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政府

yasuokaの日記: マイナンバーの文字コード

日記 by yasuoka

『番号法で変わる自治体業務』(ぎょうせい、2013年10月)を読んでいたところ、マイナンバーの文字コードに関して、かなりマズイことが書かれていた(p.47)ので、あえてここに晒しておくことにする。

6 情報連携と文字コード
 現在我が国には多様な文字コードが存在し、「外字」の問題も絡んで、文字コード間相互で互換性の問題を惹き起こしています。
 しかし、番号制度の情報連携において機関間でやりとりする情報は、キーとなる連携符号を含めた数値データ及び定型的な用語になる予定であり、機関間で特殊文字の入ったデータを流通させることは現在のところ想定していないため、基本的には情報連携自体については、外字に関連した文字コードの問題を新たに惹起することはないと考えられています。

馬鹿を言いなさんな。マイナンバーで文字コードの問題が起こらないのなら、私(安岡孝一)がわざわざ、登記統一文字とUnicodeとの対応表を作ったり(前半後半)するわけがないだろう。現時点で最も危険なのは、国税庁の法人番号システムと、法務省の登記情報システムとをつなぐあたりで、どう考えても「外字に関連した文字コードの問題」が新たに発生する。もちろん、国税庁もそのあたりは理解していて、提案依頼書で「文字コードの取扱いに関する精通者を1名以上」求めているわけだ。

マイナンバーにおいて文字コードの問題が起こらない、などと言うのは、全くの幻想に過ぎない。各サーバーでやりとりする文字コードを、たとえUnicodeに揃えたとしても、各サーバーで扱える文字の範囲が異なっているからだ。そのあたりを、私の日経ITproの連載でも、ちゃんと警告しておいたはずなのに、どこを読んでいるんだ。もし、シフトJISと戸籍統一文字と住民基本台帳ネットワーク統一文字と登記統一文字とUnicodeとの間で、全く何の問題も起こらないというのなら、ぜひそういうシステムを作ってみせてほしい。

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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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