「化学物質恐怖症」が台頭している? 114
炎上マーケティング 部門より
ピューリッツァーを賞受した科学ライターDeborah Blum氏が、「米国の報道機関は曖昧な化学物質の危険性を煽っている」と主張している。やり玉に挙げられているのは、NewYork Timesの Nicholas Kristof氏だ(PLOS BLOGS、本家/.)。
批難されているKristof氏は、過去に「化学物質が我々の体を脅かしている」と主張。また、「毒素が自閉症の原因か?」といった記事も書いている。確かに厳密に調べれば一因として化学物質が原因の可能性もあるが、しかしそれは過剰な意見であり、不条理だとBlum氏は言う。
さらに問題なのが、記事中では「化学物質(Chemicals )」や「毒素(Toxins )」というような曖昧な用語が使われている点だ。これは同じ原子を含んでいるからといって水(H2O)と致死性の高いシアン化水素(HCN)を「化学物質」としてひとくくりにしてしまうようなものだと批難、これをやめてたとえば「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」のように化学物質名でその危険性を伝えるべきだとしている。
また、Kristof氏はその記事の根拠を特定の大手化学メーカーへの取材に頼っている点や、化学的な専門用語に関する知識不足についても指摘されている。Blum氏はこのような不十分な調査による記事が新聞に掲載されて耳目を集めるのは非常に問題で、またNewYork Timesのような米国の報道機関は、曖昧な化学物質の危険性を煽ることで消費者たちを化学物質恐怖症(chemophobia、ケモフォビア)に陥れており、それが企業としての繁栄につながっているようにも見える、とも述べている。