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von_yosukeyanの日記: BTM/UFJ統合行の勘定系にBTM勘定系採用へ 2

日記 by von_yosukeyan

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050205-00000088-kyodo-bus_all

以前から、BTMとUFJの統合商業銀行の勘定系システムはUFJ有利と言われていた。銀行の勘定系統合の際で最も重視されるのは、現状のシステムの処理能力である。銀行のシステム統合は、最低でも統合作業に二年から三年を要し、今回のBTM/UFJの合併に見られるような時間的な余裕のない場合には、勢いリレーコンピューターによる仮統合状態で合併し、早い時期に処理能力に余裕のある勘定系に片寄せ統合する、という形を取らざるを得ない。この方法は過去に、東京=三菱、さくら=住友、三井信託=中央信託=拓銀の統合の際に取られた方法である

この方法だと、仮統合システムの構築が比較的短期間(1年くらい)で開発できるのに対して、第二段階の片寄せ統合に2年から3年、そこから次期システムの開発の第三段階に入るので、現実的には3年から4年ほど統合作業だけに時間を費やすことになり、営業上新商品の開発・投入や営業店の削減などで身動きが取れない状況になってしまう。そこで、仮統合状態で第二段階を飛ばして、理想とする次期システムを開発するという手法もあり、みずほ銀行のシステム統合の際実際にそういうスケジュールで進んでいたが、スケジュールの遅延やシステム障害などで実際にはこの手法は取られなかった。一方で、最初から次期システムを構築しておいて、仮統合・片寄せ統合なしにいきなり第三段階に飛ぶ方法がある。これが三和=東海の統合や、欧米の銀行などで最もよく取られる方法である

問題は、BTMのシステムには処理能力の余裕に乏しい点だ。BTMは、東京銀行との合併の際に、国際系システムや債券系を除く全システムを三菱銀行側に片寄せ統合して以来、国際系や情報系の刷新などを優先して勘定系に投資を行ってこなかったし、邦銀の経営危機を背景として個人顧客が急増しているにも関わらず、抜本的な次期システムの開発を行ってこなかった。こういった背景から、現状のBTMの勘定系は必ずしも余裕のあるシステムとは言いがたい

一方で、UFJのシステムは三和・東海の合併の際に、急増する処理量に対応するためにかなり余裕のある設計になっているし、システムそのものも邦銀の中では最も先進的なシステムと評されている。元々、関西系の都銀は関東系の都銀に比べてピーク処理能力が大きめに設計されているが、UFJの場合には厚いリテール層に対応するために、勘定系の24時間365日稼動、トランザクションのリアルタイム執行、大量のキャッシュサービス・口振に対応するための処理能力、磁気テープの仮想化、データ通信網のIP化・ブロードバンド化などBTMにはない先進性がある

一方で、両行のシステム統合に関しては、これ以外にも検討すべき事情があった。UFJは、日立製作所に勘定系開発部門とシステムを売却し、合弁のUHSが勘定系の運用を行っている。運用契約は、長期のアウトソーシング契約となっていて、仮にBTM側のシステムを採用するとなると多額の違約金が必要になる。一方で、BTMは次期システムの開発を開始したばかりで、開発したシステムをIBMを通して三菱系地銀に提供し、共同システムセンターで運用する計画を発表している。仮にUFJ側のシステムを採用するとなると、この地銀共同システム計画は後退または二重開発となってしまう可能性があり、BTM側も身動きが取れない状況にあったと言えるだろう

BTM側システムの採用の発表によって、都市銀行の中で日立製作所製のメインフレームを勘定系に採用する銀行はみずほコーポレート銀行のみとなり、大量のトランザクションを処理する都市銀行のシステムとしては採用行がなくなってしまう

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  • これからどうしたらいいのでしょうか。

    たとえばFirefoxではログインすらできないネットサービス。
    こんなBTM仕様のまま、新システム移行になってしまったら、実用上も切るしかないんですけど。
    • まぁ一方的にUFJユーザーが不利になるようなサービスの改廃はないと思うけど、ある程度BTMにもある似たようなサービスは統合の対象になりそうな感じ。たとえば、UFJ24は継続されるけどAlloneの優遇サービスの一部はMainbankと統合されるだろうし。システムに関しても同様

      で、問題はこういう統合作業にはない機能を実装したり、処理能力を増強したりとで非常に時間がかかるわけで、明らかにUFJ側に統合するよりも合併からシステム統合完全完了まで時間がかかりそうなところ。さすがに、みずほのようにあからさまにサービスが違う●■ほどの問題はおこらないだろうけど、似たりよったりの状態がしばらく続きそうなところが問題なわけで

      もうひとつは、システム屋的にはBTM側に勘定系を統合ということで、勘定系開発の主体はTMITが、情報系開発の主体はUFJISが担うことになりそうというところ。じゃあ、UHSはどうなるんだという話にもなるだろうし、情報系をいまさらIBMから日立VOSに移行するなんてことにはならんだろうから、勘定系と同様にVOS>IBMなんて開発の必要性が出てきちゃったりして大変ですね、というお話
      親コメント
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