taro-nishinoの日記: 書評 グロタンディークとセールの文通書簡
函数論に偏角の原理と称するものがあることは少しでも勉強をした人なら御存知でしょう。最近、何故偏角の原理と呼ぶのか、或る人に聞かれました。その人は工学系出身者で必ずしも数学のど素人ではなく、複素解析なども等角写像論を中心として応用側の立場で学生時代に習っているはずなんですが、どういうわけか基礎が足りないと感じて最近一から勉強し直しているそうです。ですから、私は「実質増分量は偏角の増分量を2πで割ったもの、すなわち値域での原点の周りの回転数に相当するから」と説明したのですが、怪訝な顔をされてなかなか話が噛み合いませんでした。余りにも話が噛み合わなかったので、その人が持っているテキストを見せてもらったところ、以下の(A)を"偏角の原理"と呼んでいました(勿論、テキストそのままの文ではありません。書かれていた内容を私の文章で再現したものです)。