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yasuokaの日記: Frederick Sholesのタイプライター特許 1

日記 by yasuoka

テクニカルライターKの日常にもコメントしたのだが、Christopher Latham Sholesの息子の一人Frederick Sholesは、タイプライターに関して、私(安岡孝一)の知る限り8つのアメリカ特許を取得している。

  • No.216232(1879年2月11日申請, 1879年6月3日取得)
  • No.225078(1879年6月5日申請, 1880年3月2日取得)
  • No.474533(1890年10月1日申請, 1892年5月10日取得)
  • No.697678(1900年12月7日申請, 1902年4月15日取得)
  • No.768315(1902年10月13日申請, 1904年8月23日取得)
  • No.929030(1904年5月31日申請, 1909年7月27日取得)
  • No.963949(1907年10月28日申請, 1910年7月12日取得)
  • No.1576858(1922年2月23日申請, 1926年3月16日取得)

ただし、1879年申請の2つの特許に関しては、Darryl Rehrが「The Frederick Sholes Patent Model」(ETCetera, No.27 (1994年6月), pp.4-5)で指摘している通り、どう考えても実用化不可能だ。これらの特許の活字棒は、いわゆるグラスホッパーアクションを上下逆にしたような動きで、もし本当に実用化できていたのならば、当時としては非常に画期的な機構だったのだが、Rehrも指摘する通り、特許に記されたままの方法ではキー数を7以上に増やすのはかなり難しい。ましてや、キー数を25以上にするなんて絶対不可能だ。したがって、アルファベット26文字を含むタイプライターはこれらの特許では製造できず、実際、製造された形跡も全くない。

しかしながら、1890年以後の6つの特許は十分に実用化可能なもので、事実No.768315の特許に記されたマシンは、1901年にAugust David Meiselbach Typewriter Companyから『Sholes Visible』として発売された。この『Sholes Visible』が10年早く発売されていたなら、アームを有するフロントストライク式タイプライターの嚆矢となっていただろうが、現実には、DaughertyやUnderwoodの後塵を拝する結果となったわけである。

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