成人向け書籍の国立国会図書館への納本率が低い、という話。

古い順（以下3報とも木川田）
国立国会図書館における成人向け出版物の納本状況　図書館情報学会春季研究集会発表要綱（2008/3/29）

本研究ではAmazon.co.jp の書誌リストをNDL-OPAC に突き合わせる形で国立国会図書館における納本状況を調査し，成人向け出版物のほとんどが納本されていない現状を示した。また成人向け出版物を刊行している出版社の納本状況を調査し，一般出版物は納本しているにもかかわらず成人向けだけは納本していないといったパターンも確認した。さらに国立国会図書館，取次，出版社に聞き取り調査を行い，日本の納本制度の運用上における問題点を明らかにした。

DOES THE NATIONAL DIET LIBRARY HAVE PORNOGRAPHIC BOOKS? アジア太平洋図書館・情報会議（2009/3/6～8）
国立国会図書館におけるポルノグラフィの納本状況　図書館界 vol.61（2009/11）

最初この論文の存在を知り、要旨を読んだときはその意図を量りかねていたが、規制に賛成とか反対とかそういうレベルではなくてもっとスケールの大きな捉え方をしているように感じた。
また、児童ポルノ規制との関連にも言及していて、それについては納本率の低さの原因のひとつとも考えられるとの事。
実際2005年以降茜新社からは納本がないらしい。

結局は司書がどれくらい情熱（リビドー）を持って資料収集するかなのだろうか。
日頃複数の公立図書館を使っているが、どの館も似たり寄ったりであんまり司書の個性を感じないのは確か。
それが良いことなのか悪いことなのかは判断がつかないけれど。
でも個人的にはもっと信念を持って本集めをして欲しいものではある。
ベストセラーだから芥川だから、新聞の書評に載ったからという理由で購入するのはどうかと思う。
思うだけじゃなくてこちらからもそういった働きかけをしていかないといけないのかもしれない。
でも、地元の図書館がメインフレーム実践ハンドブック（神居・高尾　リックテレコム2009）なんかを蔵書してるのを知ったときはなんか心がにやっとした。