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yasuokaの日記: 『pronto pronto?』Vol.6のガセネタ

日記 by yasuoka
『pronto pronto?』Vol.6 (2007年3月)を読んでいたところ、「トリビア名誉教授 唐沢俊一のビジネス課外授業。」(p.17)に、私立探偵のライセンスに関するガセネタが載っていた。

「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」というのは私立探偵フィリップ・マーロウの有名なセリフ。彼の探偵事務所があるロサンゼルスでは、私立探偵の資格をとるには探偵学校に通って、年間2000時間以上の調査実務を3年間積まなくてはならない。

違う。カリフォルニア州の場合、いわゆる「探偵学校」に通って法律学あるいは警察学を修めていれば、調査実務は2年間(合計4000時間)でいい。ただし、AA degreeしか持ってない場合は、調査実務は2年半(合計5000時間)必要だし、そういう学校に通っていない場合は、調査実務が3年間(合計6000時間)必要だ。フィリップ・マーロウの場合、たとえば『Playback』(Hamish Hamilton, 1958年)でもライセンス証を見せるシーンがあるので、私立探偵のライセンスを持っているのは間違いない。ただ、マーロウが、いわゆる「探偵学校」に通ったかどうかは謎だ。

日本ではこういう法律がないため、誰でも探偵になれる(大阪は市条例で届出制)。

なれない。日本では『探偵業の業務の適正化に関する法律』(平成18年6月8日法律第60号)があるので、届出の必要がある。この『pronto pronto?』Vol.6が出た時点においても、同法の公布は9ヶ月前、施行は3ヶ月後に迫っており、「日本ではこういう法律がない」などという状態ではなかった。それとも、この時点の『pronto pronto?』は、同法の施行前にカケコミで、無許可の私立探偵になることを勧めていたのだろうか?

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