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von_yosukeyanの日記: 韓国が極秘裏にレーザーウラン濃縮実験を実施 2

日記 by von_yosukeyan

極めて深刻な話だ

韓国が自主的かつ極秘裏に核開発を行っていた、というのは事実で60年代から70年代にかけて、当時の軍事独裁政権が行っていたがその後破棄されたというのが公式の見解だったわけだが、それが嘘だったわけだ。政権は、科学者の自主的な研究で、政府としては関与していないと弁解しているようだが、本気に信じるやつはいないだろう

レーザーウラン濃縮というのは、ウラン濃縮技術、すなわち天然ウラン中のU235の濃度を高くする手法の一つである。ウラン濃縮は、一般的にガス拡散法と遠心分離法の二つがあり、この二つを統計的濃縮法と呼び、さらに研究途上のものとしてイオン交換法とレーザー濃縮法の二つがある。ガス拡散法と遠心分離法は、まず金属ウランを気体の六フッ化ウラン(UF6)化する。U235はU238よりも質量が軽いので、ガス拡散法では圧力差のある浸透壁をUF6化したU235がより多く通過する性質を利用する。遠心分離法はもっとわかりやすく、高速回転する遠心分離機にUF6を通すと、軽いU235が円筒の内側へ、重いU238が外側に集まる性質を利用する

#もっと古い話をすれば電磁分離法というとんでもなく電気を食う分離法がある

共に、質量差を使用するために1度の濃縮度はきわめて低い。そのため、ガス拡散法でも遠心分離法でも、拡散装置や遠心分離機を大量に直列接続して連続的に濃縮を行う。遠心分離法では数千台の遠心分離機が接続される

ガス拡散法は電力損失が大きいため、米国では初期のプラントが豊富な電力がある水力発電施設周辺に立地したのはそのためである。ウラン濃縮技術を米国が独占したため、ヨーロッパ各国と日本はウラン濃縮技術を自主的に開発せざるを得ず、フランスを中心とする国々はガス拡散法を、イギリスを中心とする国々と日本は遠心分離法を採用した。ソビエトも結果的には遠心分離法を採用しているが西側だけで見ると、ガス拡散法が圧倒的に高いシェアを占めている

蛇足だが、日本の遠心分離機の技術は世界的に見ても革新的な技術である。遠心分離法も大量の遠心分離機を接続するために電力損失が大きいが、分離機の主要部分に炭素繊維を採用し大幅な軽量化に成功している。この最新技術を採用したプラントが六ヶ所村に原燃が建設中のプラントである。ただ、遠心分離機の強度設計に手間取り、事業費が高騰しているのは周知の通りである

#わが国のウラン濃縮プラントは、人形峠に200tSWU/年のプラントが、六ヶ所村にある生産プラントが計画では1500tSWU/年の生産プラントが建設される予定だが、全量が商業炉向けの設備で、プルマーサルを前提としているために大規模な濃縮設備が必要である。

一方のレーザー濃縮法は、選択的濃縮法とも言われるように大規模な設備が必要ない。手法としては原子法と分子法の二つがあり、原子法は金属ウランを蒸気化し、レーザーによりU235だけをプラスイオン化させマイナス電極に集めるという手法である。もう一つの分子法は、UF6化したウランにレーザー光線を照射するとU235が五フッ化ウラン(UF5)化しやすい性質を利用したもので、既存の再処理工程を利用できること、極めて効率が高く実現可能性の高いことなどの特徴を持っている。韓国が実験した濃縮法はいずれかは不明であるが、おそらくは後者であると想像できる

韓国政府は平和利用であることを強調し、全くの実験段階であると弁明している。レーザー濃縮技術自体が研究段階であることを考えるともっともな話のように聞こえるが、平和利用が目的であったかどうかは極めて疑わしい。そもそも、平和利用であるならIAEAへの報告を怠っていた事実そのものが重大な瑕疵であるし、事あるごとにわが国の原子力開発を根拠もなく軍事目的であると非難してきた韓国が、である。核の相互検証と国際的な査察制度は、核の平和利用と軍事目的での拡散を阻止するための制度である。それに対してあからさまに違反して濃縮を行った事実そのものが非難されて然るべきであり、平和利用が目的であるとい弁明そのものが通用しない(その結果のイランやイラクの状況を見よ)

軍事利用が目的である可能性が高いと言えるのは、隠していた事自体だけではない。そもそも、韓国が独自のウラン濃縮技術を保有する必要性が全くないからである。韓国にはプルマーサル計画は存在せず、使用済み核燃料は再処理せず最終処分する計画であるから、再処理設備はおろか濃縮技術そのものが必要ない。しかも、IAEAによると世界のウラン再処理設備能力は2010年代まで需要を供給が10%程度上回る状況が続くので、自主開発技術による生産工場を建設するよりも買った方が安いのだ

さらに韓国側の主張を胡散臭く感じさせているのは、韓国政府が関与した事実はなく、当時の技術や装置は破棄されたという点が隠蔽を疑わせる。レーザー濃縮法は統計法に比べて大電力が必要ではないが、それなりの設備が必要であることには変りないし、実験回数と濃縮されたウラン量から考えて相当高出力なレーザー濃縮装置が使用されたと思われる。一研究者や機関が、わが国よりも中央統制的な官僚国家である韓国政府及び軍に察知されない形で濃縮実験を行っていた、というのは実に有り得ない話だ

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  • by Lcs (3592) on 2004年09月04日 6時31分 (#617050) ホームページ 日記
    日本では(特にTVでは)穏健で控えめな報道になっていますがBBCあたりは
    かなり強硬な論調になっていますね。
    朝鮮半島非核化の思惑では周辺国の利害が一致していると思うのですが
    そうすると過去の例に照らして安保理にかけてなんらかの制裁という
    ことになりますか。

    #で、韓国産メモリ高騰かぁ?
    --
    --- Lcs(http://lcs.myminicity.com/ [myminicity.com])
    • 韓国側の報道もメチャクチャですね。中央日報なんて、レーザー濃縮は申告の対象外だとか、濃縮ウラン輸入(たったの年間4000億ウォン)の早期国産化だとか、寝言は寝て言えと

      安保理制裁の対象にはならないだろうし、米国としてもイラン・北の核放棄政策の建前上、韓国のレーザー濃縮技術が米国から流出したものかどうか調査を開始するみたいですけど、IAEAは形式的な処置に留まるみたいですね

      #メモリ問題はちと別口で問題があったり
      親コメント
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