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von_yosukeyanの日記: みずほ銀行のシステム統合

日記 by von_yosukeyan

ちょっとネタ的に古い話になるのだが、来月から約2ヶ月ほどをかけてみずほ銀行の基幹系システム統合が行われる。直接的には、7月と8月の2回に分けて全面的にオンラインが停止MHFG傘下のみずほ銀行(BK)とみずほコーポレート銀行(CB)は、99年の統合構想発表以来統合作業を続けているが、BKの勘定系が初めて一本化される

思えば、みずほグループのシステム統合は誤算の連続だった。最大のものではBKの02年4月のATM障害、元帳破損、振込障害に始まり、翌月にはCBの兜町証券営業部での決済事故、昨年にはCBでグローバル・カストディシステムの稼働に失敗し、一週間に渡って「4月の悪夢」が再現された。そして、BKでは昨年・今年と破棄が予定されているTOP(旧富士銀系システム)で管理されている口座の利払い計算をミスするという事故も発生している

独立系・旧財閥系・旧政府系の巨大銀行三行の統合によって誕生したみずほグループは、リテールバンキング部門をみずほBKとみずほインベスターズ証券に、ホールセール部門をみずほCBとみずほ証券に分割し、将来的には銀証合併を行うという、理解しがたい合併方法を選択した。これによって、システム統合も大規模な振替バッチ処理や法人向けのデータ処理システムが欠如していた旧興銀系システムをベースにCBのシステムは開発され、BKのシステムも勘定系に旧第一勧銀系を採用する一方で情報系は旧富士銀系を採用するという変則的な統合方法を選んだ

99年7月の統合発表から、分割・合併を行った02年の4月まで約2年8ヶ月ほどの時間があったにも関わらず、旧富士銀と旧第一勧銀のシステム統合は単に中継システムによる統合が決まったに過ぎなかった。これは、振込やキャッシュカードを利用したときに、外部から見れば一つの銀行であるかのように見せるためだけで、実際には旧富士銀と旧第一勧銀のシステムがそのまま残される形となった

#EAIツールを使ったリレーコンピューターと呼ばれるもので、RC1からRC3までが設置された。いずれも大型UNIX機上で稼働する

対する他行は、SMBCが01年に合併。中継システムによる仮統合を経て、02年7月に完全統合が終了した。みずほと同じく、勘定系を旧住友銀行側に、営業店系や情報系をさくら銀行側に統合するという変則的な統合には変わりなかったが、統合は2年間をかけて終了した。UFJ銀行は、もっと過激に02年1月の合併に際し、旧東海銀行側のシステムを廃止して、三和側に統合するだけで終了した。合併に際し、みずほと同じく半月に渡り振込障害が続いたが、統合効果は高く、都銀としては初めて勘定系の24時間365日稼働を実現している

金融再編では先行した東京三菱を含め、他の三グループはみずほが勘定系統合だけに費やした2年間に、さらに先を行くシステム開発を続けている。いずれも、現状の第三次オンラインシステムを改良したシステムを、長期計画で次期システムに移行する計画で、オープン勘定系や支店や顧客との間で広帯域網を活用したリレーションシップを視野に入れたものだ

これに対して、みずほはそのスタートラインにやっと立てるだけだ。それは、単独のシステムを保有しているCBがBKに対して圧倒的に低い経費率であることが証明しているように思えるが、単に営業店の統合やシステム経費削減というだけでなく、商品体系の統合や、新商品の投入など効果はきわめて高い

それに、みずほそのものも、次世代の勘定系への移行を明確に意識しつつある。現在、大きく分けて銀行と証券、個人・中小企業と大企業向けに分かれている2行、2社に加え、信託銀行部門のみずほ信託銀行(TB)と、再信託銀行部門である資産管理サービス信託銀行などとのシステム共有を志向した次世代システム開発である。しかし、このシステムの受注には、主要メーカである富士通、日立、IBMの三社が乗り出しているものの、ほとんど何も決まっていないといっても過言ではない

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