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yasuokaの日記: どうして常用漢字表を改定するハメになったのか

日記 by yasuoka

『新常用漢字表が迫るUnicode移行、「シフトJIS」では対応不可能』(日経コンピュータ, No.745 (2009年12月9日), pp.89-93)の読者から、「そもそもどうして常用漢字表を改定しなきゃいけないんですか」と質問された。それはもちろん、平成17年3月30日に文部科学大臣から諮問第15号「情報化時代に対応する漢字政策の在り方について」が文化審議会に対して…、と答えかけて、私(安岡孝一)自身、途中で答につまってしまった。だって、文部科学大臣の諮問は、以下のようなものだったはずだ。

種々の社会変化の中でも,情報化の進展に伴う,パソコンや携帯電話などの情報機器の普及は人々の言語生活とりわけ,その漢字使用に大きな影響を与えている。このような状況にあって「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」である常用漢字表(昭和56年内閣告示・訓令)が,果たして,情報化の進展する現在においても「漢字使用の目安」として十分機能しているのかどうか,検討する時期に来ている。

常用漢字表の在り方を検討するに当たっては,JIS漢字や人名用漢字との関係を踏まえて,日本の漢字全体をどのように考えていくかという観点から総合的な漢字政策の構築を目指していく必要がある。その場合,これまで国語施策として明確な方針を示してこなかった固有名詞の扱いについても,基本的な考え方を整理していくことが不可欠となる。

また,情報機器の広範な普及は,一方で,一般の文字生活において人々が手書きをする機会を確実に減らしている。漢字を手で書くことをどのように位置付けるかについては,情報化が進展すればするほど,重要な課題として検討することが求められる。検討に際しては,漢字の習得及び運用面とのかかわり,手書き自体が大切な文化であるという二つの面から整理していくことが望まれる。

この諮問のどこをどう読んだら、今回の常用漢字表の改定につながるんだろう。「携帯電話」とか「JIS漢字や人名用漢字との関係」とか「総合的な漢字政策の構築」とかは、いったいどこに反映されているんだろう。

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