係は当面実用化の見込みはない

とかいろいろ言ってました.
結局,国を挙げて積極的にやるならやるで(それこそ原子力につぎ込んでいたレベルで)金を出せば,有機半導体系に限ればまだ可能性はある.それ以外は量産規模でもう出遅れていて無理.
変換効率と耐久性的には,(集中投資さえすれば)2020年前までに全発電量の30%ぐらいは賄えないことはないが,その場合にはスマートグリッド系の技術がかなり必要.しかし日本はその面も圧倒的に弱くアメリカに送電基盤を持って行かれる可能性がある,とか言ってましたかね.

何度も愚痴をこぼしていたのが,「予算上,どこに集中するのか,○○は持って行かれるのは諦めて××だけは死守する,というような戦略が全くない.全部の研究分野で他国にとりあえず遅れないように,というような広く薄くの配分で,結局全分野がズルズルと落ちている」という点でした.
発言にどの程度妥当性があるのかはわかりませんが,このまま行くと厳しんだとは何度も言ってましたね.

1475894 comment

コメント: Re:WWWサーバにも使える話? (スコア 1) 3

by phason (#2092348) ネタ元: クモの巣の強さの秘密を探る

怪しい大量のアクセスが集中したら処理のノロいサーバに適当に相手をさせておいて,その他大勢のユーザーは通常のサーバで相手をする,とか誰かクレバーな人がうまいこと設計すれば出来そうですよね.
ブラックホール・ルーティング(でしたっけ?)とかリダイレクションあたりは似たような技術と見なせるのかもしれません.

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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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