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19094 journal

yasuokaの日記: The Type Writer Companyの設立

日記 by yasuoka

JapanKnowledgeの『日本大百科全書』で「タイプライター」の項目(執筆は伊勢谷堅吾)を読んでいたところ、以下の部分にひっかかった。

最初の実用的タイプライターは、アメリカの印刷技術者ショールズChristoph Latham Sholes(1819―90)が石油業者デンスモアなどの後援によって試作し、1868年に特許を得た。ショールズは以後5年の間に約30の試作機を考案し、73年、ニューヨークの銃・ミシン・農耕機製造業者レミントン父子社に製作を依頼した。レミントンは特許権を買い取って改良を加え、翌年自社商標で販売を開始した。タイプライターという名は、ショールズが試作機に命名した固有名詞がのちに一般化したものである。

経済学者の考えるタイプライターの歴史「QWERTYはわざと速く打てないように」伝説の日本上陸にも書いたが、タイプライターを発明した当時のChristopher Latham Sholesは、ミルウォーキー港の収税官で印刷技術者などではない。これに加え、E. Remington & Sonsは、1874年発売のタイプライターに「自社商標」など付けていない。最初に市販されたタイプライターの商標は『The Sholes & Glidden Type Writer』で、発明者の名前を冠している。商標に社名が入るのは、1878年発売の『Remington Type-Writer No.2』以降だ。

また、E. Remington & Sonsは、Sholesの特許を買い取ったりしておらず、あくまで特許使用料を支払う形での契約としている。これに対し、この特許使用料を管理するための会社として、James Densmoreは、The Type Writer Companyを1874年12月28日に設立している。ちなみにThe Type Writer Companyには、その後、Sholesの特許のみならず、Jefferson Moody CloughとWilliam McKendree JenneのU. S. Patent No.199263や、Walter Jay BarronのU. S. Patent No.199494なんかも委譲されてたりする。

そもそもこの項目は、Sholesのファーストネームを「Christoph」と間違ってるあたり、かなりダメだったりする。JapanKnowledgeの『日本大百科全書』は毎月更新らしいが、こういうのは、いつになったら直るのだろうか?

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