yasuokaの日記: 大漢和398「仮」と398「仮」は別字なのか
日記 by
yasuoka
一昨昨日と一昨日と昨日の私(安岡孝一)の日記の続きなのだが、では、大漢和辞典398🈩「仮」と398🈔「仮」は別字なのか。398🈩の方は、音がハンで「反(2-3127)に同じ。」 398🈔の方は、音がカで「假(1-835)の略字。」 どうやら、たまたま大漢和番号がカブっているだけで、もともと同形異字のようだ。ならば、これら「仮」と「仮」に対する文字コードはどうなっているのだろう。
JIS X 0208は、1997年版規格票の解説pp.390-391によれば、18区39点「仮」に「ハン」と「カ」の両方を包摂している。戸籍統一文字は004940に「ハン」と「カ」の両方をまとめている。一方、CNS 11643は、3-226Fに「ハン」だけを収録していて、「カ」の方は収録していない。ISO/IEC 10646は、U+4EEEに「ハン」と「カ」の両方を統合して収録している。
さてここで、もし、U+4EEEに統合されている同形異字を分離するよう要求して、仮にそれが通ってしまったとしたら、どうなるだろう。この場合、「ハン」(反の異体字)がU+4EEEに残されて、「カ」(假の異体字)がどこか別のところに追い出されることになる可能性が高い。だって、康煕字典の「仮」には、「反に同じ。」の方しか載ってないのだから、国際的には「ハン」が優先されるのだ。それならばそもそも、こういう馬鹿げた分離要求を日本は絶対におこなうべきではないと、私(安岡孝一)個人は考えるのだが、さて読者の皆さんはどうだろうか。
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