yasuokaの日記: 「害」を常用漢字表から削除できるか 6
日記 by
yasuoka
今朝の朝日新聞の文化面(大阪版だと第46130号p.15)に、白石明彦の『「障害者」か「障碍者」か』という記事が載っていた。「『碍』を常用漢字に」追加求め意見相次ぐ、という副題がついているのだが、どうも論旨に得心がいかなかった。たとえば、締めくくりの以下の文章。
いずれの結論を採るにしても、文化審議会はこの問題に対する見識を示すべきだ。害という漢字が嫌なのです、と訴える人たちのためにも。
「碍」という漢字を使いたいのであれば、「碍」を常用漢字表に追加するかどうかを議論すればいいのだが、「害」という漢字が嫌だというのであれば、どう考えても話が違ってくる。「害」が嫌なら、やはり「害」を常用漢字表から削除しろと要求すべきだ。そりゃあもちろん、「障害者」という漢字が嫌な人たちはいるだろうし、「被害者」という漢字が嫌な人たちもいるだろう。あるいは「加害者」「迫害者」「侵害者」「殺害者」という漢字が嫌な人たちもいるかもしれない。それらに対する「文化審議会」の見識を示すとなれば、常用漢字表への「碍」の追加などではなく、常用漢字表からの「害」の削除しか、可能な選択肢はないように思える。
ただ、それは、本当に常用漢字表の「問題」なのだろうか? そもそも、去年12月のパブリックコメントにおいて、常用漢字表への追加要望は「玻」がトップだったのだが、なぜ朝日新聞は「玻」に関する議論は取り上げず、あえて「碍」だけを取り上げるのだろうか?
記事の元ネタ (スコア:2)
ふと思いついて「白石明彦」で検索したら、以下のような記事を見つけました。
http://d.hatena.ne.jp/tokujirou/20100224/1267000817 [hatena.ne.jp]
白石明彦さんのいう「訴える人たち」がこの日記の著者だとすると、活動の理由は「池田小事件で「精神障害者」という言葉は事件とセットで報道され当時は血塗られた忌まわしい言葉になってしまっていたから」であり、主張は「「障害」を「障碍」に変えて欲しい」になるようですね。
http://d.hatena.ne.jp/tokujirou/20100225/1267089534 [hatena.ne.jp]
「碍」の追加はその主張の十分条件だとも他の記事で言っているので、まぁ大外ししているわけでもないように見えます。
Re:記事の元ネタ (スコア:1)
Re:記事の元ネタ (スコア:2)
まぁ、朝日に最初に「碍」の話が載ってから3ヶ月、その間に他にも取材はしているでしょうし、フィードバックも得ているでしょうから、もはや「元ネタ」は語弊がありますね。
仮にこの豊田さんのことだとすると、「「痴呆症」→「認知症」と同様に政府主導で公募による即決を期待」とかありますね。
http://d.hatena.ne.jp/tokujirou/20100305/1267780304 [hatena.ne.jp]
http://d.hatena.ne.jp/tokujirou/20100331/1270014854 [hatena.ne.jp]