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yasuokaの日記: 私家版「ベロニカは死ぬことにした」 1

日記 by yasuoka
パウロ・コエーリョの『ベロニカは死ぬことにした』(江口研一=訳)を読んだのだが、以下の会話を勝手に続けてみたくなった。

「我々はそれをQWERTYキーボードって呼んでるんだ。それが最初の一列目の文字の順番だからだよ。一度、どうしてそうなのか考えたことがあって、その答えを見つけたんだ。初めての機械は、1873年にクリストファー・ショールズが能率をよくするために発明したんだが、問題があったんだ。人がとても速くタイプしたとき、キーが一緒に絡まって、機械が動かなくなってしまうんだ。それで、ショールズは、QWERTYキーボードをデザインして、人がもっとゆっくりタイプしなければならないように改良したんだ」
「そんなこと信じないわ」
「でも本当のことなんだよ。そして偶然にも、その当時、ミシンの製造業者だったレミントンが、最初のタイプライターにQWERTY式キーボードを導入したんだ。それで、より多くの人が、そのシステムを学ばざるを得なくなり、より多くの企業が、そのキーボードで製造しなければならなくなって、最終的に、それが唯一のモデルになったんだ。繰り返すが、タイプライターやコンピューターのキーボードは、より早くではなく、人がより遅くタイプするためにデザインされているものなんだ。分かるかい?」

「いいえ、そんなこと絶対信じないわ。だって『人がより遅くタイプするため』なんて言い出したのは、ドボラック配列信者のロバート・パーキンソンよ。パーキンソンは自分の会社のドボラック配列キーボードを売りたいがために、そんなガセネタを言い出したに決まってるわ」
「そうかね? わたしはパーキンソンなんて人物のことは知らないが?」
「でも、ポール・アラン・デビッドのことは知ってるでしょ? あなたの話は、ポールの論文の受け売りだもの。そもそも、銃器会社のE・レミントン・アンド・サンズがQWERTYを採用したのは、『偶然』でも何でもないのよ。だって、クリストファー・レイサム・ショールズは1873年6月に、ニューヨーク州イリオンのE・レミントン・アンド・サンズに出かけていって、『Sholes & Glidden Type-Writer』っていうブランド名を決めてきてるんですもの。けれども、その時のキー配列は一列目がQWERTUIOPYで、まだQWERTYUIOPじゃなかったのよ」
「じゃあ、いつQWERTYになったんだね?」
「さあ、知らないわ。でも1874年4月に出荷された『Sholes & Glidden Type-Writer』の1号機はQWERTYUIOPだったから、それ以前なのは確かね」

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  • by yasuoka (21275) on 2007年06月15日 17時22分 (#1174359) 日記
    とたんにマリーは笑い出した。「でもそんな話、何の意味もないわ。忘れたの? スロベニアのキーボードはQWERTZよ。QWERTYなんかじゃないわ」
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